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数学の成績が伸びない原因全15選を旧帝大数学科卒・元教員が解説

数学の成績が伸びない原因全15選を旧帝大数学科卒・元教員が解説

こんにちは、遊ぶ数学のウチダです。

皆さんは、「数学はセンスのいい人しかできない教科だ」なんて思っていませんか?

否!そんなことはありません。誰でも、正しい努力をすれば間違いなく成績は伸びます。それが”学校の勉強”というものです。

ウチダ

しかしこの「正しい努力」というのをしっかりできている人が、思った以上に少ないんですよね。「自分は大丈夫」と思っているそこのあなたも、今日の記事はよく読んで、1つでも当てはまらないか確認してください。

参考までに、筆者である私ウチダは、

  • 旧センター試験(今で言う共通テスト)は常に満点(時間は15分ほど余らせていました)
  • 東北大学数学科卒業
  • 実用数学技能検定1級を保持

以上のような実績があるので、信頼性は高いと自負しております。

本記事では、そんな筆者が思う”数学の成績が伸びない勉強法や考え方”を15つ解説していきます。

ウチダ

どれか1つでも当てはまっていたら黄色信号なものを、思いつく限りすべて解説していきます。本記事に載っていることを避ければ、自ずと数学の成績は上がっていきます。ぜひご参考ください。

数学の成績が伸びない原因全15選【センター満点が解説】

本記事で紹介するものは、どれか一つでも当てはまったら要注意なものばかりです。

ウチダ

皆さんの数学の成績を上げるために、結構ズバズバ言っていくので、覚悟して読んでくださいね!笑

答えを丸写ししている

これは一番やったらダメな勉強ですね。というか、これは勉強ではありません

なぜなら、数学の試験は常に初見問題との格闘なので、答えを丸写ししたところで何の役にも立たないからです。

ウチダ

小学生の頃の漢字練習と同じやり方ではダメです。漢字は書けば書くほど覚えていって、それが成績に直結しますが、数学では全く役に立ちません。

答えを丸写しする行為は、手は疲れるわ肩は凝るわ、勉強している感覚は得られるけど実際何も身についていない、という最悪の時間の使い方です。

答えを丸写ししてしまっている人はこれを機に、絶対にその勉強、いやその行為をやめるようにしましょう。

解答をすぐに全部見てしまう

わからない問題があって、解答を1,2分ですぐに”全部”見てしまうのもダメです。

全部ではなく、”チラ見”をしてください

ウチダ

筆者は、3分考えてもわからない問題は、いつも解答をチラ見したりヒントを見たりしていました。そのわからない部分”だけ”を見るのです。

数学において最も重要なことは、「自分にとって何がわからないのかをハッキリさせること」です。

なので分かる可能性がある部分まで解答を見てしまうのは、あまりにももったいなさすぎます。

わからないところだけチラ見したら、そこだけ赤ペンで書いたり答えのところに印を付けたりして、それ以降はまた普通に自分で解くようにしてみてください。

ウチダ

補足です。逆に悩みすぎて10分以上何もしないのもおすすめしません。もし10分以上悩むのであれば、必ず何か値を代入するなど実験したり手を動かしたりしてください。

友達に説明できない

友達に説明できない

いざという時に友達に説明ができないのであれば、その単元を深く理解していないことと同値です。

数学太郎

説明の上手さって、話の上手い下手が関係すると思うんですけど、どうですか?

ウチダ

いえ、全く関係ないですね。その証拠に、太郎君も「自分が好きなことやモノ」であれば、友達に熱く語れるはずですよ。

数学太郎

たしかに…。僕三国志が大好きなので、三国志の話であれば永遠と話せます。

↑の太郎君のように、人間は自分が理解していること・好きなことであれば、誰にだって説明ができる生き物なのです。

ですから「説明ができない」ということを「俺(私)は話下手だから」で終わらせないでください。もう一度言いますが、話の上手さ下手さは全く関係ありません。

ウチダ

補足です。友達に説明する行為は、友達の時間をいただく行為でもあるので、ちゃんと了承を得るようにしましょう。極端な話、実際には説明しなくてもOKです。

「目の前に架空の友達がいるとして、その友達に説明してみる」という方法でもかなり効果がありますので、ぜひお試しください(別に筆者に友達がいないわけではないですからね笑)。

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ん?という疑問を放置している

たとえば丸付けをしている時に、「ん?この式からこの式への変形、どうやってるんだ?」と思うことって、よくありますよね。

そこで何故そうなるかを考えるか、それとも「まあいいや」としてしまうか。それが運命の分かれ道です

ウチダ

数学ができる人は、必ずこの運命の分かれ道を、何度も通ってきています。決してセンスだけで数学ができるようには、ならないんですよ。

「まあいいや」の道を選択すると、その時は楽ですが後になってから倍返しを喰らいます。

たとえば授業についていけなくなる、応用問題が解けなくなるなどです。心当たりはありませんか?

