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連立方程式の解き方とは?代入法か加減法で計算しよう!【分数の問題や文章題アリ】

こんにちは、ウチダです。

今日は、中学2年生で習う

「連立方程式」

について詳しく解説していきます。

「連立方程式とは何か」をまず知り、絶対に押さえておきたい方程式の性質を理解した上で、代入法加減法の2つの計算方法での解き方をマスターしていきましょう^^

この記事を読めば、分数をふくむ連立方程式や、文章題で連立方程式を使う問題も怖くなくなるかと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

連立方程式とは?

“連立方程式”という名前からもわかる通り、「方程式がいくつか連(つら)なっているもの」を指します。

ただ、実は「方程式」というのは思った以上にいろいろな種類があるので、これだけだととても広い意味の言葉になってしまいます。

そこで、中学で習う連立方程式とは「連立一次方程式」であることをまずは押さえましょう。

例を見ると分かりやすいです。

↓↓↓

また、文字の個数を「元」と呼ぶこともあり、上から順に

  • 連立2元1次方程式
  • 連立3元1次方程式
  • 連立2元2次方程式

となります。

つまり中学2年生で習う連立方程式とは「連立二元一次方程式」のみとなります。

また、この連立二元一次方程式が、他のすべての連立方程式を解く際の基本となってくるので、必ずマスターしましょうね!♪

押さえておきたい方程式の性質

ここで、どうしても必要になってくる知識をおさらいしておきます。

それは、中学1年生で習う「等式の性質」です。

方程式とは「文字をふくみ、また特定の値でしか成立しない等式」のことを指します。

つまり方程式とは等式の一種なので、等式の性質を利用できる、ということになりますね。

方程式に対し、「変数(文字)がどんな値を取っても成立する等式」のことを”恒等式”と呼びますが、これは高校2年生で習うので、そのときにしっかり方程式と区別できれば十分です。

少し話がそれましたね。

等式の性質を振り返ります。

↓↓↓

【等式の性質】
$A=B$ のとき、次の $4$ つの式が成り立つ。
① $A+C=B+C$
② $A-C=B-C$
③ $A×C=B×C$
④ $A÷C=B÷C (C≠0)$

このように、等式であれば、両辺に同じ数を足したり引いたりかけたり割ったりしてもいいのでしたよね!

ちなみに、よく使う「移項」というテクニックは、両辺に同じ数を足したり引いたりできる性質を利用していますね。

さて、連立方程式を解く際も、この等式の性質は非常に重要です。

そして移項はもちろん、「両辺に同じ数をかけたり割ったりできる」という性質を特に使います。

ではこれを頭に入れた上で、連立方程式の解き方を見ていきましょう。

連立方程式の解き方2つ

連立方程式には $2$ つの解き方があります。

順に見ていきましょう。

代入法

まず一つ目は「代入法」です。

さっそく、代入法を用いる例題を解いていきましょう。

例題. 次の連立方程式を解け。
$$\left\{\begin{array}{ll}x=2y\\x+3y=5\end{array}\right.$$

こういう連立方程式の場合、代入法が一番速いです。

【解答】

$x=2y$ を $x+3y=5$ に代入すると、$$2y+3y=5$$

よって、$$5y=5$$となり両辺を $5$ で割ると、$$y=1$$

また、$x=2y=2×1=2$ となる。

したがって、答えは$$x=2,y=1$$

(解答終わり)

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連立方程式を解くときはよく、上の式を①、下の式を②と置いて、解答の文字量を減らすなどの工夫をします。

なので、次の加減法からは、そのような解答を作っていきますね^^

加減法

さっそく加減法を用いる例題を解いていきましょう。

例題. 次の連立方程式を解け。
$$\left\{\begin{array}{ll}x+2y=7 …①\\x-y=1 …②\end{array}\right.$$

こういう連立方程式の場合、加減法が一番速いです。

【解答】

①+②をすると、以下のようになる。

↓↓↓

よって、両辺を $3$ で割ると、$$y=2$$

また、今得られた $y=2$ を①か②の式に代入する。

今回は②に代入してみる。$$x-2=1$$

よって、$$x=3$$

したがって、答えは$$x=3,y=2$$

(解答終わり)

なるほど、一方の式をもう一方の式に代入するから「代入法」と呼んで、一方の式にもう一方の式を足したり(加法)引いたり(減法)するから「加減法」と呼ぶんだね!

基本的なやり方は学んだので、ここからは代入法と加減法についてのよくある質問に答えていきます!

【代入法と加減法についてのよくある質問】

今、代入法と加減法について軽く見てきましたが、さっぱりし過ぎててあまりよく分からないですよね。

ということで、よくある質問の答えを一緒に考え、理解を深めていただければと思います!

Q1.代入法と加減法、結局どっちを使えばいいの?

