こんにちは、ウチダです。
いつもお読みいただきましてありがとうございます。
さて、場合の数を求める方法で一番最初に学ぶのが「樹形図(じゅけいず)」を用いる方法です。
ここで、よくこんな疑問を抱いている人を見かけます。
[ふきだし set=”悩む男性”]樹形図の理屈はわかるんだけど、樹形図を使うときと使わないときの明確な違いってないの?なんかあいまいでわかりづらいんだけど…[/ふきだし]
[ふきだし set=”悩む女性”]樹形図を書くとき、どうしてもノートを圧迫しちゃうのよね…。なんかいい方法ありませんか?[/ふきだし]
今回は、このような悩みに対しての解答や、樹形図を用いる問題の解き方について、
- 東北大学理学部数学科卒
- 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
樹形図を使うかどうかの判断【「規則性」を考えましょう】
まずは樹形図を使うかどうかの判断です。
これは大きく $2$ つに分類できると思います。
- 全体の場合の数が少ないとき
- 規則性がわかりづらいとき
皆さんもおわかりだと思いますが、樹形図って書くのめんどくさいですよね…。
でも、たとえば全体の場合の数が $6$ 通りとか $8$ 通りとか、そのぐらいであれば全部書いちゃった方が速いこともあります。
もう一つの方。これが一番のポイントですが、
よって、
- 規則性を中々見つけられない
- そもそも規則性がない
こういう場合は樹形図を用いて $1$ つ $1$ つ数えた方が圧倒的に速いですし、何より正確です。
[ふきだし set=”ウチダ”]樹形図の次に「順列と組合せ」「重複順列」「円順列」「同じものを含む順列」など色々学びますが、これらはすべて“ある規則性”を見つけて公式化していますよね。それぞれの詳細は別の記事で解説するとして、これらの知識が使えない場合はどこまでいっても「樹形図」を用いるようにしましょう。[/ふきだし]
では、樹形図を使う代表的な問題って、たとえばどんなものがあるのでしょうか。
樹形図の使い分け練習問題3選
本記事では、
- コイントス…簡単。
- 辞書式配列
- $3$ 勝先取など(例:団体戦やクライマックスシリーズ)
以上 $3$ 問を取り上げます。
コイントスの問題は、場合の数を求める基本問題として最初に学びます。
他 $2$ つは、規則性を見出しづらい(そもそもない)問題であり、樹形図が大活躍します。
コイントスの問題
コイントスの問題は、樹形図で解く。
こう考えちゃっていいと思います。
なぜなら、$1$ 回のコイントスで「表、裏」の $2$ 通りしかないので、$3$ 回のコイントスでの場合の数は $2^3=8$ 通りだからです。
このぐらいであれば、樹形図でしっかり正確に求めていきましょう。
【解答】
図のように樹形図を書く。
このとき、題意を満たすものに「〇」など印をつけておくとGOOD。
したがって、樹形図より、全 $8$ 通り中 $3$ 通りが当てはまるので、$$\frac{3}{8}$$
(解答終了)
樹形図の基本は、この問題で大体押さえられますね。
当たり前ですが、樹形図を書くと非常にわかりやすいです^^
[ふきだし set=”ウチダ”]場合の数から確率を求めるときは、ほとんどの場合「 $1$ つ $1$ つ区別して考える」と上手くいくことが多いです。この問題でも $3$ 枚の硬貨をそれぞれ $A$、$B$、$C$ と表しています。これは学習していくにつれ、自然と理解できるようになってくるかと思います。[/ふきだし]
辞書式配列の問題
辞書式配列とは、つまりアルファベット順ということです。
アルファベット順に並べて数えていってもいいし、樹形図を使っても構いません。
個人的には樹形図を使った方が、間違いが少ないかな~とは思います。
【解答】
同じ文字が何個あるかに注意して樹形図を書いていこう。
したがって、樹形図より、$$7+4+7=18 (通り)$$
(解答終了)
全体の場合の数が少ない辞書式配列の問題は、規則性を考えるより、総当たりに数えていった方が速いし正確です。
[ふきだし set=”ウチダ”]省略できるところがあるとすれば $c$ から始まる樹形図ですね。$a$ と $c$ は個数が $2$ 個で同じ状況です。よって、$a$ から始まる場合の数が $7$ 通りなので、$c$ から始まる場合の数も $7$ 通りと求めることができます。[/ふきだし]
3勝先取の問題
この仕組みって、勝負の世界だとよくありますよね!
たとえば
- クライマックスシリーズの優勝決定戦( $7$ 戦中 $4$ 勝先取)
- 将棋の名人戦決勝( $7$ 戦中 $4$ 勝先取)
- 柔道の団体戦( $5$ 戦中 $3$ 勝先取)
- テニス $5$ セットマッチ( $3$ セット先取)
この仕組みの最大のポイントは「優勝が決まった場合、以降の試合が行われない」というところです。
つまり、場合によって必要な試合数が変わるので、規則性を見出すのは中々難しいですね。
よって、樹形図を用いて、一つずつ数えていくのが最善の方法です。
【解答】
すでに $1$ 勝していることに注意して、樹形図を書く。
したがって樹形図より、$6$ 通りである。
(解答終了)
$1$ 試合目~ $5$ 試合目のどこを考えているかわかりやすくするために、上部に番号を振っておくことが重要です。
また、勝→〇、負→×など、簡単に書ける記号で代用しましょう。
[ふきだし set=”ウチダ”]「〇が $3$ つ付いた時点で終わり。」「×が $2$ つ付いた時点でもう勝つしかない。」この $2$ つに注意してください。[/ふきだし]
樹形図の書き方【ノートをきれいに】
「樹形図を使うか使わないか」については、問題を通して理解が深まったかと思います。
それでは最後に、樹形図を見やすく書くための方法について、考察したいと思います。
僕が考えるに、樹形図を書く際のポイントは大きく分けて
- 簡単な文字や記号(「お・う」や「〇・×」など)を使う。
- 上部に~番目かわかるよう、あらかじめ番号を振っておく。
- 書く前にある程度予想して、余白は大きめにとる。
以上 $3$ つだと思います。
$1$、$2$ に関しては、今までの問題でも触れてきましたね^^
$3$ はスゴイ感覚的な話になってしまいますが、樹形図は思ったよりもノートを食ってしまいます。
よって、最初に「このぐらいかな~」と予想した $1.2~1.5$ 倍程度余白を取ると、いい感じに書けると思いますよ♪
樹形図に関するまとめ
本記事の重要事項をもう一度まとめます。
- 「全体の場合の数が少ないとき」または「規則性が見出しづらいとき」に、樹形図は威力を発揮する。
- 樹形図を書く際は見やすくなるよう工夫して書かないと、数えミスを引き起こしかねないので注意する。
学校の授業などで「ノートをきれいに取る」必要はほぼありませんが、樹形図のようにある程度見やすく書かないとミスが起こってしまうものについては、
「他人が見てもわかる」
レベル以上で書くように心がけることをオススメします。
「場合の数」全 12 記事をまとめました。こちらから次の記事をCHECK!!
以上、ウチダでした。
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すご