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カプレカ数とは?なぜ5桁はないの?【4桁「6174」の証明も解説】

こんにちは、ウチダです。

いつもお読みいただきましてありがとうございます。

さて、皆さんは“カプレカ操作”という言葉を耳にしたことはありますか?

ためしに $314$ という $3$ 桁の数について、その操作を繰り返すと…

  • $314$ → $431-134=297$
  • $297$ → $972-279=693$
  • $693$ → $963-369=594$
  • $594$ → $954-459=495$
    • $495$ → $954-459=495$ より、以降ずっと $495$

と、$3$ 桁の数であれば必ず $495$ に帰着し、$495$ 以降はずっと $495$ のままになります。

このように、カプレカ操作によって最終的に辿り着く数のことを「カプレカ数」と呼びます。

[ふきだし set=”悩む男性”]カプレカ操作ってどんな操作なんだろう…カプレカ数について詳しく知りたいです![/ふきだし]

[ふきだし set=”悩む女性”]$4$ 桁のカプレカ数は $6174$ しかないと聞きました。なぜそうなるのか気になります![/ふきだし]

よって本記事では、カプレカ数とは何かから、$3$ ~ $8$ 桁までのカプレカ数について、さらにカプレカ数の性質を使った計算遊びまで

  • 東北大学理学部数学科卒業
  • 実用数学技能検定1級保持
  • 高校教員→塾の教室長の経験あり

の僕がわかりやすく解説します。

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目次

カプレカ数とは?【「495」と「6174」は特別な数です】

カプレカ数について、必ず押さえておきたいポイントは以下の $3$ つです。

  1. カプレカ操作とは、「桁を並び替えてできる最大の数から最小の数を引く」という操作のこと。
  2. $3$ 桁の数であればすべて $495$ に帰着し、$4$ 桁の数であればすべて $6174$ に帰着する。
  3. $5$ 桁のカプレカ数は存在しない。

先ほどは $3$ 桁の数で計算してみたので、今度は $4$ 桁の数で実験してみましょうか。

例.1729で実験

$1729$ の桁の数を並び替えてできる最大の数から最小の数を引いて、その後も同じことを繰り返していきます。

すると…

  • $1729$ → $9721-1279=8442$
  • $8442$ → $8442-2448=5994$
  • $5994$ → $9954-4599=5355$
  • $5355$ → $5553-3555=1998$
  • $1998$ → $9981-1899=8082$
  • $8082$ → $8820-0288=8532$
  • $8532$ → $8532-2358=6174$
    • $6174$ → $7641-1467=6174$ より、以降ずっと $6174$

計 $7$ 回のカプレカ操作で $6174$ に辿り着きましたね!

[ふきだし set=”ウチダ”]注意点として、カプレカ操作では最高位に $0$ が来ても構いません。$6$ 回目のカプレカ操作で $0288$ としてますが、これは $0288=288$ という意味です。[/ふきだし]

さて…これ、すごい不思議ですよね!

