こんにちは、ウチダです。
今日は、中一で習う最初の関門
「正負の数」
について、まずマイナスとは何かから、減法(引き算)の符号の仕組みやマイナスの掛け算(乗法)の仕組みなど、詳しく解説していきます。
負の数とは何か
例えば、りんごの個数が $0$ 個より小さいことってありますか?
答えは「NO」ですよね。
「りんごがない $=0$ 個」という意味ですから、それ以下の個数は存在しないわけです。
こう見ていくと、$1$ や $2$ や $0.5$ といったプラスの数だけで何とかなりそうな気がしますよね。
ですが、次のような場合はどうでしょうか。↓↓↓
※気象庁のHPより引用
右側に温度が書いてありますが、「 $-5$ 」という数字が見えるでしょうか。
そうなんです!実は温度を表す際には、$0$ よりも小さい数が存在していて、それらをマイナスという符号を用いて表すことにしているのです!
ここでこんな疑問が生まれてきます。
今日はまずこの疑問にお答えしましょう。
負の数を使う理由とは!?
先ほどの疑問について考えていくには、
「0をどのような数として定義しているか」
これを明らかにしなければなりません。
皆さん、そもそも「 $0$ 度」ってどういう温度か説明できますか?
理科の授業を思い出してみてください。
ヒントは、「 $100$ 度になると水は沸騰する」です!
…もうお分かりですかね。
答えは、「氷から水に溶け始める温度」ですね!
つまり、「 $0$ 度」というのは、あくまで一つの「基準」であって、りんごが $0$ 個の $0$ とは意味合いが異なってくるのです。(ここがポイント!)
したがって、
- $0$ 度よりも高い温度…「+(プラス、正)」
- $0$ 度よりも低い温度…「ー(マイナス、負)」
という符号を用いて表すことにしたよー、ということです。
温度が0度…氷が水に溶け始める「基準」なので、それより小さい数はある。
ですから、「 $0$ という数が何かの基準なのかどうか」を考えていくと、マイナスの意味も分かってくるかと思います。
これで、「 $-5$ 度」などの正体はつかめましたね。
しかし!
「りんごが $-1$ 個」とか、「 $-5$ キログラム」とか、「 $-2$ 時間」とか…
こういう数も聞いたことが少なからずありますよね…。
では次の疑問。
これについて詳しく見ていきます!
負の数の減法
はじめに結論を言ってしまうと、「りんごが $-1$ 個」という数はありえません。
じゃあ、なんでありえない数なのに日常会話で出てくるのか…
ここに、「四則演算の加法減法」がかかわってきます!
問題を通して見ていきましょう。↓↓↓
問題1.りんごが $5$ 個ありました。たかし君は人目を盗んで、りんごを $3$ 個食べました。残りのりんごはいくつありますか?
この問題の解答は$$5-3=2(個)$$になりますね。
では、次のような問題の場合どうでしょう。
問題22.りんごが $3$ 個ありました。たかし君はどうしてもりんごが $5$ 個食べたいです。あと何個りんごがあればよいですか?
先ほどと同じように考えていくと、
※この式は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)
をしたわけですから、今回もそのように計算していきましょう。
すると、$$3-5$$となってしまいました。
小学校までですと、「大きい数から小さい数を引く」というのがルールでした。
しかし、ここで負の数を定義することで、「小さい数から大きい数を引いてもOK」となります。(これが便利なんですね!)
よって、この問題の解答は、$$3-5=-2(個)$$になってしまいました。
さて、ここまでの話をまとめると…
- 問題1では、りんごが余った…「+(プラス、正)」の数
- 問題2では、りんごが足りない…「ー(マイナス、負)」の数
ということになりませんか…???
つまり、これらのことから分かるのは…
この「逆」というのがポイントです!!
今の話を図で表すとこうなります。↓↓↓
では、最後にこんな問題を解いてみましょう。
問題3.りんごが $3$ 個ありました。たかし君はいつもりんごを食べてばっかりなので、$2$ 個食べるかと思いきや $2$ 個家から持ってきて、寄付しました。りんごは残り何個ありますか?
あえて問題を少し複雑にしましたが、
「 $2$ 個食べるかとおもいきや」
ここがこの問題のポイントです。
いつもたかし君はりんごを食べています。
しかし、ここでは、それと「逆」のことをしているわけですよね。
また、りんごを食べる→りんごが減る→負の数なので、これらのことを合わせると…$$3-(-2)$$ということになりませんか!?
「 $-2$ 」というのは、「りんごを2個食べる」という行為です。しかし、たかし君は実はりんごを食べておらず、その逆の行動をしているので、逆を表す「マイナス」が登場します。
今、ちょっと難しく考えてみましたが、この問題は「$3$ 個あったところに $2$ 個加えた」っていうだけなので、$$3+2=5(個)$$ですよね。
…お!つまり、$$3-(-2)=3+2=5(個)$$ということになりませんか!?
よって、「負の数の減法は加法になる!」ことがわかりましたね^^
では、最後に、負の数を用いた四則演算(加減乗除)について見ていきましょう。
負の数の四則演算
【加法(足し算)】
これは、先ほどの例でも見た通り、$$3+(-2)=3-2=1$$というふうに計算できます。
【減法(引き算)】
これも、先ほどの例で見た通り、$$3-(-2)=3+2=5$$というふうに計算できます。
【乗法(掛け算)】
本題はここからですね!
「負の数の掛け算はどう表せばいいんだろう…?」
しかしポイントはどこまでいっても「逆」です。
図を見てみましょう。↓↓↓
まず$$3×2=6$$を計算します。
次に、それを「 $0$を基準として」逆側へ送ります。
これで、$$3×(-2)=-6$$と計算ができました。
このように考えていくと、$$(-3)×(-2)=6$$であることがわかります。
【除法(割り算)】
除法については、基本的に掛け算と同じです。
「除法についてよくわからない」という方は、以下の記事が参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。
正負の数に関するまとめ
いかがだったでしょうか。
負の数のポイントは、何回もお伝えした通り「逆」です。
この感覚さえつかめれば、正負の数はマスターしたといっても過言ではありません!
このポイントだけはいつまでも忘れないようにしておきましょう☆
おわりです。
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