こんにちは、遊ぶ数学のウチダです。
今日は、大学受験において避けては通れない”過去問”についてのお話です。
うわ出たよ過去問…この夏まで部活に熱中してたから、過去問解けるレベルになんてどうせなってないんだよなぁ。
私も直前まで過去問やる気が起きません…。今やるのはどうしても怖いって思っちゃうんですよね。
こういう悩みを抱えている人もいれば、実際に過去問をやってみてはいるんだけど、「どうやって分析して改善していけばいいかわからない…」という方もいると思います。
つまるところ、過去問の使い方がわからない…と悩んでいる方は、非常に多いということです。
結果「冬まで過去問は取っておく」という人が非常に多いですが、これはめちゃくちゃ危険な考え方です…。
ということで本記事では、過去問の使い方 $3$ STEPや便利な教材・サイト $4$ 選について、
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
過去問の時期別使い方3STEPを解説【ヒントは「登山」】
まずこの章では、
・どうして過去問は、冬まで取っておいたらダメなのか
・そもそも、なぜ過去問をやる必要があるのか
これらについて解説したあとで、時期別の使い方について詳しく見ていきたいと思います。
Q.なぜ過去問を冬に取っておくと失敗するのか
これは本当にあるあるなので気をつけてください。
たとえばこのように、
よし!教科書や問題集は完璧だから、これで大丈夫!過去問にチャレンジだ!
と、真面目に頑張ってきた方が、実際過去問に挑戦してみると
あれ…全然解けない…。こんなはずでは…
と、戦意喪失してしまうケースは本当によくあります。
「受験 失敗談」で検索すると、だいたい「過去問を始める時期が遅かった」というのが上位にランクインしてますね。
なぜこういうことが起きてしまうかというと、「受験勉強のゴールを事前に知らないこと」に主な原因があります。
これは登山に例えるとわかりやすいです。
↑の画像のように、「過去問を解く前(理想)のイメージ」と「実際に求められているレベル(現実)」のギャップというのは、ほぼ必ずあります。
なので、事前に過去問(つまり登るべき山)を知らないと、しっかりとした対策を積むことができないということになってしまうのです。
たしかに、登山するときに登る山の情報を調べない人は、一人もいないですね…
その通りなんです。皆さん大体11月頃に初めて過去問に挑戦し、「え?こんなにムズイの?」ってそこで初めて気づくんです。でもそこで気づいても、時既に遅し状態なんですよね…
つまり、まとめるとこういうことです。
- 「過去問で合格最低点以上の点数が安定して取れる」というのは、受験勉強のゴールと言える。
- しかし、過去問の正体を知らないと、いい点数を取るための準備すらできない。
- よって、まずはラスボスの正体を明らかにすることが大切(これにより明確な目的が生まれ、モチベも上がる!)
過去問の重要性はわかりました!では具体的に、何をどうやって対策していけばいいのでしょうか?
ということで、ここからは「リサーチ期」「アクション期」「チャレンジ期」という $3$ STEPに分けて、それぞれの時期においてあなたが行うべきことをわかりやすく解説していきたいと思います!
リサーチ期:登る山の高さ・険しさを確認
まずは、登ろうとしている山の高さ・険しさを、“肌で”実感しましょう。
過去問を見るだけでもOKですか?
人によります。見るだけで難しさを分析できればOKですが、もしそれが難しいのであれば、$1$ 年分ぐらいは解いておきたいところです。
先述している通り、点数を上げることが目的ではなくあくまで「敵を正しく知る」ことさえできればいいので、分析の質を大切にしてください。
後述する
- 東進過去問データベース
- パスナビ
この $2$ つを上手に使うことで、なんと無料で志望校の山の高さ・険しさをしっかりと分析することができます。
また、これは一般論ですが、大学入試の合格最低点はだいたい $6$ ~ $7$ 割なので、それを超えられるような勉強を今後継続していきましょう。
リサーチ期は、早ければ早いほどいいですが、遅くとも高3の8月までには終わらしておくことをおすすめします。
アクション期:道具の準備が本当に完了したのか確認
さて、リサーチが終わりラスボスの正体がだいたい掴めたら、次にやるべきなのは「ラスボスを倒すための道具の準備」です。
準備と言っても、具体的に何をすればいいのかわかりません…。
数学で言えば、中堅大学以下であれば「基礎を徹底的に完成させること」、難関大志望であればそれに加え「発展問題の解答の方針を導き出す訓練をたくさん積むこと」ですね。
そして、道具が本当に準備できたかについては、「過去問を $1.5$ 倍の時間をかけて実際に解くこと」で確認しましょう。
本当に道具の準備が完了しているのなら、制限時間を無視すれば合格最低点は超えるはずです。
いきなり制限時間内に合格最低点を取ることは至難の業であり、言ってしまえば運ゲーなので、ここは焦らず行きたいところですね。
ちなみに、今は塾や予備校で勉強すること以外にも
- 自分にあった参考書(教科書を含む)を使って独学で勉強すること
- スタサプなどの映像授業で勉強すること
などなど、色んな選択肢がありますので、ここは柔軟に考えて、自分にあった方法を選択するようにしましょう。
高校数学おすすめ参考書と、スタサプの使い方については、以下の記事をご覧ください。
参考書を選ぶ基準は2つあるって…?