「代入法と加減法、結局どっちを使えばいいの?」ですが、これはぶっちゃけ“問題によって使い分ける”としか言いようがありません。

しかし、それではあまりに不親切ですので、もう少し詳しく見ていきましょう。

そこで皆さんに考えていただきたいのが、「代入法を使った方が良いとき」です。

それはどんな場合だと思いますか?

…たとえばこんなとき。$$\left\{\begin{array}{ll}x=-y\\x+2y=3\end{array}\right.$$

続いてこんなときも。$$\left\{\begin{array}{ll}y=x+1\\3x+y=5\end{array}\right.$$

さて、何か気づくことはありませんか?

そう。二つの例に共通しているのは「そのまま代入できる」という点ですよね!!

逆にそれ以外の場合、加減法を用いた方が計算がグッと楽になることがほとんどです。

しかし、この「そのまま代入できる」連立方程式というのはあまり出題されません。

それもそのはず。代入法を使えば一発ですからね。

ですので、一概には言えませんが「加減法9割代入法1割」と覚えてもらってもよいかと思います。

ここまでで、代入法より加減法の方が役に立つことがわかりました。

ではここで、加減法に対するこんな疑問を見ていきましょう。

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Q2.そもそも加減法はなんで成り立つの?

「そもそも加減法がどうして使えるか」みなさんは説明できますか?

これ、意外に盲点だと思います。

実際、私の高校教師時代、授業でこの質問をしましたが、答えられる生徒は $0$ 人でした。

こういう基本的なところがちゃんと分かっていないから、数学が苦手になり嫌いになるのです!

なので基本はめちゃめちゃ重要です。

皆さんも「なんでこれは成り立つんだろう…」とか、常に疑うようにしてください。

そういう批判的な思考のことを「クリティカルシンキング」と言います。私は、クリティカルシンキングが日本中にもっともっと広まればいいのに…と強く思っています。

またまた話がそれましたね。

では一緒に考えていきましょう。

やはりここでも「等式の性質」を用いていると考えるのが自然です。

例題を解きながらやっていきましょうね。

↓↓↓

$$\left\{\begin{array}{ll}x+y=3 …①\\x-y=1 …②\end{array}\right.$$

今、①と②という $2$ つの等式があります。

それぞれ等式なので、両辺に同じ数を足す、引く、かける、割ることが許されています。

ここで、①でも②でもどっちでもいいんですけど、②の等式に対して少し違った見方をしてみましょう。

等式ということは、左辺と右辺の値って同じなんですよね…?

あれ…?同じということは…?

もうお気づきですかね。

①に②の式を足したり引いたりすることができるのは、「②の左辺と右辺の値が同じであるから」なんですね!

「左辺は左辺で、右辺は右辺で計算していて、それって本当に正しいの…?」と一見思ってしまいますが、左辺と右辺に同じ値を足したり引いたりしているだけなので、何も問題はない、ということになります。

こういう事実って、知らなくても先に進めてしまいますが、それだとただ計算方法を暗記して使っているだけになってしまいます。

ぜひ「物事を批判的に考える」クセをつけていただきたく思います♪

分数をふくむ連立方程式

ここまでで

  • 代入法より加減法の方が大事!
  • 「加減法がなぜ成り立つのか」は等式の性質を考えればすぐに示せる!

この $2$ つのことを感じていただけたかと思います。

では、肝心の加減法について、もっと深く掘り下げていきましょう。

例題をご覧ください。

↓↓↓

例題. 次の連立方程式を解け。
$$\left\{\begin{array}{ll}2x+3y=13 …①\\3x+2y=12 …②\end{array}\right.$$

今まで見てきた加減法を用いる問題では、①から②を足したり引いたりすれば文字が $1$ つ消えて上手くいくパターンでした。

しかしこの問題はどうでしょう。上手くいかないですよね。

こういうときは、文字を $1$ つ消すために、①と②をそれぞれ何倍かしたものを用意します!

ここで等式の性質である「両辺に同じ数をかけたり割ったりしても良い」を使うんですね。

それでは解答をご覧ください。

【解答】

$y$ を消すように①と②の式を変えていこう。

①の両辺を $2$ 倍すると、$$4x+6y=26 …①’$$

②の両辺を $3$ 倍すると、$$9x+6y=36 …②’$$

ここで、②’から①’を引くと、$$5x=10$$

よって、$$x=2$$

$x=2$ を①に代入すると、$$4+3y=13$$

これを解いて$$y=3$$

したがって、答えは$$x=2,y=3$$

(解答終わり)

今回 $y$ を消すことに決めたので、係数を $2$ と $3$ の最小公倍数である $6$ にそろえました。

方程式には「両辺に同じ数をかけたり割ったりしてもよい」という性質があるため、そうしてできた①'(‘でプライムと呼びます。実はダッシュではありません。)は本質的には①と同じ式です。

このやり方をつかめば、分数をふくむ連立方程式も解けるようになります!

