こんにちは、ウチダです。
今日は、四則演算(加減乗除とも言います)、つまり
- 足し算
- 引き算
- 掛け算
- 割り算
の $4$ つ $+$ 括弧の順番のルール、つまり優先順位をスッキリわかりやすく説明していきます。
四則演算の順番を決める理由とは【基本的には「スポーツ」と同じです】
まず、そもそもなぜルールなんてものを決めなければならないのでしょうか…
しかし、よく考えてみると、これは当たり前のことのようにも思えます。
たとえば「スポーツ」。
もしもサッカーの試合で「手を使ってはダメ」というルールがなかったら、みんなボールを手に持ってゴールに投げそうですよね。
剣道でも「突き」は危ない行為として禁止されています。
今、スポーツの例を見ましたが、実はこの世の中はルールだらけです。
たとえば「日本語」。それから「物の売買(お金)」。はたまた「家庭のルール」などなど。
…数え上げればキリがありませんね。
ルールというのは、一見嫌なものに思いがちですが、私たち人間はルールがあるからこそその中で深い学びがあるのです。
ようは、多少の制限がないと私たちは物事を考えることができない、ということですね。
計算では、人によって結果が異なってしまったらまずいですね。
ですので、どんな人が計算しても同じになるようなルールが必要というわけです。
理由を日常的に考えてみた
せっかくなんで、「なぜ足し算よりも先に掛け算割り算をするのか」その理由を、日常的な合理性から考えてみました。
たとえば、スーパーで $434$ 円のお買い物をしたとします。
すると、$100$ 円玉が $4$ 枚、$10$ 円玉が $3$ 枚、$1$ 円玉が $4$ 枚必要です。
これを計算式にしたとき、
と表せた方が圧倒的に便利です。
つまり人は…
この思考を無意識のうちに行っているのです。
ですから、四則演算の順番のルールを、その日常的な合理性に基づいて決めた、
それだけに過ぎません。
また、以上の理由から、「足し算や引き算を先に行いたい場合」を考えて「かっこ」が使われるようになった、ということがわかりますね。
四則演算の順番の主なルール
さきほど少し見せましたが、じつは四則演算には主なルールがたった2つしかありません!
ぜひ覚えてください♪
1.括弧(かっこ)の中 ⇒ 掛け算・割り算 ⇒ 足し算・引き算の順番で計算する
2.同じ優先順位のときは、左から順番に計算する
かっこが一番強くて、次が「掛け算割り算」で、最後に「足し算引き算」をします。
また、「掛け算と割り算」といったように、同じ強さの場合は、左(前)から順番に計算していきます。
以上 $2$ 点を守って、正しく楽しく練習問題を解いていきましょう。
四則演算の順番の練習問題6選
では練習問題を $6$ つ用意したので、解いてみて下さい。
(1) $3×2÷6$
(2) $(3+2)×5-3$
(3) $(3-2)×(4÷2)$
(4) $1+1×0$
(5) $(4+7)-5×2$
(6) $2×\{6÷(3-1)\}$
ぜひ自分で一度解いてから下の答えを見てください。
【答え】
(1) $$3×2÷6=6÷6=1$$
(2)
(3)
(4) $$1+1×0=1+0=1$$
※ひっかかりやすいから注意しよう!!
(5)
※ひっかかりやすいから注意しよう!!
(6)
(終了)
どうでしょう。
全問正解できましたか。
特に(4)や(5)で$$1+1×0=2×0=0$$$$(4+7)-5×2=11-5×2=6×2=12$$と計算しないように注意しましょう!