数学は決して「まあいいや」で片付けてはいけない学問なのです。
※一部どうしようもなく難しい内容はたま~にあるので、そういうものは飛ばしてOKですが。

単純に勉強量が足りない

数学は、問題を解く時間が多ければ多いほど、成績がわかりやすく伸びていく教科です。

ウチダ

証拠にウチダはあまり授業を聞いていませんでした。なぜなら、理解している内容の説明を聞くのは明らかに時間の無駄だと思ったからです。授業はわからないところだけ聞くようにしていましたね。

50分の授業のうち、筆者のようにガリガリ問題を解いていたのは、クラスに僕以外一人もいませんでした。

結果筆者の数学の成績は、常に学年で1位でした。これが「問題を解けば解くほど成績が伸びる」ことの証明です。

勉強時間を単に増やすだけでなく、無駄な時間を減らして勉強時間を確保する工夫も、また重要なのです。

サボった単元がある

数学の最大の特徴。それは良くも悪くも”積み重ねの学問”だということです。

ウチダ

たとえば社会であれば、「縄文時代は苦手だけど江戸時代は得意」みたいな人はいますよね。ですが数学に限っては「二次関数は苦手だけど微分は得意」なんて人は1人もいません。

もちろん数学の中でも、たとえば整数や確率のように、ある程度独立している分野も存在はしています。

しかしそういう分野ですら、数列×確率で「確率漸化式」みたいな単元が存在するぐらいには、縦と横の結びつきが強い学問なんです。

>確率漸化式の解き方とは?【東大の問題など3選をわかりやすく解説します】

これはある意味、ちゃんと積み上げてきた人は絶対にいい成績が取れるので、「努力がきちんと報われやすい合理的な学問」とも言えますね。

ウチダ

ただサボってきた人にとっては残酷な学問ですよね。でも仕方ないです。だってサボってきたんだから…。

まずは「あーサボってしまったなぁ」と自覚することから始めましょう。自覚しないと、何も始まりません。

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色んな参考書に手を付けている

「2週間で数1Aを完璧に!」とか「1ヶ月で共通テスト満点!」とか、そういう参考書はゴロゴロありますが、そんなの全て嘘です。

いいですか、もう一回言いますよ。ぜ~んぶ、真っ赤な嘘です

ウチダ

ここまで読んできてわかったでしょう。数学の道に近道なんてありません。近道があるって信じたくなる気持ちはわかりますが、ただカモにされるだけですよ。

皆さんは、なんで世の中に参考書がこれほど溢れかえっているかわかりますか?

答えを言ってしまうと、「参考書にすがってしまう人が後をたたないから」なんです。参考書が売れるから、参考書をたくさん作るのです。

これを読んでいる皆さんは、参考書マーケットに踊らされる必要はありません。参考書は1冊だけで十分です。

ウチダ

これの証拠に、筆者は学校で配られた「4STEP」という問題集しかほとんど手を付けませんでした。その代わり、4STEP内の問題は、ほぼ解けないものがないぐらいにはやり込みましたね。

ポイントは、「自分が好きだと思う参考書を1冊やり込むこと」ですね。筆者は4STEPのスタイリッシュさが好きでした。

「自分が好きな参考書なんてわからない」という方は、以下の記事を参考に、自分にピッタリの1冊を探してください。

【1冊を選べ】高校数学おすすめ参考書を厳選して11冊紹介!

公式を自分の手で証明しない

公式を自分の手で証明しない

たとえば倍角の公式( $\sin2θ = 2\sinθ\cosθ$ )や、微分の公式( $(x^3)’ = 3x^2$ など)が例です。

皆さん、これらの公式を”今”証明しなさいと言われたら、すぐにできますか?

これらが証明できる人は、知識の重要度付けができている人です。一方で証明できない人は、公式をすべて丸暗記している人です。

数学花子

ギクッ…。でもなんで丸暗記したらダメなんですか?

