こんにちは、ウチダです。
数学的に考える上で欠かせないものの一つとして座標平面がありますが、それらを $4$ つに区切ったものを、それぞれ「象限(しょうげん)」と呼びます。
ほう。ということは、第1象限~第4象限まであるってことだよね。
[/ふきだし]「なぜ定義する必要があるのか」そこから詳しく解説してほしいです。
[/ふきだし]よって本記事では、第一象限から第四象限の定義、またそれらの数学的な意味について
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
象限とは何か?
座標平面は $x$ 軸,$y$ 軸の $2$ つで構成され、それらによって分けられた各ブロックのことを「象限(しょうげん)」と言います。
ここでポイントとなるのが、「右上から反時計回りに順番が付けられている」という点です。
反時計回りがポイント!
※ $x$ 軸,$y$ 軸,原点はいずれの象限にも属していません。注意しましょう。
上記の内容を押さえておけば十分です。
なお、これまでの内容を数式で表すと以下のようになります。
- 第一象限 … $x>0$,$y>0$ の部分
- 第二象限 … $x<0$,$y>0$ の部分
- 第三象限 … $x<0$,$y<0$ の部分
- 第四象限 … $x>0$,$y<0$ の部分
なるほど~。いきなり数式で見ると「うわっ」てなっちゃうけど、図で考えればとっても簡単なことなんだね!
[/ふきだし]その通りです。「わかりづらいときは、まずビジュアルから理解してみる。」ぜひこれからも意識してみてください。
[/ふきだし]では練習問題で理解度チェックと行きましょう。
問題1.次の点がどの象限に存在しているか、答えなさい。
(1) $A( \ 4 \ , \ -1 \ )$
(2) $B( \ -2 \ , \ 5 \ )$
(3) $C( \ 0 \ , \ -3 \ )$
解答はこちら↓
これでバッチリですね!
ところで、何で“反時計回り”なんですか?「右上から始まる」のは何となくわかりますけど…。
[/ふきだし]$x$,$y$ ともにプラスの部分が第一象限なのは納得いきますよね!反時計回りに順番が付けられている理由を簡単に言うとするなら、「その方が都合がいいから」ですかね~、、、
[/ふきだし]ということで、「なぜ反時計回りなのか」もう少し掘り下げて考えていきます。
象限の数学的な意味
座標平面には、$x$ 軸,$y$ 軸という $2$ 種類の軸があります。
ここで、「 $x$ 軸の正の部分から $y$ 軸の正の部分への回転」が反時計回りとなっていますね!
$x>0$ の部分から $y>0$ の部分に向かう矢印…反時計回りの矢印!
確かに、「$y>0$ から $x>0$ に向かう矢印の向き」よりはしっくりくるよね!
[/ふきだし]定義は受け入れることが重要ですが、どうしても認められない時は、以上のように理由をつけて理解することも大切です。ぜひこれからの参考にしてみてください。
[/ふきだし]数学Ⅱの「三角関数」や高校・大学物理でも、この定義は当たり前のように登場しますので、この機会にぜひ覚えておきましょう。
関連記事:三角関数とは~(準備中)
象限の日常的な意味
象限は座標平面において非常に重要な概念であり、座標平面は日常生活の至る所で応用されています。
つまり、「日常生活のあらゆる場面において象限の考え方は応用できる」というわけです。
少し例を考えてみましょう。
例題.ボクは今大学3年生で、就職活動の準備をしている。しかし、自分の本当にやりたいことが何かがわからない。このとき、座標平面を使って自分の考えを整理しなさい。
おそらくほぼ全員共通の悩みである「何を仕事にするか」問題ですが、こういった整理が難しい問題に対して、座標平面で考えるとどうなるのでしょうか。
解答例をご覧ください。
以上のように、「自分のやりたいこと」という漠然としたテーマであっても、$x$ 軸と $y$ 軸をそれぞれ設けることで思考が整理され、自分の本心に気づくことがあります。
こういった考え方を「2軸思考」と呼んだり、上の図を「4象限マトリクス」と呼んだりします。
[/ふきだし]ただ上の解答例1の考え方だと、あくまで「ボク」中心で考えた結果ですよね。
それだけだと仕事選びとしては不適切なので、次は「社会」中心で $x$ 軸,$y$ 軸を考えてみましょう。
解答例1と解答例2を総合して考えれば、ボクに最適な職業は「A」ということになります。
(今の時代であれば、Aに当たる職業はプログラミングな気がしております。)
このように、$2$ 軸思考はとっても整理しやすく、また軸を変えて考えることで新たな意見が出ることもあるので、非常にオススメです。
人間の脳は、基本的に $2$ つのことしか同時に意識できません。他にもたくさんの基準があると思いますので、$2×2=4$ つの象限に分けることを繰り返して、ぜひ頭の中を整理してみてください^^
[/ふきだし]象限に関するまとめ
それでは最後に、本記事のまとめをします。
- 象限は、右上から反時計回りに順番が付けられており、第一象限~第四象限まである。
- 「反時計回りが正」という定義は、数学Ⅱ「三角関数」や物理で当たり前のように出てくるので、今のうちに押さえておこう。
- 象限は、日常生活において頭の中を整理したいときに、とっても使えます。
$2$ 軸思考をマスターして、クリティカルシンキング能力を鍛えていきましょう!
数学Ⅰ「二次関数」の全 $12$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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