四則演算の順番のルールから生まれた問題点
じつは私ウチダ、少しだけ嘘をついていました…。
なんと、四則演算にはもう一つだけルールが存在するのです。
それを説明する前に、一度この問題を解いてみて下さい。
この問題はTwitter(ツイッター)上でも広まった、結構有名な問題です。
皆さん、この式の答えは「 $1$ 」でしょうか。それとも「 $9$ 」でしょうか。
今までのルール通りに計算すると…$$6÷2(1+2)=6÷2(3)$$まではできますよね。
さあ、ここで $2(3)$ について考えてみましょう。
意味は、$$2(3)=2×3$$なのですが、これら2つには大きな違いがあります。
それは「一つの項であるか、二つの項の掛け算か」です。
項というのは、「ひとまとまりになった数」という意味です。
つまり、$2(3)$という数は、これで一つの数なわけですね。
ですから、$2(3)=6$ を先に計算する必要があり、よって答えは、$$6÷6=1$$となります。
これを$$6÷2(3)=6÷2×3=3×3=9$$とやってしまうと、これは正しくないよーとなってしまうのですね。
まとめると、
ということになります。
これは中学2年生でちゃんと教わるそうです。
※ちなみに「累乗」も「省略された掛け算」に分類されます。累乗の優先順位が単なる掛け算より高いのも、これで納得ですね。
まあ考えてみれば、たとえば$$4ab÷2a$$という計算を、$$4ab÷2a=4ab÷2×a=2a^2b$$とやってしまってはダメそうですよね。
項としてひとまとまりになっているものをバラバラにして計算してはいけない、というわけです。
ですから、この計算の答えは、$$4ab÷2a=2b$$となります。
追記
どうやらこの問題は $100$ 年前にも議論の対象に上がり、また色々な解釈が存在するようです。
なので、とりあえず現在の時点では、この結論 $6÷2(1+2)=1$ を残しておきます。
一応参考文献を載せておきます。気になる方はぜひ調べてみて下さい。
参考文献1⇒『6÷2(1+2)=?』ネットで議論を巻き起こしたこの問題!で、正解は?
参考文献2⇒「6÷2(1+2)」問題について教育委員会に問い合わせてみた
四則演算の順番に関するまとめ
四則演算には大きなルールが $2$ つ、そして間違いやすいルールが $1$ つ、合わせて $3$ つのルールがありました。
図にまとめるとこんな感じです。
ぜひこの $3$ つのルールをしっかりと覚えて、正しく楽しく計算していただきたいと思います♪
おわりです。
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コメント一覧 (4件)
中学3年です、
中学で項は積や商を計算した和や差とならいました。
その場合6÷2(2+1)というのが項で、
括弧の中を計算する、優先順序が一緒の場合左から計算する、
ならば、9も答えに当てはまると思います。
そこら辺について知りたいので教えてください。
6÷2(2+1) については諸説あるらしいので、一つの解釈として受け入れていただければ幸いです!
「四則演算の順番のルールを、その日常的な合理性に基づいて決めた」は間違いではないですか?
「演算の結合法則を矛盾無く定義するためにその順番に決めた」が正しいと思います。日常的な合理性については否定しませんが、それだけから演算順序を定義することは不可能です。
「同じ優先順位のときは、左から順番に計算する」も同じ優先順位ならば左から計算する必要もないですよね。1+8+9を計算する時に、1+9を先に計算する方が人間には簡単ですし、先述の日常的というならばこちらの方が普通だと思いますよ。
troさん初めまして!
たしかにそのように考えることもできますね。かなり聡明な意見だと思います。
おそらくtroさんは数学が非常に得意な方だと感じました。
私は「なぜ掛け算を足し算よりも前にするのか」という問いに重点を置き、日常的な合理性という言葉を用いて解説しました。
troさんの言う日常的合理性とは少し違う定義かもしれませんが、「結合法則を矛盾なく定義」と言うより伝わりやすいと考えております。
ただ、このような意見は私にとっても他の読者の皆様にとっても、非常に勉強になります!
記事は修正しませんが、記事の質を上げるため、troさんのコメントも掲載させていただきたく存じます。
今後とも『遊ぶ数学』を何卒よろしくお願いいたします。