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指数関数を正しく理解して、指数関数のグラフを書いてみよう

こんにちは、遊ぶ数学のウチダです。

指数関数とは、数学Ⅱで習う関数の一つであり、特徴的な形をしています。

指数関数とは、数学Ⅱで習う関数の一つであり、特徴的な形をしています。
指数関数とは、数学Ⅱで習う関数の一つであり、特徴的な形をしています。2
数学太郎

学校で習ったけど、指数関数が何なのか、イマイチつかめてないんだよな…

数学花子

指数関数のグラフを書くのが苦手だわ…。

本記事では、指数関数の意味から、指数関数のグラフを速く正しく書くコツまで、わかりやすく詳細に解説していきます。

指数関数とは?

たとえば $2^3$ という数に対して、$2$ に当たる部分の数を「底」、$3$ に当たる右上部分の数を「指数」と呼びます。

底が $a$ で指数に $x$ があるとき、「 $a$ を底とする $x$ の指数関数」と表現します。

数学太郎

”指数”の $x$ によって決まる”関数”だから、指数関数なんですね。

ウチダ

その通り^^ちなみに関数とは、$x$ の値を一つ決めることで $y$ の値が一つ決まる関係のことを言うよ。

たとえば $y=2^x$ という関係であれば、

  • $x=2$ を代入すると $y=4$
  • $x=3$ を代入すると $y=8$

というふうに、一つの $x$ に対して一つの $y$ が定まるから、これは関数と言えますね。

関数については以下の記事で詳しく解説しています。

指数法則が成り立つ

指数関数の最大の特徴は、「指数法則が成り立つ」ことです。

【指数法則】
① $a^m×a^n=a^{m+n}$
①` $\displaystyle \frac{a^m}{a^n}=a^{m-n}$
② $(a^m)^n=a^{m×n}$
③ $(ab)^n=a^n×b^n$

よって、たとえば $y=2^x×8$ という関数は、

\begin{align}y&=2^x×2^3\\&=2^{x+3}\end{align}

というふうに書き換えられますし、$x+3=X$ とおくことで $y=2^X$ となるので、$X$ と $y$ の関数として考えることもできます。

ウチダ

指数法則は高校1年生で学習したよね。ただ $x$ は実数を取るから、自然数で成り立つだけではだめだよ。

そこで、「指数の拡張」という考え方が必要になりました。

指数法則や指数の拡張に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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指数関数のグラフを書いてみよう

実際にグラフを書かないとイメージが掴みづらいので、ここからは具体的な関数で考えていきましょう。

y=2^xのグラフ

問題1.$y=2^x$ のグラフを書け。

底が $2$ の指数関数ですね。このグラフの形は一体どうなるでしょうか?

ウチダ

関数の正体がわからないときは、まずは一つ一つ値を代入してみよう。代入して得られた点を結ぶと、答えが自ずと見えてくるはずです。

指数関数のグラフは、解答のように曲線になることがポイントです。

では他の例も見ていきましょう。

y=(1/2)^xのグラフ

問題2.$\displaystyle y=(\frac{1}{2})^x$ のグラフを書け。

次は底が $\displaystyle \frac{1}{2}$ の指数関数です。

問題1では値を $7$ つ代入しましたが、毎回だと大変なので今度は $3$ つぐらいにしてみましょう。

さて、底が $2$ と $\displaystyle \frac{1}{2}$ の関数を実際に書いてみたことで、少し正体がつかめてきましたね。

次の章で性質をまとめたいと思います。

指数関数の重要な性質

指数関数の重要な性質

$y=a^x$ に対して、

ⅰ)$a>1$ のとき、グラフは右肩上がりの曲線になる

ⅱ)$0<a<1$ のとき、グラフは右肩下がりの曲線になる

指数関数の重要な性質1
指数関数の重要な性質2

いずれの場合も、$(0,1)$ を必ず通る。また、$x$ 軸が漸近線となる。

つまり、$y$ は限りなく $0$ に近づくが、$0$ 以下になることはない。

数学花子

底が $1$ より大きいかどうかで、グラフの形が変わるんですね。

ウチダ

底が $1$ だと、$x$ がどんな値でも $y$ は $1$ になるよね。だからこそ、$y=1^x$ が基準になっているんだ。

$0.2≦a≦3$ の範囲で、$a$ を $0.2$ ずつ動かしたアニメーション画像を作りましたので、ぜひご参考ください。

$0.2≦a≦3$ の範囲で、$a$ を $0.2$ ずつ動かしたアニメーション画像を作りましたので、ぜひご参考ください。

Q.aが0以下の場合はどうなるの?

