こんにちは、ウチダです。
「近似値や有効数字」は、物理や化学でよく目にする言葉ですが、実は中学1年生の「資料と整理」で習います。
[ふきだし set=”悩む男性”]近似値と有効数字の求め方がわからないです…。[/ふきだし]
[ふきだし set=”悩む女性”]「近似値と有効数字って何?」と聞かれると、説明に困ります…。[/ふきだし]
よって本記事では、近似値と有効数字とは何かから、それらの求め方まで
- 東北大学理学部数学科卒業
- 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験アリ
の僕がわかりやすく解説します。
近似値と有効数字とは結局何なのか?【情報の信頼度が大切です】
まずは、言葉のニュアンスを掴むことが重要で、どちらとも
であることを押さえましょう。
では、例を使って解説します。
人に伝えるとき、「なんか、小数点いらないな~」って思うことありますよね。
こういう時は、小数点第 $1$ 位で四捨五入した値、つまり「近似値」を考えます。
- 体重 $58.5 \ (\mathrm{kg})$ → 約 $59 \ (\mathrm{kg})$
- 身長 $172.1 \ (\mathrm{cm})$ → 約 $172 \ (\mathrm{cm})$
また、日によって体重や身長はわずかながら変化します。
でも、体重であれば $58$ の部分、身長であれば $172$ の部分は変わらない、と言える時があると思います。
こういうとき、それぞれ「有効数字」を使って表します。
- 体重 $58.5 \ (\mathrm{kg})$ は $58$ まで信頼できる
→ $5.8×10^1 \ (\mathrm{kg})$ … 有効数字2桁 - 身長 $172.1 \ (\mathrm{cm})$ は $172$ まで信頼できる
- → $1.72×10^2 \ (\mathrm{cm})$ … 有効数字3桁
それぞれの言葉のニュアンスは大体掴めましたか?
では次に具体的な求め方を、練習問題を通して身に付けていきましょう。
近似値と有効数字の求め方とは【問題3選】
例題でも説明した通り、
- 近似値は「四捨五入」
- 有効数字は「 $10$ の累乗」
に着目しましょう。
(1) $58 \ (\mathrm{kg})$
(2) $172 \ (\mathrm{cm})$
(3) $2.9 \ (\mathrm{km})$
(4) $1.7×10^2 \ (\mathrm{cm})$
【解答】
(1) $57.5≦a<58.5$
(2) $171.5≦a<172.5$
(3) $2.85≦a<2.95$
(4) $1.65×10^2≦a<1.75×10^2$
※ $165≦a<175$ でも可
(解答終了)
また有効数字 $n$ 桁で表す問題は、上から $n+1$ 桁目で四捨五入します。
(1) $634 \ (\mathrm{m})$ を有効数字 $3$ 桁で
(2) $524 \ (\mathrm{cm})$ を有効数字 $2$ 桁で
(3) $12472 \ (\mathrm{km})$ を有効数字 $3$ 桁で
【解答】
(1) $6.34×10^2 \ (\mathrm{m})$
(2) 一の位で四捨五入すると、$524≒520$ である。
※「 $≒$ 」で「ニアリーイコール」と読み、ほぼ等しい値、つまり近似値を表す。
よって、$5.2×10^2 \ (\mathrm{cm})$
(3) 十の位で四捨五入すると、$12472≒12500$ である。
よって、$1.25×10^4 \ (\mathrm{km})$
(解答終了)
[ふきだし set=”ウチダ”]少し難しいですね。「上から $n+1$ 桁目で四捨五入する」これは覚えておくと良いでしょう。あとは、 $10$ の何乗になるかだけ注意です。[/ふきだし]
さて最後。有効数字の意味を読み取る問題です。
(1) $6.34×10^2 \ (\mathrm{m})$
(2) $7.360×10^5 \ (\mathrm{g})$
(3) $6.40000×10^8 \ (\mathrm{km})$
【解答】
(1) 有効数字が $3$ 桁であり、$6.34×10^2=634$ であるから、一の位まで測定している。
(2) 有効数字が $4$ 桁であり、$7.360×10^5=73600$ であるから、十の位まで測定している。
(3) 有効数字が $6$ 桁であり、$6.40000×10^8=640000000$ であるから、千の位まで測定している。
(解答終了)
[ふきだし set=”ウチダ”]つまり $6.4×10^8$ と $6.40000×10^8$ は全く意味合いが異なります。[/ふきだし]
前者は有効数字が $2$ 桁であるため、$635000000$ ~ $645000000$ と誤差が大きいですが、後者は $639999500$ ~ $640000500$ と誤差が小さいです。
近似値と有効数字に関するまとめ
本記事のポイントをまとめます。
- どちらとも「情報の信頼度」に関わる数。
- 近似値は「四捨五入」、有効数字は「 $10$ の累乗」を考えよう。
有効数字の意味をとらえるのが少し時間がかかるかと思います。
問題 $3$ つをじっくり解くことで、理解していきましょう。
数学Ⅰ「データの分析」の全 $18$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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