こんにちは、ウチダです。
数学Ⅰで最重要テクニックと言っても過言ではない「平方完成」。
皆さんはマスターできましたか?
ちなみに、平方完成の基本的なやり方や意味については、こちらの記事で解説しております。
なぜ平方完成をする必要があるの?
平方完成と頂点の座標の関係性
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「平方完成のやり方がよく理解できていない…」と感じている方は必見です。
この記事読んだけど、いまだに「平方完成」の正体がつかめないんだよなぁ。
平方完成をもっと身近に感じたいわ。
よって本記事では、「平方完成とはいったい何なのか」もう少し掘り下げるために、図形の面積を用いて
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
平方完成とは一体何なのか?【2つの正方形の引き算です】
平方完成とは、
- 二次関数のグラフにおける頂点の座標を求めるためのテクニック
- 数学Ⅱ「式と証明」で不等式を証明するためのテクニック
以上 $2$ つなんですけど、今回は「図形の面積」で考えて、より理解を深めていきましょう。
例題1.二次式 $x^2+8x$ を、図形の面積を用いて平方完成しなさい。
ではここから、4つのSTEPに分けて解説していきます。
図のように、たて $x$,横 $x+8$ の長方形を用意します。
※長さがマイナスになると困るので、便宜上 $x>0$ とします。
すると、長方形の面積は「たて×横」なので、
となりますね。
つまり、ここから図形の形を変えずに、面積についての式を立てていけばOK、ということです。
それでは、具体的な方法について、考えていきましょう。
まず、先ほど作った長方形を、
- $1$ 辺が $x$ の正方形
- たて $x$,横 $8$ の長方形
の $2$ つに分けたうえで、右側の長方形を半分に折ります。
ここで「半分」というキーワードが出てきましたね。段々平方完成っぽくなってきました!
折り目で図形を切って、切り取った部分を下側にくっつけます。
(図形を移動しただけなので、求める面積は斜線部分のまま変わっていません。)
このとき、たての長さが $x$ なので、図のようにピッタリとくっつきます。
さあ、次が最後のステップです。
図のように、欠けている部分をいったん存在するものだと仮定して、面積を求めると、$(x+4)^2$ となります。
しかし、実際には「緑( $1$ 辺が $4$ )の正方形」は存在していないので、その面積である $4^2=16$ を引きます。
したがって、
と表すことができ、これで平方完成が完了ですね♪
おぉ!これなら、平方完成におけるキーワードの「半分の数」も、スッと頭に入ってくるね!
半分の数を使う意味がわかりやすいですよね。あとは、平方完成の公式に必ずマイナスが出てくる理由なんかも、これで一発で理解できますね。
大きな正方形から小さな正方形を”マイナス”するから、公式に”マイナス”が必ず出てくる、というわけです。
一次の項の係数がマイナスの場合はどうする?
さて、では次に「一次の項の係数がマイナスの場合はどう考えればよいか」見ていきます。
例題2.二次式 $x^2-6x$ を、図形の面積を用いて平方完成しなさい。
基本的には例題1とほぼ同じです。
ただ、少し違うところもありますので、詳しく見ていきます。
図のように、たて $x$,横 $x-6$ の長方形を用意すれば、斜線部分の面積は
となります。
※今回も長さがマイナスになると困るので、便宜上 $x>6$ とします。
今度は、$1$ 辺が $x-6$ の正方形を作るように、下側を折ります。
ここが $x^2+8x$ の平方完成と大きく違うところになります。
ネタバレをすると $x^2-6x=(x-3)^2-9$ となりますが、$(x-3)^2$ となる理由がここですね。
折り目で切り取って、切り取った部分を横にくっつけると、$1$ 辺の長さが $(x-6)+3=x-3$ の正方形がなんとな~く浮かび上がってきますね。
さあ、最後の仕上げです。
同じように、欠けている部分をいったん存在するものだと仮定して面積を求めると、$(x-3)^2$ となります。
しかし、実際には「緑( $1$ 辺が $3$ )の正方形」は存在していないので、その面積である $3^2=9$ を引きます。
したがって、
と表すことができ、これで平方完成が完了しました♪
一次の項がマイナスのときも同じように工夫すると、図形の面積で平方完成を考えることができるんですね~。
結構面白いですよね。ほぼ同じ発想でしたが、STEP2の「下側の部分を半分に折る」ところだけは少し違うので、注意しましょう。
こちらも同様に、大きな正方形から小さな正方形を”マイナス”するから、公式に”マイナス”が必ず出てくる、というわけです。
平方完成の意味やメリットとは?【結論:二次関数のグラフの頂点がわかります】
さて、補足として「なぜ二次関数のグラフの頂点がわかるのか」を軽く解説します。
これは、結論「実数の $2$ 乗は必ず $0$ 以上になる」という性質を使っています。
こちらの内容については、やはり冒頭でお伝えした記事をご覧いただくほうが理解が早いかと思います。
なぜ平方完成をする必要があるの?
平方完成と頂点の座標の関係性
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「平方完成のやり方がよく理解できていない…」と感じている方は必見です。
【まとめ】平方完成を図形の面積で考えると面白い!
それでは最後に、本記事のポイントをまとめます。
- 平方完成の主な応用方法は、次の $2$ つ。
- 二次関数のグラフにおける頂点の座標を求めるためのテクニック
- 数学Ⅱ「式と証明」で不等式を証明するためのテクニック
- 平方完成を図形の面積で考えることで、半分の数を考える理由がよくわかる。
- 大きな正方形から小さな正方形を引いて求めることができるので、平方完成の公式に必ず $-$(マイナス)が出てくることもわかる。
数学Ⅰ「二次関数」の全 $12$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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