こんにちは、ウチダです。
いつもお読みいただきましてありがとうございます。
さて、円順列とよく似た順列に「数珠順列(じゅず順列)」と呼ばれるものがありますが…
[ふきだし set=”悩む男性”]数珠順列と円順列の違いがよくわからない…。「どこが違うのか」わかりやすく解説してほしいなぁ、、、[/ふきだし]
[ふきだし set=”悩む女性”]数珠順列の公式は知ってる!でも、応用問題になったら通用しないよね?難問を解くときはどう考えればいいんだろう…。[/ふきだし]
こういった悩みを持つ方は多いと思います。
よって本記事では、数珠順列の公式から基本問題の解き方、さらに数珠順列の難問を解く上でのポイントを
- 東北大学理学部数学科卒
- 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験アリ
- (専門は確率論でした。)
の僕がわかりやすく解説します。
数珠順列の公式とは【円順列との違いは「表裏」にある!】
円順列とのたった一つの違い。
それは…
- 円順列 → 表裏(反転)を区別して、$2$ 通りとカウントする。
- 数珠順列 → 表裏(反転)を区別せず、$1$ 通りとカウントする。
これだけです!!
つまり、数珠順列での $1$ 通りに対して、円順列では $2$ 通り存在することになるので…
異なる $n$ 個のものの数珠順列の総数は$$\frac{(n-1)!}{2}$$
※ただし左右対称の場合に限る。詳しくは後述。
というふうに、円順列の総数を $2$ で割ればOKです。
とっても簡単ですね☆
[ふきだし set=”ウチダ”]数珠順列を深く理解するには、円順列のさまざまな前提知識が必須です。円順列については「円順列の応用問題5選+難問2選を解説【順列との違いとは】」の記事で詳しく解説しておりますので、興味のある方はぜひこちらからご覧ください。[/ふきだし]
数珠順列の問題の見分け方
とは言っても、問題で問われている場合の数が「数珠順列」であるか、
それとも「円順列」であるか。
これだけは見抜かなければいけません。
ポイントを一言で言ってしまえば、「反転した場合を区別するか否か」これに尽きます。
ただ、それを考えるのが難しいという方もいらっしゃると思いますので、ざっとキーワードを挙げておくと…
- 円順列の問題 … 「円形に並べる」「輪の形に並べる」
- 数珠順列の問題 … 「ネックレス(首飾り)を作る」「ブレスレットを作る」「玉にひもを通し輪を作る」
こんなところでしょうか。
とりあえず、このようなワードが出てきたら、円順列(もしくは数珠順列)を疑えばOKです。
[ふきだし set=”ウチダ”]数珠順列は英語で「Necklace Permutations」といいます。日本の文化ではネックレスより”数珠”の方が一般的なので数珠順列と言うだけです。文化の違いがハッキリと現れていますよね。[/ふきだし]
ここで $1$ 問だけ練習してみましょう。
(1) これらの玉を円形に並べる場合の数
(2) これらの玉にひもを通し、ブレスレットを作る場合の数
どっちが円順列で、どっちが数珠順列か。
もうお分かりですね。
【解答】
(1) 表裏(反転)の区別があるので、円順列の総数の公式より、$(5-1)!=4!=24$ 通りである。
(2) 表裏(反転)の区別がないので、数珠順列の総数の公式より、$24÷2=12$ 通りである。
(解答終了)
数珠順列の基本問題のポイントは、これでバッチリデスネ!!
数珠順列の難問の考え方【「左右対称」がカギ!】
それでは次に、数珠順列の難問はいったいどういう問題で、どう考えていけばよいか、解説していきます。
(1) 赤玉 $4$ 個、白玉 $2$ 個、青玉 $1$ 個
(2) 赤玉 $4$ 個、白玉 $2$ 個
円順列でもそうでしたが、数珠順列でも同じものが複数個存在するだけで一気に難しくなります。
(1)は知らないと解きにくい問題ですので、この機会にポイントを押さえてしまいましょう。
【解答】
(1) 青玉が $1$ 個しかないことから、青玉を固定して考えてみる。
よって、ⅰ)ⅱ) のそれぞれの場合の数をまず求めてみる。
- ⅰ) 左右対称の円順列の総数
片側に、「赤玉 $2$ 個、白玉 $1$ 個」が並ぶ場合の数なので、$\displaystyle \frac{3!}{2!}=3$ 通り。 - ⅱ) 左右非対称の円順列の総数
まず、赤玉 $4$ 個、白玉 $2$ 個、青玉 $1$ 個の円順列の総数は、$\displaystyle \frac{6!}{4!2!}=15$ 通りである。
よって、$15$ 通りからⅰ) の場合の数を引けばいいので、$15-3=12$ 通り。
つまり、ⅰ) はそのまま数え、ⅱ) は $÷2$ して数える必要があるので、$3+12÷2=3+6=9$ 通りである。
(解答中断)
とりあえず(1)の解答でした。
理解できましたか?
[ふきだし set=”ウチダ”]異なるものの円順列では、左右対称な場合がなかったので、単純に $÷2$ で反転の区別をなくすことができました。しかし同じものを含む円順列では、左右対称の場合があるので、それを除外して考える必要がある、というわけですね~。[/ふきだし]
この話を公式化すると以下のようになります。
※この公式は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)
やはり”数珠順列の基本は円順列にアリ“ですね!
さて、次は(2)を解説していきます。
この問題は、意外にも簡単に解けるかもしれませんよ???
【解答再開】
(2) どうやら場合の数が少なそうなので、すべて数え上げてみると…
- 白玉が $2$ 個連続する場合
- 白玉 $2$ 個の間に赤玉が $1$ 個はさまる場合
- 白玉 $2$ 個の間に赤玉が $2$ 個はさまる場合
以上 $3$ パターンしか存在しないことに気づく。
したがって、場合の数は $3$ 通りである。
(解答終了)
場合の数の最大の基本は「もれなく、かつ重複なく数える」ことです。
よって、場合の数が少ないだろうと予想できるときは、数え上げてしまった方が正確ですし速いです。
[ふきだし set=”ウチダ”]場合の数が多い重複数珠順列や重複円順列の問題は、ふつうに高校数学範囲を飛び出すので、難関大でも中々問われづらいです(絶対出題されないわけではございません)。気になる方は「バーンサイドの補題」でググってみて下さい。[/ふきだし]
数珠順列に関するまとめ
本記事のポイントを $3$ つまとめます。
- 異なるものの数珠順列の総数は「 $(円順列の総数)÷2$ 」でOK
- 同じものを含む数珠順列(重複数珠順列)の総数は「左右対称か否か」で場合分けをする必要アリ!
- 実は数え上げた方が速い問題もあるよ^^
⇒「数え上げ」が有効か、常に疑うようにしよう!
数珠順列まで押さえることができれば、場合の数マスターになるまであともう少しです☆彡
「場合の数」全 12 記事をまとめました。こちらから次の記事をCHECK!!
終わりです~。
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コメント一覧 (2件)
公式がどっちも左右対称になってます
修正しました!ご指摘ありがとうございます。