こんにちは、ウチダです。
さて、皆さんは数学Ⅰで習う「たすきがけ(因数分解)」をしっかりマスターできましたか?
たすきがけは今後もよく登場するスキルなので、ここで押さえておかないと後々苦労することになります。
たすきがけの仕方をしっかり理解して、どんな形でも因数分解できるようになりたいなぁ。
たすきがけの計算を早くするコツを教えてもらいたいわ。
よって本記事では、たすきがけ(因数分解)の仕方から早く計算するためのコツを、問題6問を通して
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
たすきがけの仕方とは?【コツを掴もう】
たすきがけとは
のことを指します。
さて、まずは問題を実際に解いてみて、たすきがけのイメージを掴んでいきましょう。
問題1.次の式を因数分解しなさい。
(1) $2x^2-3x+1$
(2) $-2x^2+3x-1$
(3) $12x^2-17x+6$
早速(1)を、たすきがけを使って因数分解していきます。
上の画像のように $2×(-1)$,$1×(-1)$ とたすきの形で掛け算をすることから「たすきがけ」という名前が付けられています。
(解答終了)
ちなみに(2)は、
と、$-1$ をくくりだせば(1)と同じ式が出てきます。
このように、$x^2$ の係数にマイナスがある場合、まず $-1$ でくくってからたすきがけを考えるようにしましょう。
ちなみに、たすきがけの理論は以下の乗法公式から成り立っております。
この乗法公式を逆に利用して因数分解を行うことを「たすきがけ」と呼ぶ。
(1)のようなたすきがけであれば、できるようになったよ!ただ、(3)みたいに複雑になると、どうにも思いつかないんだよね…
たすきがけは”スキル”なので、こういった悩みを抱える方は多いと思います。よってここからは「ウチダ流たすきがけをマスターするコツ」をお教えしていきますね!
【重要】たすきがけによる因数分解を早くするコツ
たすきがけによる因数分解を早くするコツは、ズバリこれです。
①のコツはほとんどの学校で習いますが、②を教えてくれる先生は中々いません。
ということで、(3) $12x^2-17x+6$ をコツ①②を使って因数分解していきましょう!
真ん中の数(一次の係数)である $-17$ はとりあえず無視する。
- かけて $12$ になる $2$ つの自然数の組み合わせ
- $( \ 1 \ , \ 12 \ ) \ , \ ( \ 2 \ , \ 6 \ ) \ , \ ( \ 3 \ , \ 4 \ )$ の $3$ つ
- かけて $6$ になる $2$ つの自然数の組み合わせ
- $( \ 1 \ , \ 6 \ ) \ , \ ( \ 2 \ , \ 3 \ )$ の $2$ つ
このように、それぞれの組み合わせが多いとき、$-17$ となる組み合わせを見つけるのは大変です。こういうときにコツ②が大活躍します!
一旦マイナスは無視する。
$17$ は奇数であることから、まず
と言える。
すると $12$ の分解方法は、$( \ 1 \ , \ 12 \ ) \ , \ ( \ 3 \ , \ 4 \ )$ のどちらか、ということがわかる。
$6$ の分解方法は絞り込めないが、奇数×奇数を作り出す必要があることから、
- $( \ 1 \ , \ 12 \ ) \ , \ ( \ 1 \ , \ 6 \ )$ であれば、必ず $1×1=1$ となる。もう一方は $12×6=72$
- $( \ 1 \ , \ 12 \ ) \ , \ ( \ 2 \ , \ 3 \ )$ であれば、必ず $1×3=3$ となる。もう一方は $12×2=24$
- $( \ 3 \ , \ 4 \ ) \ , \ ( \ 1 \ , \ 6 \ )$ であれば、必ず $3×1=3$ となる。もう一方は $4×6=24$
- $( \ 3 \ , \ 4 \ ) \ , \ ( \ 2 \ , \ 3 \ )$ であれば、必ず $3×3=9$ となる。もう一方は $4×2=8$
以上のたった $4$ パターンに絞り込むことができ、また一つの組み合わせが決まることから偶数×偶数の値も自動的に決定する。
したがって、$12=3×4$,$6=2×3$ と分解するのが正しくて、たすきがけは
となり、$(3x-2)(4x-3)$ と因数分解できる。
(解答終了)
一次の係数が奇数のときは、絞り込みがかなり楽になりますね!
一次の係数が偶数のときは、「奇数+奇数=偶数」となってしまうため、候補が絞り込みづらいですね。仰るとおり、一次の係数が奇数のときは、このコツを使えばかなり絞り込めるのでおすすめです!
奇数と偶数の性質をうまく使ったたすきがけの方法でした。
掛け算の組み合わせが多いときは、ぜひこのコツを使って候補を絞り込んでから色々実験してみましょう!
たすきがけの練習問題3選
問題2.次の式を因数分解しなさい。
(1) $4x^2-4x-3$
(2) $-8x^2-31x+4$
(3) $16x^2-45x-9$
ということで、掛け算の組み合わせが多いたすきがけの練習問題 $3$ 問を解いてみましょう!
先ほど学んだコツを使えば、結構楽に解けますよ^^
まとめ:たすきがけをマスターして計算力を上げよう!
いかがでしたか?
たすきがけのコツは掴めましたか?
高校数学においては、計算力を上げることは非常に重要です。
たすきがけをマスターできるように、計算系の問題集を使ってマスターしましょう!
おわりです。
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