ということで次の章からは、「なぜこのような不思議な現象が成り立つのか」解説していきます。

カプレカ数であることを証明しよう

まずは $3$ 桁のカプレカ数が $495$ のみであることを証明していきたいと思います。

先に方針をお伝えしておくと、どの桁数になっても

  • まずは候補を絞る。
  • 次に実験をして確かめる。

という筋道で考えていきます。

3桁のカプレカ数が「495」のみであることの証明

【 $495$ が唯一の $3$ 桁のカプレカ数であることの証明】

$3$ 桁の自然数 $N$ をカプレカ操作によって並び替える。

このとき、並び替えてできる最大の自然数を $N_大$ とおくと、$0≦c≦b≦a≦9$ を満たす自然数 $a$,$b$,$c$ を使って、

$$N_大=100a+10b+c$$

と表すことができる。

また、並び替えてできる最小の自然数を $N_小$ とおくと、同じ自然数 $a$,$b$,$c$ を使って、

$$N_小=100c+10b+a$$

と表すことができる。

3桁のカプレカ数が「495」のみであることの証明

よって、カプレカ操作を $1$ 回行った数 $N’$ は

\begin{align}N’&=N_大-N_小\\&=(100a+10b+c)-(100c+10b+a)\\&=99(a-c)\end{align}

となり、$a-c$ が $0$ 以上の自然数であるため、$99$ の倍数となる。

したがって $99$ の倍数かつ $3$ 桁の自然数は $9$ 個しか存在しないため、すべて実験して確かめてみると、カプレカ数 $495$ が導けます。

(証明終了)

実験が少し大変なので省略しますが、ポイントはそこじゃないですよね。

そう、「 $3$ 桁のカプレカ数の候補が $99$ の倍数に絞れること。

これがとんでもなく嬉しいことです。

[ふきだし set=”ウチダ”]≪補足≫たとえば $111$ についてカプレカ操作をすると、$111-111=0$ となり、それ以降ずっと $0$ となります。よって厳密には「 $0$ または $495$ に帰着する」と言えますが、何も面白くないので除外して考えました。[/ふきだし]

4桁のカプレカ数が「6174」のみであることの証明

基本は $3$ 桁のときと同じで、候補を絞れるだけ絞ってから、最後に実験して確かめていきましょう。

【 $6174$ が唯一の $4$ 桁のカプレカ数であることの証明】

今回は $4$ 桁なので、$0≦d≦c≦b≦a≦9$ を満たす自然数 $a$,$b$,$c$,$d$ を使って、

$$N_大=1000a+100b+10c+d$$

$$N_小=1000d+100c+10b+a$$

と表すことができる。

よって、カプレカ操作を $1$ 回行った数 $N’$ は

\begin{align}N’&=N_大-N_小\\&=(1000a+100b+10c+d)-(1000d+100c+10b+a)\\&=999a+90b-90c-999d\\&=999(a-d)+90(b-c)\end{align}

となる。

※以降途切れている数式は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)

したがって、$0≦a-d≦9$ の $10$ 通りと $0≦b-c≦9$ の $10$ 通りが存在するので、候補が $10×10=100$ 通りに絞り込める。

あとは $100$ 個の候補に対して実験してあげると、$6174$ がカプレカ数であることが示せます。

(証明終了)

$4$ 桁の場合だと、どうも候補を絞り切れないんですよね~。

\begin{align}999a+90b-90c-999d=9(111a+10b-10c-111d)\end{align}

と式変形すれば、$9$ の倍数までは絞り込めますが、これ以上が厳しいです。

[ふきだし set=”ウチダ”]細かく考えていけば、もうちょっと候補を絞れる気もしますが、$100$ 個まで絞れたのであれば、あとは地道に計算したほうが速いでしょう。[/ふきだし]

5桁のカプレカ数が存在しないことの証明

これもやり方は同様で、

\begin{align}N’&=N_大-N_小\\&=(10000a+1000b+100c+10d+e)-(10000e+1000d+100c+10b+a)\\&=9999a+990b-990d-9999e\\&=9999(a-e)+990(b-d)\end{align}

とすれば、$4$ 桁のときと同様に、カプレカ数の候補を $100$ 個まで絞り込むことができます。

さて、やってみればわかりますが(やらなくていいです笑)、$5$ 桁の場合

  • $53955$ → $95553-35559=59994$
  • $59994$ → $99954-45999=53955$

と、$( \ 53955 \ , \ 59994 \ )$ の $2$ つの数でグルグルと循環します。

なので、カプレカ数は存在しないということですね~。

補足:6桁以降のカプレカ数の一覧

$6$ 桁の場合、少し面白くて

  • $549945$ → $995544-445599=549945$
  • $631764$ → $766431-134667=631764$

と、カプレカ数が $2$ つ見つかります。

$7$ 桁になるとまた見つからなくなって。

でも $8$ 桁になると

  • $63317664$ → $76664331-13346667=63317664$
  • $97508421$ → $98754210-01245789=97508421$