ウチダ

それはね、短期記憶になってしまうからだよ。では質問だけど、3倍角の公式は覚えているかな?そしてそれは、1年間勉強しなかったとしても覚えていると思うかな?

数学花子

今はかろうじて覚えていますけど…1年経ったら多分忘れると思います笑。

ウチダ

だよね笑。ちなみに筆者は大学受験から7,8年経つから、3倍角の公式はもちろん覚えていない笑。でもすぐに作ることができるよ。なぜなら加法定理を理解しているからね。だから3倍角の公式で苦労したことは一度もないよ。

数学花子

え!覚えていないんですね…。なんだ、てっきり皆頑張って暗記しているんだと思ってました。

↑の花子さんのように、「皆公式を暗記している」と思い込んでいる受験生は多いように感じます。

ハッキリ言いますが、数学ができる人ほど暗記している公式数はむしろ少なかったりします笑。というより、暗記しようとして覚えるのではなく「いつの間にか覚えている」という感覚に近いですね。

ウチダ

付け加えると、筆者は和積の公式は覚えたことすらありません。でも和積も結局は加法定理を使えばすぐに導けるので、現役時代暗記していなくて困ったことは一度もありませんでした。

公式を証明することで、「なるほど、だから加法定理は重要なんだ!」とか「なんだ、微分の定義式から全ての公式作り出せるじゃん!」とか、本当に大切な知識に気づきます

本当に大切な知識がわかると、頭の中で整理されシナプスが形成され、結果的に長期記憶になっていき、”使える知識”に進化していくのです。

解法全部を暗記しようとする

解法全てを暗記しようとするのもダメですね。解法の重要な部分のみ暗記してください

数学太郎

ん!?つまりどういうことですか?

ウチダ

たとえば「 $\sqrt{2}$ が無理数であることを示せ」という問題。この問題において暗記する部分はただ1つ。それは、背理法を使うというところです。

$\sqrt{2}$ を有理数だと仮定した後のことは、逆に暗記しようとしてはダメです。

  • 有理数なんだから $\displaystyle \frac{n}{m}$ と互いに素な自然数を使って表せるなぁ…
  • 両辺に $m$ をかけて $2$ 乗したら、互いに素より $n$ が $2$ の倍数と判明するね…
  • $n=2k$ を代入すると、$m$ も $2$ の倍数だと判明するね…
  • これは $m$,$n$ が互いに素だという仮定に反するじゃん!

以上のように、有理数だと仮定した後のことは、しっかり納得感を持って説明できるように理解してください。

>背理法とは?ルート2が無理数である証明問題などの具体例をわかりやすく解説!【排中律】

↑の説明は、「有理数の表し方」「互いに素の扱い方」「基本的な式変形の考え方」の3つの知識があれば理解できるはずです。

もう一度言います。数学は積み重ねの学問ですよ

解けない問題を放置する

これは答え丸写しの次にやってはいけない勉強法です。

皆さんに問いますが、勉強ってなんのためにやるものだと思いますか?集中力を付けるため?頭を良くするため?

僕は、「昨日できなかったことをできるようにするため」だと思います。

ウチダ

そういう意味で、人との会話やゲーム、運動なども、僕は広い意味で”勉強”だと捉えています。

解けない問題を放置するという行為は、昨日できなかったことをそのままにしているため、僕の考える勉強の定義に真っ向から反対しています。

人生はできないことができるようになっていくから面白いのです。そこから目を背けていては、数学の本当の面白さには一生気づけませんよ。

ウチダ

自分が一度でも間違った問題は、必ず問題集に印を付けておきましょう。そしてその問題を、今日、明日、1週間後、1ヶ月後と、「もうええやろw」となるまで何度もやり直すのです。

人間はそんなに賢くありません。ぜひ1冊の参考書をボロボロになるまで使い込んでみてくださいね^^

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ケアレスミスを悔しがらない

人生において最も悔しがるべきこと。それは「本当はできたはずなのにできなかったこと」だと僕は思います。

そういう意味で、ケアレスミスを軽視することは、またまた僕の考え方に真っ向から反対していますね。笑

ウチダ

ハッキリ言います。ケアレスミスこそ悔しがってください。というかなんで悔しがらないんですか?本来なら正解だったはずの問題が、不正解になっているんですよ?絶対にあってはいけません。

