こんにちは、ウチダです。
今日は、中学生でも習う
「直線の方程式」
について、数学Ⅱの図形と方程式ではどんな知識を得られるのか、スッキリ解説しようと思います。
主に、2点を通る場合の公式の証明や、平行・垂直な場合の傾きの求め方を解説していきますが、ポイントは「いかに速く求められるか」です!
【復習】直線の方程式(1次関数)
まず、「直線の方程式」などという少し難しい表現をしていますが、ようは $1$ 次関数です!!
つまり、がっつり中学数学の範囲ってことですね。
なのでさっそくですが、復習がてら問題を解いてみましょう!
(1) 傾きが $2$で、$y$ 切片が $1$
(2) 傾きが $3$で、点 $(1,2)$ を通る
(3) 2点 $(2,-1)$、$(3,0)$ を通る
まずは中学校で習う方法でいいので、正確に解いてみましょう♪
では解答です!
【解答】
直線の方程式を $y=ax+b$ とおく。
(1) 条件より、$a=2,b=1$ なので、$$y=2x+1$$
(2) 条件より、$a=3$であるから、$$y=3x+b$$
点 $(1,2)$ を通るので、$x=1,y=2$ を代入して、$$2=3+b$$よって、$b=-1$ なので、$$y=3x-1$$
(3) 2点 $(2,-1)$、$(3,0)$ を通るので、代入して、$$\left\{ \begin{array}{ll} -1&=2a+b \\ 0&=3a+b \end{array} \right.$$
連立方程式を解くと、$a=1,b=-3$ より、$$y=x-3$$
(終了)
たしかに、中学数学の知識でも求めることは可能です。
可能ですが…
時間がかかる!!!めんどくさい!!!
こう感じた経験はありませんか?
数学において一番重要なのは、言わずもがな正確性です。
ですが、次に重要となってくるのが「スピード」です。よって、効率良くできるところは突き詰めていきましょう。
具体的にどこがめんどくさいかというと…
- $y=ax+b$ と $a,b$ を用いてわざわざ表さなくてはならない
- 通る $2$ 点が与えられたとき、連立方程式を解かなくてはならない
この $2$ つだと思いますので、次の章ではこれらの悩みを実際に解決していきたいと思います!
直線の方程式の基本的な求め方
この記事では、一番基本となってくるパターンをもとに問題を解いていきます。
それは、「通る1点と傾きが与えられた場合」です!
先ほどの問題で言う(2)ですね。
ではまず一般的に見ていきましょう。
途中まで中学数学と同じ方法で解いていきます。
【解答】
傾き $m$ の直線は、$$y=mx+b ……①$$と表すことができる。
①が点 $(x_1,y_1)$ を通るので、$$y_1=mx_1+b ……②$$
ここで、①-②をすることで $b$ を消去することができる!(ここがポイント!)
よって、①-②より、$$y-y_1=m(x-x_1)$$
(終了)
解答の途中でオレンジ色ののアンダーラインを引いたところの発想が、高校数学ならではですよね^^
今得られた結果をまとめます。
点 $(x_1,y_1)$ を通り、傾きが $m$ の直線の方程式は、$$y-y_1=m(x-x_1)$$
ではこの公式を用いて、さきほどの問題を解いてみましょう。
(2) 傾きが $3$で、点 $(1,2)$ を通る
【別解】
公式より、$$y-2=3(x-1)$$よって、$$y=3x-1$$
(終了)
非常にスマートに求めることができました♪
直線の方程式(2点を通る)の求め方
では次は、最初の問題でいう(3)のパターンですが…
公式を覚える必要は全くありません!!
どういうことなんでしょう…
問題を解きながら見ていきます。
(3) 2点 $(2,-1)$、$(3,0)$ を通る
【別解】
直線の方程式の公式より、$$y-0=\frac{0-(-1)}{3-2}(x-3)$$
よって、$$y=x-3$$
(終了)
いかがでしょうか。
傾きの部分に分数が出てきましたね。
ここの意味が分かれば、先ほどの公式を使うだけで求めることができますね。
それには傾きについての理解が必須です。
図をご覧ください。
「傾きとは変化の割合」であり、$$変化の割合=\frac{ y の増加量}{ x の増加量}$$でした。
つまり、通る $2$ 点が与えられていれば、傾きは簡単に求めることができる、というわけです!
傾きを求めることができたら、通る $1$ 点を選び、直線の方程式の公式に代入してあげましょう。
直線の方程式(平行や垂直)の求め方
それでは最後に、「平行や垂直」という条件はどのように扱えばいいのか、見て終わりにしましょう。
(1) $y=2x$ と平行で、点 $(-2,-3)$ を通る
(2) $y=2x$ と垂直で、点 $(2,5)$ を通る
これは知っていると瞬殺なんですけど、知らないと結構きついんですよね…
【解答】
(1) 平行なので傾きは同じである。
よって、$$y-(-3)=2\{x-(-2)\}$$
したがって、$$y=2x+1$$
(2) 垂直なので傾きはかけて $-1$ になる値である。
よって、$$y-5=-\frac{1}{2}(x-2)$$
したがって、$$y=-\frac{1}{2}x+6$$
(終了)
まず平行についてですが、これは図をみていただければ何となくわかるかと思います。
では垂直はどうでしょうか…
ここについては、本当にいろいろな証明があります!
その中でもわかりやすい証明を $3$ つほど紹介しようと思います。
垂直条件の証明
【証明1(教科書に載っているパターン)】
垂直なので三平方の定理を用いる。
△OABに三平方の定理を用いて、
(証明終了)
【証明2(三角形の合同)】
図のように、$OH’=m_1$ となるように点H’をとると、$$△OAH ≡ △BOH’$$が成立する。
よって、傾き $m_2$ は、$$m_2=\frac{-1}{m_1}$$したがって、$$m_1m_2=-1$$
(証明終了)
【証明3(三角形の相似)】
△OAH ∽ △BOH となるので、$$OH:AH=BH:OH$$
よって、$$1:m_1=-m_2:1$$
※$-m_2$としなければならないのは、図より明らかに$m_2<0$であるため、プラスにしなければ長さを表せないため。
したがって、$$m_1m_2=-1$$
(証明終了)
以上 $3$ 通りの証明、いかがでしょうか。
これらのことをまとめると、こうなります。
2直線 $y=m_1x+k_1$、$y=m_2x+k_2$ について、
2直線が垂直 ⇔ $m_1m_2=-1$
いろんな証明ができれば数学を面白いと感じることができるでしょう。
ぜひこの $3$ 通りの証明はしっかりと理解した上で、垂直条件は必ず覚えておくようにしましょう♪
直線の方程式に関するまとめ
いかがだったでしょうか。
もう一度おさらいしますと、こういう計算命の分野においては、正確性に加えてスピードが求められます!
また、基本は「通る1点と傾きが与えられた場合」です。
なぜなら、傾き=変化の割合なので、通る $2$ 点がわかっている場合はすぐに求めることができるからです。
ぜひ、本記事を参考にして、数秒で直線の方程式を求められるようになり、テストでいい点数を取っちゃってください^^
おわりです。
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