こんにちは、ウチダです。
さて、小学校6年生で習う「拡大図・縮図(かくだいず・しゅくず)」の関係について、皆さん正しく理解してますか?
あんまりよくわかってないです!拡大図と縮図について詳しく知りたいです!
木の高さを求める問題みたいに、拡大図と縮図を応用されると解けなくなっちゃいます…。
拡大図・縮図の考え方は、日常生活にも幅広く応用されているので、この機会に理解しておいて絶対に損はないです!
ということで本記事では、拡大図と縮図の関係・性質から応用問題3選の解き方まで、
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
拡大図と縮図の関係は「逆数」にあり!
まず、拡大図と縮図というのはコインの表裏のようなもの。
つまり、常に $2$ つセットだということです。
これは文字より図の方がわかりやすいかと思いますので、以下の図をご覧ください。
なるほど!大きな三角形から見たら小さな三角形は「縮図」だし、小さな三角形から見たら大きな三角形は「拡大図」というわけだね!
その通り!「何の図形を基準として見るか」で表現が変わるということですね!
また、今回は小さな三角形を $2$ 倍したら、大きな三角形になりました。
それを小さな三角形に戻すためには、掛けて $1$ になる(=つまり元に戻る)数を掛ければいいので、
この数式に当てはまる■を掛けてあげればOKですね!
よって、$\displaystyle \frac{1}{2}$ 倍となり、またこれがそっくりそのまま逆数の定義になっているわけです!
逆数については、分数について解説した記事にまとめてありますので、よろしければこちらの記事もぜひご覧ください♪
Q.拡大図と縮図の重要な性質って?
拡大図と縮図には、必ずこの性質が成り立ちます。
たとえば、先程の $2$ 倍( $\displaystyle \frac{1}{2}$ 倍)の拡大図(縮図)の例で言えば、
- すべての辺が元の図形の $2$ 倍になっている
- 角は変化しない(すべて同じまま)
となってますよね!
ここは感覚的に「当たり前だな~」と感じておくだけで今は十分です!これを知っておくか否かでだいぶ差は開きますよ!
中学生になると、拡大図・縮図という言い方ではなく”相似(そうじ)”という言葉を使います。
より詳しい話は、以下の記事で解説してますので、興味のある方はぜひ読んでみてください^^
拡大図と縮図の問題3選をマスターしよう!
では、いよいよ本題「拡大図と縮図の問題」を $3$ つ一緒に解いていきましょう!
三角形の拡大図・縮図【辺の長さと角を求める問題】
問題1.三角形 DEF は三角形 ABC の $\displaystyle \frac{1}{3}$ の縮図です。このとき、次の問いに答えなさい。
(1) 三角形 DEF において、辺 AC に対応する辺はどれでしょう。
(2) 辺 EF の長さを求めなさい。
(3) 角 D の大きさを求めなさい。
まずは、三角形の
- 辺の長さ
- 角の大きさ
を求める問題を解いてみましょう!
三角形の内角の和が $180°$ になる理由については、別の記事で詳しく解説しております。
絶対に楽しく読めるであろう自信作となっておりますので、興味のある方はぜひご覧いただければ幸いです!
四角形の拡大図・縮図【拡大図の書き方(作図)の問題】
問題2.下の四角形の $3$ 倍の拡大図を、点線を利用して作図しなさい。
お次は作図の問題です。
作図と言われたら…
- コンパス:長さを測るため、円を書くため
- 定規:真っ直ぐな線を引くため
この $2$ つは、以上の目的において使ってOKです!!
ただし、定規の目盛りは使ってはいけません!これは作図のルールなので、この機会に押さえておきましょう。
ということで、解答にまいります!
作図と聞くと「なんだか難しそう…」というイメージを持つ方は多いんですけど、しっかりとコンパスと定規の役割を理解しておけば、何ら難しいことはありません!
これを機に、作図アレルギーを解消していきましょう!!(笑)
【難問】木の高さを求める問題の解き方とは?
問題3.下の図のように、へいから $12$ m 離れたところに木が立っていて、へいに映った影の長さは $1.6$ m である。また、同じ時刻に地面に垂直に立てた $1$ m 棒の、地面に映った影の長さは、$1.5$ m であった。このとき、木の高さを求めなさい。
ラストは、へいに影が映ったときの木の高さを求める問題です!
「へいに映った」を強調しているけど、そんなに重要なの…?
実は超重要です!この問題は「影のでき方」という、若干の理科知識も必要とする難問です。ぜひチャレンジしてみてください^^
解答に移りますが、この問題は面白いので、ぜひ $5$ 分ほど考えてみてから解答例を見ていただけるとより楽しめるかと思います。
ではまいりましょう!!
いかがでしたか?
影が伸びるのは、それが地面に映るからであり、へいの部分に映った影は伸びていません!
よって、解答例その1のように、
- 棒の話から、影の長さは実物の長さの何倍になるのかを求める。
- 「もしへいがなかったら…」という状況にしてしまって、影の長さを考える。
- 実物の長さ:影の長さより、木の高さを求める。
として解くのが、この問題の模範解答です。
…ちょっとひらめいちゃったんだけど、へいに映った影は伸びていないんだよね?それだったら、「地面に映った影」と「へいに映った影」を別々に考えても解けるんじゃない?
おお、素晴らしい発想力です!ということで、この問題の別解も解説していきます^^
この問題は、とにかく「影ができるメカニズム」についての理解が問われる問題でしたね^^;
最近は算数や数学でも、理科知識を問われることが増えてきたので、こういう機会にあわせて押さえておきましょう!
拡大図と縮図に関するまとめ
さて、最後に本記事のポイントをまとめておきます。
- 拡大図と縮図は切っても切れない”逆数”の関係にあるので、「分数と比」についてよく理解しておきましょう。
- 拡大図と縮図は、すべての辺の比と角が等しくなります。これは詳しくは中学校の「相似」で学びます!
- 問題が解けるようになるために、「三角形の内角の和が180度になる理由」はあわせて押さえておいた方がいいです!
拡大図と縮図は、中学校の相似の勉強に必ず活きてきます!(そして相似はめちゃ重要な分野です。。)
ぜひ早いうちから、先を見越した学習を進めていっていただければと思います!
おわりです。
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コメント一覧 (2件)
分かりやすい
嬉しいコメント、ありがとうございます!!