こんにちは、ウチダです。
いつもお読みいただきましてありがとうございます。
さて、皆さんは「組分け問題(部屋割り問題)」に対して、
[ふきだし set=”悩む男性”]ややこしすぎ!問題パターンが多くて、解く方針すら分からないよ。[/ふきだし]
[ふきだし set=”悩む女性”]階乗で割ったりすることがあるけど、あれは何なの?応用問題になるとサッパリです。[/ふきだし]
こういうイメージを持っていませんか?
組分け問題というのは、たとえばこんな問題。
(1) 計 $5$ 人を $3$ 人と $2$ 人のグループに分ける場合の数は?
(2) 計 $5$ 人を $2$ 人、$2$ 人、$1$ 人のグループに分ける場合の数は?
(1)の答えは、${}_5{C}_{2}=10$ 通りとなりますが、
(2)の答えは、$\displaystyle \frac{{}_5{C}_{2}×{}_3{C}_{2}}{2!}=15$ 通りとなります。
[ふきだし set=”ウチダ”]「な~~~~~ぜ~~~~~だ~~~~~。」そう感じてしまって当然ですよ。[/ふきだし]
よって本記事では、組分け問題をパターン別に分類し、どんな組分け問題でも怖いものなしになるよう
- 東北大学理学部数学科卒
- 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験アリ
- (専門は確率論でした。)
の僕がわかりやすく解説します。
組分け問題の全8パターン+αとは【モノ(人)の区別・組の区別・要素の個数の指定で場合分けだ!】
全 $8$ パターンとお伝えする理由。
それは…
- モノ(人)の区別の有無 → $2$ 通り
- 組の区別の有無 → $2$ 通り
- 要素の項数の指定の有無 → $2$ 通り
以上より、$2^3=8$ 通りのパターンがあるからです。
簡易的ではありますが、一度図解しておきますね。
$2$ 点ほど補足しておきます。
①モノが人である場合、場合の数の原理原則に基づき区別します。
②モノの区別がなく、要素の個数が指定されている場合の数は $1$ 通りしか存在しないため、問題になることはありません。よって、「 / 」で表記しました。
上記の図を覚える必要はなく、あくまで意味が大体理解できるようになればOKです☆
ようは、「何を基準に場合分けをする必要があるのか」を知ることが大切だということですね。
さて、タイトルに含まれている不穏な文字、“+α”。
これは何を意味しているかというと…
「 $0$ 個の組を許すか否か」
これです。
たとえば、$2$ 部屋 $A$,$B$ に分けるとき、
- $A$,$B$ のどちらかが空き部屋になってもいい
- 空き部屋ができないように分ける
それぞれの条件下において、場合の数は変わってきますよね。
[ふきだし set=”ウチダ”]具体的な求め方は、実際の問題を通して見てもらいましょう。ここで $1$ つ補足しておくならば、「空き部屋がある場合だけを求めて、それを引く。」これをすれば、ほとんどの組分け問題で上手くいきます。[/ふきだし]
組分け問題の応用2選で練習してみよう
ここからは、実際に組分け問題にチャレンジすることで、知識の定着を図っていきます。
グループの分け方
(1) $4$ 人,$3$ 人,$2$ 人の $3$ 組に分ける場合の数
(2) $3$ 人ずつ $3$ 組 $A$,$B$,$C$ に分ける場合の数
(3) $3$ 人ずつ $3$ 組に分ける場合の数
(4) $5$ 人,$2$ 人,$2$ 人の $3$ 組に分ける場合の数
(5) $2$ 組に分ける場合の数
とりあえずノーヒントで解答を記していきます。
「自分で考えて解きたい…!」という方は、ぜひ問題に取り組んでから解答をご覧ください。
↓↓↓
【解答】
(1) $3$ 組の人数がすべて違うので、組の区別は自然と付く。
よって、${}_9{C}_{2}×{}_7{C}_{3}=36×35=1260$ 通り。
(2) 組の区別があるので、${}_9{C}_{3}×{}_6{C}_{3}=84×20=1680$ 通り。
(3) 組の区別がないので、$\displaystyle \frac{{}_9{C}_{3}×{}_6{C}_{3}}{3!}=\frac{1680}{6}=280$ 通り。
(4) $5$ 人の組と $2$ 人の組は自然と区別がつく。
しかし $2$ 人の組は $2$ 組あり、そこには区別がない。
したがって、$\displaystyle \frac{{}_9{C}_{2}×{}_7{C}_{2}}{2!}=\frac{756}{2}=378$ 通り。
(5) $2$ 組をそれぞれ $A$,$B$ と区別して考える。