結局ラストは「過去問」!?
以上について、わかりやすく丁寧に解説します。
「共通テストが不安」「二次試験が解ける気がしない」と感じている方は必見です。
スタサプだけで大学受験を勝ち抜く具体的な方法とは
スタサプのおすすめの使い方3STEP
以上について、わかりやすく丁寧に解説します。
「スタサプって最近よく聞くけど、よくわからなくて手を出せていない…」と感じている方は必見です。
チャレンジ期:あとは登るのみ!登って登って改善を繰り返せ!
ここまでできたら、あとは過去問を解きまくって、解く度に分析→改善のサイクルを回し続ければ、自ずと点数は伸びていきます。
ここは実際の山登りとは違って、失敗が許されています。
たとえば、道具が足りなかったら、また準備し直して再チャレンジすればいいですし、体力が足りないのであれば、過去問を $10$ 年分解いたり日々の基礎学習を徹底したりして、徐々に慣れていけばいいだけです。
なので、あまり失敗を恐れずに、なるべく早めにチャレンジ期に突入してほしいなぁ、と思います。
とは言っても、いつ頃からやればいいのか、やっぱり不安です…
それはそうですよね…では一般論チックではありますが、ウチダ的おすすめスケジュールを解説しておきたいと思います!
受験直前(11月~2月)の具体的なスケジュール感
多くの受験生が気にする、受験直前期(11月~2月)の過ごし方について、ウチダの個人的な見解を述べておきます。
○月 | やるべきこと | 注意点 |
---|---|---|
11月 | ①センター試験の過去問②共通テスト予想問題集③第一志望の過去問 $5$ 年分④第二志望以下すべての過去問 $1$ 年分ずつ | 理科と社会については、共通テスト対策が必要だと感じたものは予想問題集で対策しておく。英数国はマスト。 |
12月 | ①共通テスト対策を $10$ 年分以上、マーク形式で $9$ 割の時間で解く。②二次試験の過去問を週に $1$ 回。 | 応用力を維持するためにも、二次試験の過去問も週に $1$ 度はやっておく。 |
1月 | 共通テストまでは $12$ 月と同じ。共通テスト後は自己採点をし、すぐさま二次試験対策に移る。 | ①出願締切日②入試日③合格発表日④入学金手続き締切日の $4$ つは、自身の受験スケジュール帳にしっかりと書き込んでおく。 |
2月 | 過去問+必要な教材(参考書やスタサプなど自分にあったもの)で対策を続け、合格最低点 +5~10% を取れるよう頑張る。 | 挑戦者でなくなった時点で合格可能性は下がる。受験生には、最後まで謙虚に”挑戦者”であり続けてほしい。 |
ここまで具体的な指標があれば、頑張れそうです…!ありがとうございます!
最後にメッセージを添えましたが、「挑戦者であり続ける限り必ず道は開けます」。ぜひ最後まで諦めず頑張ってください…!
過去問を使うのに便利な教材やサイトを4つ紹介
過去問の正しい使い方については解説できましたが、肝心の教材などをまだ紹介できておりません。
ということで、ここからは「便利な教材やサイト $4$ 選」と題して、
- 赤本
- 青本
- 東進過去問データベース
- パスナビ
の紹介をさせていただきたいと思います!
今の時代を生きる受験生は、この $4$ つは知らないとマズいですよ!ぜひ参考にしてください。
言わずとしれた名著「赤本」
教学社が出版している赤本は、受験生は全員聞いたことがあるでしょう。
進学校であれば、学校に大量に赤本が並んでいる、という光景も珍しくはありません。
赤本は、ほぼすべての大学に対応していますし、収録年数も多く、また合格最低点などのデータもわかりやすく載っています。
(画像で紹介した「都留文科大学(つるぶんかだいがく)」は、山梨県の公立大学で、地元民には大人気の教員養成大学です。公立なのに3科目で受験できるのも魅力的ですね。)
一方で、解説がちょっとあっさりしすぎているため、基礎が固まっていないと赤本で学習することに苦戦するでしょう。
でも赤本以外に良い参考書、なんてあるの?
