こんにちは、ウチダです。
今日は、中学1年生で習う
「絶対値」
の意味や性質を理解した上で、分数の絶対値の外し方について考察し、絶対値の計算問題を何問か解いていきたいと思います。
また、記事の最後では、中学3年生で習う「平方根(ルート)」について少し触れています。
絶対値とは
「絶対値」という言葉が、なんとなく難しそうに見えますよね。
しかし、実はめちゃくちゃ簡単なやつなんです!
↓↓↓
(1) $6$ (2) $-3$
たとえばこんな問題が出てきたら、こう解答してあげてください。
↓↓↓
【解答】
(1) $6$
(2) $3$
つまり、絶対値とは符号をプラスにした数のこと、ただそれだけなのです。
(1)はもともとプラスなのでそのまま。(2)はマイナスがついているので、それをプラスに変えてあげればOKです。
いかがでしょう。
こうして見ると、簡単すぎて今度は逆に「何のために勉強するの…?」と不安になってくるでしょう。
その気持ちがとても大切です。
今、ものすごく簡単に絶対値を説明しました。
しかし、これでは絶対値の真の意味を理解しているとは言えません。
ではその真の意味とは何なのか。次の章で明らかにしていきます。
絶対値の意味や性質
絶対値の定義(真の意味)は、「原点 O からの距離(きょり)」です。
これをぜひ理解していただきたいのです。
どういうことか。図を通して解説します。
↓↓↓
よく先生から「数直線を書けよ~」と言われると思います。
数直線は、数と図形が結びつく一番わかりやすい例なので、とても大切です。
しっかり理解していきましょう。
まず、正負の数に関する記事で、「負の数(マイナス)は“逆”で覚えよう!」と解説しました。
「正負の数」に関する詳しい解説はこちらから!!
⇒⇒⇒負の数の引き算(減法)と掛け算(乗法)の解き方や符号の変化を解説!【中一数学練習問題】
数直線では、0 を基準に( 0 を原点として)考えます。
そこで、距離というものを考えたとき、右方向(プラス)だろうが左方向(マイナス)だろうが関係ないですよね!
したがって、符号を無視したものが絶対値となるのです。
また、この定義から、以下の性質が導けます。
↓↓↓
$a$ を実数とする。
このとき、$$|a|=|-a|$$が成り立つ。
絶対値は、記号「 | 」を用いて表します。
つまり、$|a|$ は「 $a$ の絶対値」を意味します。
この性質が成り立つか、$a$ にいろいろな数字を代入して、確認してみましょう。
たとえば、$a=6$ とすると…$$|6|=|-6|=6$$
ですね^^
他にも、$a=-3$ とすると…$$|-3|=|3|=3$$
これは、$|-a|=|-(-3)|=|3|$ となることから成り立ちますね。
この性質も、問題を解く際に重要なカギとなってきますので、ぜひ押さえておきましょう。
分数の絶対値の外し方
これまで、整数の絶対値について考えてきました。
では、分数や小数の絶対値はどうなるのでしょうか…。
実は、分数や小数も全く同じようにできます!
先ほど「絶対値の性質」で“実数”という言葉を出しました。
その実数というのは、整数も分数も含んだ数のことです。
※もっともっといろいろな数を含んでいますが、それは学年が進んでから勉強します。
よって、たとえば$$|\frac{5}{4}|=\frac{5}{4}$$ですし、$$|-\frac{1}{3}|=\frac{1}{3}$$となるわけです。
数直線でも考えてみましょう。
↓↓↓
分数や小数は、ある $2$ つの整数の間にある数でしたね。
確認しておくと、$$1<\frac{5}{4}<2$$ですし、$$-1<-\frac{1}{3}<0$$です。
「分数」に関する詳しい解説はこちらから!!
⇒⇒⇒分数の足し算引き算掛け算割り算のやり方まとめ!ポイントは比の考え方とうまく結びつけること!
絶対値の計算問題や応用問題
さて、絶対値の意味はバッチリ理解できましたか。
それでは最後に、絶対値のいろんな問題パターンに触れておきましょう。
(1) $-100$ (2) $5.5$
(3) $0$ (4) $π$
※$π=3.141592…$ は円周率のこと。
(4)は円周率と言います。
これも実数ではあるので、同じように考えることができます。
【解答】
(1) $|-100|=100$
(2) $|5.5|=5.5$
(3) $|0|=0$
(4) $|π|=π$
(解答終了)
注意していただきたいのが、(3)ですね。
「 0 の絶対値」の意味は、「 0 から 0 までの距離」となるので、答えは 0 になります。
$$-1 , 2 , -\frac{5}{3} , 0 , \frac{9}{4}$$
よく出題される絶対値の応用問題です。
このような「~順に並べよ」という問題には、数直線が便利です。
【解答】
数直線より、0 から近い順に並べると、$$0 , -1 , -\frac{5}{3} , 2 , \frac{9}{4}$$
(解答終了)
数だけだと中々イメージしづらいですが、図を書くことで視覚的にもわかりやすくなりますね♪
では、最後の問題です!
現時点で一番難しい応用問題です。
また、「~より大きい・小さい」と「~以上・以下」の違いにも注意してくださいね^^
【解答】
絶対値が $1$ である整数は $1$、$-1$ の二つである。
また、絶対値が $4$ である整数は $4$、$-4$ の二つである。
よって、絶対値が $1$ より大きく $4$ 以下である整数は、$$-4 , -3 , -2 , 2 , 3 , 4$$の六つである。
(解答終了)
※「~より」のときはその数は含まず、「~以上・以下」のときはその数を含みます。
これも数直線で見た方がわかりやすいでしょう。
↓↓↓
その数を含む範囲のとき「黒丸」で、その数を含まない範囲のとき「白丸」で表すのが一般的です。
絶対値が $1$ より大きく $4$ 以下である範囲というのは、「絶対値が $4$ 以下の範囲から絶対値が $1$ 以下の範囲を除いた部分」となります。
したがって、$$-4≦x<-1 または 1<x≦4$$を満たす整数 $x$ をすべて求めてあげればOKです。
絶対値に関するまとめ
絶対値の基本は「原点 O からの距離」です。
これから様々な場面で絶対値が登場してきますので、この定義だけは押さえておきましょう。
また、この理解ができていると、これからの数学の勉強にとても役に立ちます。
↓↓↓
今は数直線上でのお話( $1$ 次元)でしたが、これから座標平面( $2$ 次元)や座標空間( $3$ 次元)でのお話に進化していきます。
ただ、何次元になっても「原点 O からの距離」を“絶対値”を用いて表すことがほとんどです。
ちなみに、この距離を求めるには、中学3年生で習う「三平方の定理(ピタゴラスの定理)」の知識が必要になってきます。
≫参考記事:三平方の定理とは?【応用問題パターンまとめ10選】
もう一つ。これまた中学3年生で「平方根(ルート)」という数について学びます。
平方根とは、「 $2$ 乗したときに元の値に等しくなる数」のことで、たとえば$$\sqrt{4}=2$$であったり$$\sqrt{9}=3$$であったりします。
ここで、実数 $a$ に対して$$\sqrt{a^2}=|a|$$という重要な性質があるのですが、この絶対値を付け忘れる生徒さんが多いです!
なぜ絶対値が必要なのかについては、「平方根」に関するこちらの記事をご覧ください。
⇒⇒⇒(後日書きます。)
絶対値の定義を正しく理解し、今後の勉強に役立てて下さいね♪
以上、ウチダでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!
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