$a$ が $0$ より小さい場合、たとえば $y=(-2)^x$ という指数関数は存在するのかについて、考えてみます。

これは結論、(高校の範囲では)考えません

たとえば、$\displaystyle x=\frac{1}{2}$ を代入してみるとわかりやすいです。

\begin{align}y=(-2)^{\frac{1}{2}}=\sqrt{-2}\end{align}

$x$ が整数のときは $y$ も整数になりますが、このように $x$ が有理数だと、$y$ は実数ではなくなってしまいます。

ウチダ

虚数を学習すると $\sqrt{-1}=i$ でしたから、$y=-2i$ と一応は表記できます。しかし座標平面上に $\displaystyle (\frac{1}{2},-2i)$ なんていう点は存在するでしょうか?

$x$ 軸、$y$ 軸ともに実数の世界で座標平面を考えているため、$x$ が実数、$y$ が虚数となってしまう関数のグラフを書くことはできません。

よって、高校の範囲では、指数関数と言ったら $a>0$ と仮定することにしています。

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y=3+4^xのグラフ

問題3.$y=3+4^x$ のグラフを書け。

最後は応用として、$y=a^x+p$ 型の指数関数のグラフに挑戦してみます。

でも基本は今までと一緒。今回も $3$ つの点を座標平面上にプロットすることで、正確かつ素早くグラフを書いていきましょう。

$y=3+4^x$ の場合、漸近線は $x$ 軸( $y=0$ )ではなく $y=3$ となります。

ウチダ

$y=a^x+p$ の漸近線は $y=p$ になるということです。今までのに当てはめると、$y=2^x+0$ だから $y=0$ 、つまり $x$ 軸が漸近線になる。こんな感じ。

指数関数のグラフとねずみ算

正月に、ネズミのつがいがあらわれ、子を12匹産む。そして親と合わせて14匹になる。このネズミは、二月に子ネズミがまた子を12匹ずつ産むため、親と合わせて98匹になる。この様に、月に一度ずつ、親も子も孫もひ孫も月々に12匹ずつ産む時、12ヶ月でどれくらいになるかというと、276億8257万4402匹となる。

Wikipediaより引用

「ある期間に、ねずみがどれだけ増えるか」を計算する問題のことを「ねずみ算」と呼びます。

さて、このねずみ算を関数で表すと、どうなるでしょうか?少し考えてみましょう。

ねずみ算では、$x$ は自然数しか取らないので、正確には指数関数とは言えません。

しかし、ちょうど指数関数上をなぞるように増えていくことから、

ねずみ算的に増えていく = 指数関数的に増えていく

と表現されることが多いです。

ウチダ

他にも借金が膨らむとき、コロナの感染爆発が起こったときなどに「指数関数的に増えていく」という表現がされますね。それらも関数で表すと指数関数になるというわけです。

まとめ:指数関数を正しく理解し、グラフを正しく書けるようになろう

指数関数についての学びは深くなりましたか?

数学花子

モヤモヤしていた部分がスッキリしたような気がします!

ウチダ

それはよかった^^それじゃ忘れないように、本記事の要点を改めてまとめておくよ。

指数関数・指数関数のグラフについてのまとめ
  1. $y=a^x$ を、「 $a$ を底とする $x$ の指数関数」と呼ぶ。
  2. $y=a^x+p$ について、$a>1$ であれば右肩上がりのグラフになり、$0<a<1$ であれば右肩下がりのグラフになる。また、漸近線は $y=p$ である。特に $p=0$ のとき、漸近線は $x$ 軸となる。
  3. ねずみ算や借金の増え方、コロナの感染爆発などは、関数で表すと指数関数になることから、「指数関数的に増える」という表現を用いる。

指数関数とはなにかをしっかり理解し、今後の応用問題につなげていきましょう。

応用問題である指数方程式の解説記事はこちらから

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