皆さん知らない人が多くてびっくりするんですが、黒本や紫本、白本や緑本といった参考書もあるんです!その中でも特におすすめな、青本について言及していきます。
実はかなりの完成度「青本」
青本は、駿台予備校が出版している大学入試対策本です。
赤本と掲載内容は似てますが、特徴は逆ですね。
解説は赤本より丁寧でわかりやすく、多くの受験生に好評です。
一方で、青本は旧帝国大学や超有名私立大学といった、一部の大学のみ出版されているため、赤本でしか対策できない大学も多いです。
青本が出版されている大学を志望している方は、赤本より青本を使って対策することをおすすめします。
その他「黒本」「紫本」「白本」「緑本」について軽く解説
有名な赤本・青本の他にも、この $4$ 種類が比較的有名です。
それぞれの特徴を簡単にまとめておきます。
- 黒本 … 河合塾出版の「共通テスト(旧センター試験)」に特化した対策本。共通テスト対策では一番人気。
- 紫本 … 河合塾が出版している、大学別”模試”の過去問集。「過去問だけだと不安だから河合の模試もやっておきたい」と考える受験生におすすめ。
- 白本 … 代々木ゼミナールから出版されている対策本。代々木の解説が好きな方向け。
- 緑本 … 通信教育で有名なZ会から出版されている対策本。共通テスト予想問題パックが人気。
こんなに参考書ってあるんですね…また一つ勉強になりました!
知っているのと知らないのでは天と地の差ですからね~。もちろん自分にとって必要なものだけ買えばいいので、そこは履き違えないように!
ではここからは、今のネット時代を生きる我々はぜひ知っておきたい超絶便利サイト $2$ 選をご紹介していきたいと思います。
これが無料はやばい!「東進過去問データベース」
映像授業予備校として一世を風靡した、あの”東進ハイスクール”が提供している、過去問閲覧サービスです。
なんと無料で、$185$ 校の大学の過去問が $21$ 年分も見ることができます!!
でもこれって、東進生しか見れないんじゃないんですか?
こう勘違いする方は非常に多いのですが、実は東進と全く関係ない高校生でも見ることができるのです!
といっても、別にずるいやり方をするのではありません。
東進が「受験関係者だったら誰でも使っていいよー」というスタンスなので、下の画面から普通に会員登録すればOKです笑
第一志望の赤本・青本は買う気が起きても、第二志望以下の対策本まではさすがに…という人は結構いるかと思います。
本記事で解説した「リサーチ期」で色んな大学の過去問に触れる際にめちゃくちゃ便利なので、知らなかった…という人はこれを機にぜひ使ってみてください^^
情報量エグい。「大学受験パスナビ」
基礎問題精講などの参考書を出版していることで有名な「旺文社(おうぶんしゃ)」が提供している、無料の大学受験情報サイトです。
パスナビは、過去問を見れるだけでなく、大学の様々な情報、たとえば…
- 入試科目
- 合格最低点
- 倍率
- 共通テスト得点率
- 取れる資格
- 卒業生の進路
- 男女比率
- 地元占有率
- 総合型選抜の日程や科目
などなど、このサイト一つでその大学のことがほとんどわかってしまうぐらいの情報量が掲載されています。
また、パスナビは、都道府県や偏差値、学部などの情報から大学を絞り込むこともできるため、志望校を探すのにもうってつけです。
大学の過去問を見るには、過去問を見ようとすると以下の画面が表示されると思うので、LINE、Twitterなどお好きなアカウントもしくはメールアドレスから、無料会員登録していただければと思います。
まとめ:過去問を正しく使うことで志望校の合否は決まる!
以上、過去問の正しい使い方とおすすめ教材&サイト $4$ 選でした。
もう一度、要点のみまとめておきます。
- 過去問を冬まで取っておく人は多いですが、絶対に早めに着手しておいてください。
- リサーチ期・アクション期・チャレンジ期で使い方を分けましょう。
- おすすめの教材は「赤本」「青本」、便利なサイトは「東進過去問データベース」「パスナビ」です。
また、最終的なゴールは「過去問で合格最低点以上(できれば+5~10%)が安定して取れること」ですが、それまでの道のりは複数あります。
「参考書を使って独学でたどり着く方法」「スタサプを使ってたどり着く方法」それぞれについて詳しく解説した記事もありますので、よろしければぜひあわせてご覧ください。
参考書を選ぶ基準は2つあるって…?
結局ラストは「過去問」!?
以上について、わかりやすく丁寧に解説します。
「共通テストが不安」「二次試験が解ける気がしない」と感じている方は必見です。
スタサプだけで大学受験を勝ち抜く具体的な方法とは
スタサプのおすすめの使い方3STEP
以上について、わかりやすく丁寧に解説します。
「スタサプって最近よく聞くけど、よくわからなくて手を出せていない…」と感じている方は必見です。
おわりです。
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