ここで、$1$ 人に対して $A$,$B$ どちらに分けるかの $2$ 通りが考えられるので、重複順列の総数より $2^9$ 通りが基準となる。
ⅰ)…「 $2$ 組に分ける」ということは、必ず $1$ 人は在籍する必要がある。
よって、「全員が $A$ 」「全員が $B$ 」の $2$ 通りを除く必要がある。
ⅱ)…ⅰ)の $2$ 通りを除いた上で、本当は $A$,$B$ の区別はなかった。
よって、$2!$ で割る必要がある。
したがってⅰ)ⅱ)より、$\displaystyle \frac{2^9-2}{2!}=\frac{510}{2}=255$ 通り。
(解答終了)
この問題は「人を組に分ける」という設定なので、分けるモノに必ず区別があります。
先ほどの図と照らし合わせてみると、以下のようになります。
[ふきだし set=”ウチダ”](5)の解答は、重複順列の知識が必須となります。また、重複順列は「 $0$ 個の組があってもよい」というのが前提の考え方なので、その場合を除く必要がありますね。詳しくは「重複順列の問題6選とは【公式よりも応用問題の解き方が大切です】」の記事をご覧ください。[/ふきだし]
玉の分配の仕方(同じ色の玉に区別はない)
(1) 赤玉 $7$ 個を $4$ つの箱 $A$,$B$,$C$,$D$ に分ける場合の数
(2) 青玉 $6$ 個を $4$ つの箱に分ける場合の数
※空き箱があってもよい。
(3) 青玉 $6$ 個を $4$ つの箱に分ける場合の数
※空き箱がないようにする。
(4) 赤玉 $7$ 個と青玉 $6$ 個を、$4$ つの箱 $A$,$B$,$C$,$D$ に分ける場合の数
※2002年度千葉大・文系数学問2より改題
さて、場合の数の原理原則に基づき、同じ色の玉に区別はありません。
それでは、ノーヒントで解答に移ります。
↓↓↓
【解答】
(1) $7$ 個の $〇$ と $3$ つの仕切り $|$ の順列の総数に等しいので、$({}_7{H}_{4}=){}_{10}{C}_{3}=120$ 通り。
(2) 箱(組)に区別がないので、すべて書き出して求める。
※この組合せは横にスクロールできます。
の $9$ 通り。
(3) (2)のうち「 $0$ 」がある場合を除けばいいので、$9-7=2$ 通り。
(4) それぞれの重複組合せを考えればよい。
ⅰ)赤玉 $7$ 個を $4$ つの箱 $A$,$B$,$C$,$D$ に分ける場合の数
(1)より、$120$ 通り。
ⅱ)青玉 $6$ 個を $4$ つの箱 $A$,$B$,$C$,$D$ に分ける場合の数
$6$ 個の $〇$ と $3$ つの仕切り $|$ の順列の総数に等しいので、$({}_6{H}_{4}=){}_{9}{C}_{3}=84$ 通り。
したがってⅰ)ⅱ)より、積の法則を用いて、$120×84=10080$ 通り。
(解答終了)
この問題に対しても、先ほどの図と照らし合わせてみましょうか。
(1)(4)については、重複組合せの知識が必須となりますね。詳しくは「重複組合せはなぜ仕切りを使うの?【整数解の個数を求める問題で鍛えよう】」の記事をご覧ください。
(2)(3)については、「樹形図を使う?使わない?【問題によって使い分けるコツを解説】」の記事にも書いてある通り、数え上げる状況 $2$ つに当てはまっています。
組分け問題に関するまとめ
今回はだいぶ疲れましたね(^_^;)
ただ、本記事のポイントである
- 「モノ(人)の区別」「組の区別」「要素の個数の指定」の $3$ つの基準で場合分けをする。
- 覚えるのではなく発想を身に付けよう!
- 「要素の個数が $0$ が許されているか否か」には、常に注意を配ろう。
以上 $2$ 点を心に刻んで演習を積み重ねれば、自然と力が身に付いてきますので、頑張りましょうね!!
「場合の数」全 12 記事をまとめました。こちらから次の記事をCHECK!!
以上、ウチダでした~。
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コメント一覧 (2件)
お疲れ様です。
場合の数の中で、組み分けの問題について理解が出来ず、かなりのブログを見てきましたが、前に進めず一人悩んできました。今回の記事により、完全に理解したとはいえないとは思いますが、一筋の明かりが見えてまいりました。
有難うございます。感謝申し上げます。
小杉様
非常に嬉しいお言葉、ありがとうございます!
組分けの問題は本当に難しいです。だからこそ、パターン別に考えると、「あ、そういうことか!」と気付きがあるものだと思っております。
この記事が小杉様の一助になれば幸いです。