と、またまたカプレカ数が $2$ つ見つかります。

[ふきだし set=”悩む男性”]ここまでくると、計算が複雑すぎて人の力では厳しいですね…[/ふきだし]

ウチダ

そうですね。なのでここでは、「候補を絞る→代入して実験する」この思考のプロセスを身に付けておけばOKです!興味のある方はプログラムを打ち込むなどして求めてみても面白いかもしれませんね。

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カプレカ数を改良して遊ぼう!【小学生向け】

実は、カプレカ数にはこんな面白い性質もあるのです。

  • $3$ 桁の数 → 必ず $5$ 回以内のカプレカ操作で $495$ に辿り着く
  • $4$ 桁の数 → 必ず $7$ 回以内のカプレカ操作で $6174$ に辿り着く

冒頭で見た $2$ つの例「 $314$ 」と「 $1729$ 」は、それぞれ $4$ 回、$7$ 回の操作でカプレカ数に辿り着いてますね!

[ふきだし set=”考える女性”]本当だ!この性質も証明は大変そうですね…。ところで、「小学生向けに改良して遊ぶ」というのは、どういうことですか?[/ふきだし]

[ふきだし set=”ウチダ”]カプレカ操作はパズル的で頭を使いますよね。よって、計算練習にはうってつけなんですよ。[/ふきだし]

つまり、算数を覚えたての小学生がカプレカ操作を繰り返し行うことで、パズルのように楽しく計算練習できる、ということです。

最大 $5$ 回( $4$ 桁の数の場合は $7$ 回)で辿り着くので、もし回数オーバーしてしまったときは途中で計算ミスがあったことにすぐ気づけますからね~。

ちなみに、$1729$ という数に何も美しさを感じないという方は、「タクシー数~(準備中)」の記事もご覧になるといいかと思います。

きっと $1729$ が持つ、知られざる美しさにビックリすると思いますよ!

カプレカ数に関するまとめ

本記事の要点を改めてまとめます。

  • $3$ 桁のカプレカ数は $495$、$4$ 桁のカプレカ数は $6174$、$5$ 桁のカプレカ数は存在しない。
  • 「 $99$ の倍数」や「 $10$ 通り $×$ $10$ 通り」など、候補を絞りこんで考えることで計算量を減らせる。
  • $4$ 桁の数の場合、最大 $7$ 回でカプレカ数 $6174$ に帰着するため、計算練習に打ってつけ!( $3$ 桁は簡単すぎてつまらないかもしれません。)

不思議なカプレカ数のご紹介でした~。

数を身近に感じ、そして数を楽しみ、さらには数を愛していきましょう^^

「整数の性質」全 25 記事をまとめました。こちらから次の記事をCHECK!!

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以上で終わりです。

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コメント一覧 (3件)

  • ≪…6174 → 7641−1467=6174 より、以降ずっと 6174…≫を、
    [6174 →1674=max-min] へと変換する計算式は、阿弥陀籤だ・・・
    阿弥陀の梯子の凸変換で、7641(max)
    阿弥陀の梯子の凹変換で。1467(min) となる。
     7 → ∞  6 → i  4 → e  1 → π   と
    十進法の基における西洋数学の成果の符号(∞ i e π) で割り当てて眺望すると、
     凸変換 → ∞ieπ
     凹変換 → πei∞
     となり、無限の操作(∞π)に自然数(n)が、カオスな自然数の底と真四角(◇=i²×i²)の要因とに挟まれる不思議を知る。

  • ≪…4桁のカプレカ数…≫が、定数になることは、数の言葉(自然数)が4次元で閉じていることかなぁ~
    『数の核(ジャーゴン)』の『極大化値』と『極微化値』の積が、『創発エネルギー』(eー1)になるのと双対しているようだなぁ~

    自然数の絵本あり、「もろはのつるぎ」(有田川町ウエブライブラリー)・・・

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