こんにちは、ウチダです。
本記事では、「平方完成」を $4$ 次式に応用させて $4$ 次関数の最大最小を求める問題を数学Ⅰの知識のみで解いていきたいと思います。
平方完成の公式や基本的なコツ、やり方を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
なぜ平方完成をする必要があるの?
平方完成と頂点の座標の関係性
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「平方完成のやり方がよく理解できていない…」と感じている方は必見です。
図形の面積を用いて考えたら面白い!
「なぜ平方完成の公式にマイナスが出てくるのか」
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「平方完成を心の底から理解したい」と感じている方は必見です。
4次式には応用できて3次式には応用できない理由とは
これは厳密にいえば応用できないわけではないのですが、 平方完成を行う意味を考えれば応用したところで得られるものはほとんどないことがわかると思います。
つまり「 $2$ 乗」を作りたい→「平方完成」だということです。
となると、$3$ 乗を作っても、そこまで有用性がないから $3$ 次式には応用しても意味がない、ということになります。
たとえば $(-1)^3=-1$ のように、マイナスを $3$ 乗してもマイナスですから、距離を表すことも難しそうですね。
ですが、$4$ 次式であれば話は違います。
なぜなら、
- $2^4=4^2=16$
- $3^4=9^2=81$
のように、途中で $2$ 乗が作り出せるからです。
これが $4$ 次式に平方完成が応用できる理由です。
では、次から具体的に $4$ 次式の平方完成を見ていきます。
①複2次式の平方完成
例題1.$x^4+2x^2+2$ を平方完成せよ。
このような、奇数次( $1$ 次と $3$ 次)の項がない $4$ 次式のことを、「複2次式」と呼びます。
さて、この複 $2$ 次式の平方完成はとてもシンプルです。
解答に移りますので、ぜひ一度考えてみてください。
いかがでしたか?
$4$ 次式でも問題なく「 $( )^2$ 」の形を作ることができましたね!
では次は、もう少し難しい例を見てみましょう。
②因数分解表示されている4次式の平方完成
例題2.$(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)$ を平方完成せよ。
この式も、展開すると $x^4$ の項が出てくるので、$4$ 次式となります。
さて、複 $2$ 次式の平方完成よりは難しいですが、基本は一緒です。
つまり、何かを $=t$ と置くことで、$t$ の $2$ 次式を作れれば勝ちです。
ではそれをどうやるか…ぜひ考えてみてから解答をご覧ください♪
さてこの問題。もし因数分解表示されていなかったら、どうやって解けばいいのでしょうか?
例題2’.$x^4+10x^3+35x^2+50x+24$ を平方完成せよ。
これを解く方法は
- 「因数定理」を用いて、問題2の形に因数分解したら後は同じ
- 「恒等式の係数比較」の方法で一気に解く
以上 $2$ つが考えられます。
これらはどちらとも「数学Ⅱ」で習うものです。それぞれ別記事で解説してますので、もしよかったら参考にしてみてください。
恒等式とは~(準備中)
4次関数の最大最小を求めてみよう
では、$4$ 次式の平方完成をマスターしたところで、$4$ 次関数の最大最小を求めてみましょう^^
問題1.$y=x^4+2x^2+2$ の最小値を求めなさい。
この関数の右辺に対しての平方完成は、先程行ったので、その結果は利用してOKです!
注意しなくてはいけないポイントが一つありますので、それが何か考えながら解答をご覧ください。
うわ~!ひっかかって $t=-1$ のとき最小値 $1$ ってやっちゃったよ~。汗
あるあるですね~。これからは、自分で文字を置いたときは、「その文字に何か条件が付いていないか」は必ず確認するようにしましょう!
では、もう一つの方も解いていきましょう!
問題2.$y=(x+1)(x+2)(x+3)(x+4)$ の最小値を求めなさい。
問題1と同様、$t$ の範囲に気をつけて問題を解いてくださいね^^
いかがでしたか?
平方完成が $2$ 回出てきてややこしいですが、「今は何と何の関数を考えているのか」、今回の場合は
- $y$ と $t$ の関数
- $t$ と $x$ の関数
この $2$ つを混同しないように、頭の中を整理しながら解くようにしましょう。
コラム:なぜ複2次式と呼ばれるのか【結論:グラフの形に注目しましょう】
ちなみに、問題1と問題2の $4$ 次関数は、グラフにするとそれぞれこんな形になります。
このグラフを見ておわかりだと思いますが、$y=x^4+2x^2+2$ は二次関数と全く同じ形をしていますね。
これが、$x^4+2x^2+2$ が複 $2$ 次式と呼ばれる理由です。
問題2のグラフは、$x=-4,-3,-2,-1$ のとき $y=0$ になることを考えれば、アルファベットの W のような形になるのも納得ですね☆
まとめ:4次関数の最大最小でもおそるるべからず!平方完成を応用して解いてみよう
最後に、本記事のポイントをまとめます。
- $4$ 次式でも「平方完成のやり方」さえしっかりマスターしていれば、平方完成はできる!
- 数Ⅱで「因数定理」や「恒等式」を学べば、もっと色んな方法で平方完成ができるようになる。
- 自ら文字を設定した際は、その文字に何かしらの条件がつくかどうかを必ず調べる!
$4$ 次関数と言ってもおそるるべからず!
持ち前の「平方完成スキル」を駆使して、難問に挑んでいきましょう^^
おわりです。
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