問題. 次の連立方程式を解け。
$$\left\{\begin{array}{ll}2x+3y=37 …①\\\frac{1}{4}x-\frac{5}{6}y=1 …②\end{array}\right.$$

②の式に分数を含んでいますが、「両辺に同じ数をかけたり割ったりしてもよい」ので、分母 $4$ と $6$ の最小公倍数である $12$ を両辺にかけてあげれば、あとは同じようにして解くことができます!

【解答】

②の両辺に $12$ をかけると、$$3x-10y=12 …②’$$

$x$ を消すため、①×3-②’×2をすると、$$29y=87$$

よって$$y=3$$

$y=3$ を①に代入すると、$$2x+9=37$$

これを解いて、$$x=14$$

したがって、答えは$$x=14,y=3$$

(解答終わり)

あとは計算力の問題ですね。

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ちなみに、高校1年生で習う「連立3元1次方程式」もこれと同じ要領で解くことができます。

つまり、消す文字 $1$ つを決めて加減法をすることで、連立2元1次方程式が作れるので、また消す文字 $1$ つを決めて加減法をすれば解ける、ということです。

そう考えると、「連立n元1次方程式」も加減法を繰り返せばいずれ解ける、と分かりますね。
※ただし方程式は $n$ 個必要ですし、その方程式たちにもいろいろと条件があります。そこら辺の話は、大学で習う「線形代数」を勉強することで分かるかと思います。

連立方程式を使う文章題【応用】

それでは最後に、よくある文章題の例を解いて終わりにしましょう。

さっそく問題です。

問題. ある中学校の昨年度の生徒数は $290$ 人だった。今年度は男子が $4$ %減り、女子が $5$ %増えたので、全体としては $1$ 人増加した。今年度の男子生徒と女子生徒の人数をそれぞれ求めよ。

良い問題ですね~。

この問題にはいろいろなポイントがふくまれているので、とても応用力が身に付くと思います。

例えば「割合」。これは小中学生が苦手とする分野なので、狙われやすいでしょうね。

さて、下に解答があります。

解答1では通常の方法で、解答2ではあっと驚く方法で解いてみせます。

ぜひ実際に解いてからご覧ください。

↓↓↓(解答あり)

【解答1】

昨年度の男子生徒数を $x$ 人、昨年度の女子生徒数を $y$ 人とする。

昨年度の生徒数より、$$x+y=290 …①$$

また、今年度の生徒数より、$$\frac{96}{100}x+\frac{105}{100}y=291$$

この式の両辺を $100$ 倍して、$$96x+105y=29100 …②$$

$①×105-②$ を計算すると、$$9x=1350$$

よって、$$x=150$$

$x=150$ を①に代入して、$$y=140$$

したがって、今年度の男子生徒数と女子生徒数はそれぞれ$$150-150×\frac{4}{100}=150-6=144$$$$140+140×\frac{5}{100}=140+7=147$$

答えは、$$男子… 144 人、女子… 147 人$$

(解答1終わり)

途中途中難しい部分があるので解説します。

まず、$4$ %減や $5$ %増というのは「昨年度の人数を基準」としているため、求めたいのは今年度の人数ですが、文字で置くのは昨年度の人数です。

次に、②の式の立て方ですが、これは「今年度の男子生徒数+女子生徒数=全校生徒数」の式になっていますね。

さて、この②の式を「男子生徒数の増減+女子生徒数の増減=全校生徒数の増減」に変えたものが次の解答2になります!

【解答2】

昨年度の男子生徒数を $x$ 人、昨年度の女子生徒数を $y$ 人とする。

昨年度の生徒数より、$$x+y=290 …①$$

また、生徒数の増減より、$$-\frac{4}{100}x+\frac{5}{100}y=1$$

この式の両辺を $100$ 倍して、$$-4x+5y=100 …②$$

$①×5-②$ を計算すると、$$9x=1350$$

よって、$$x=150$$

以下解答1と同様なので省略する。

(解答2終わり)

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これめっちゃ良い解答ですよね!

実は生徒数の増減でも式を立てることができるのです^^

ちなみに、解答1で②から①×100を引くと$$-4x+5y=100$$となり、解答2の②の式を作ることができます。

この計算は、今年度の生徒数の $100$ 倍から昨年度の生徒数の $100$ 倍を引いているので、きちんと生徒数の増減の $100$ 倍を表しています。

解答1と解答2が結びついて面白いですね♪

私個人的には計算量も少なく考え方もスマートな解答2をオススメします。

その他の応用問題として「食塩水の濃度を求める問題」などがありますが、これは別個の記事にしました。こちらもぜひご覧ください。

↓↓↓

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連立方程式に関するまとめ

連立方程式には「代入法」「加減法」の2つの解き方がありました。

加減法がなぜ成り立つのか、説明できるようになりましたか?

見落としがちな基本をしっかり押さえたうえで、加減法をたくさん使ってマスターし、最後には文章題も工夫して解けるようになれば、連立方程式の問題で怖いものは何もなくなります!

ぜひ、焦らず、一歩一歩着実に進んでいってほしいと思います♪

以上、ウチダでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!

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