「ケアレスミスは1問まではOK」とか言う人がたまにいますが、甘すぎます。ケアレスミスは絶対にダメです。

逆にケアレスミスさえ0にすれば、成績なんて簡単に上がります。楽な努力でリターンが大きいのですから、やらない手はないですよ。

計算力を軽視している

計算が苦手な人で、「今の時代電卓もあるし、計算なんてできなくてもいいでしょ」という持論を展開する人がいますが、計算力はめちゃ重要です。

ウチダ

仮にその持論を認めるとしたら、今の時代Googleがあるので歴史の知識も全く必要ないですね。翻訳ソフトも進化しているので英語も必要ないですね。世の中のほとんどのものが必要なくなりますよ。

計算ができる人は、頭の中でロジックを構築するのが上手いです。紙に書く必要のない計算は、頭の中で処理を行っています。

「頭の中である程度複雑な処理を行える」というスキルは、社会人になってから威力を発揮します。なぜならビジネスとは、誰かの問題解決のためにロジックを構築することだからです。

ウチダ

計算力は、日々の意識や努力・工夫次第で間違いなく伸びます。日頃から「どうすればもっと正確かつ素早く計算が行えるか」を考え、試行錯誤を繰り返してください。

数学なんて意味ないと思っている

学校の教員時代、よく生徒から「先生~、数学って何の役に立つんですか?」と聞かれました。

僕はハッキリ言って、この質問自体ナンセンスだと思っています。

ウチダ

今までの話とかぶりますが、もし数学が意味のないものであれば、きっと理科だって社会だって国語だって音楽だって体育だって、何の意味もないですよ。極端な話、人間が生きている意味も、地球から見たらなくないですか?

意味がないと嘆くより、意味を探して見つける方が健全だと僕は思います。

  • 数学であれば、「論理的思考が身につけられる」「どうやってスマホが作られているかなどの理論を知ることができる」
  • 理科であれば、「世の中の動きを数式で記述できる」「世の中の不思議を知れる」
  • 社会であれば、「偉人の考えを知れる」「文化の違いを知れる」
  • 国語であれば、「人の考えは違うんだってことを学べる」「多様性を受け入れられるようになる」
  • 英語であれば、「いつか海外へ行ける」「海外に行って知見を高められる」
  • 体育であれば、「体力を養える」「体の仕組みが理解できる」
  • 音楽であれば、「歌という趣味が一個増える」「自分を癒やす手段が一個増える」

こうやって考えれば、全部にそれなりの意味を見出すことは、結構簡単だと僕は思いますがね。

きれいなノートづくりにこだわる

きれいなノートづくりにこだわる

きれいなノートを作っている人に質問ですが、そのノート一体何回見直しましたか?

ノートをキレイに取ったところで数学の成績は伸びませんので、今すぐにやめましょう。

ウチダ

ノートなんて汚くていいですし、極論いらないと思っています。理解できないところは教科書に書き込めば良くないですか?その方が時間もかかりません。

もう一度言いますが、数学の成績が伸びる時間は問題を解いている時間だけです。

それに関係ない時間、たとえば「授業を一生懸命聞く」だったり「ノートを一生懸命取る」だったり、何となく良い風に見えることであっても、全くもって無駄なのでなるべく減らすように心がけましょう

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魔法の勉強法を信じている

さて、最後は少しまとめ的な話をしましょう。

ウチダ

ここまで僕の言っていたことはどうだったかな?ちょっと厳しすぎた?笑

数学花子

まあ、厳しいとは思いましたけど、でも一貫していると思いました。

ここまで、結構心にグサッと来る話をしてきたと思います。でも心にグサッと来ているということは、「僕の言っていることが本当は筋が通っていて正しいと思っている」ということではないでしょうか。

おそらく数学ができる人にこのブログ記事を見せても、「まあ、そりゃそうだよねー」という反応しか返ってこないと思いますよ。

つまりですね、数学ができるようになるための魔法の勉強法なんて1つもないんです。「そりゃ成績上がるよね」っていうことを、1つずつ愚直に積み上げるしかないってことです。

魔法がないというのは認めたくない事実ですよね。でもそれが現実です。一刻も早く夢からさめて、正しい努力を積み上げていってください。

ウチダ

基本なくして方法論はありません。本記事では「数学の成績を上げるための基本」はほぼ全て網羅したと思いますので、この基本を軸に方法論を自分なりに構築していってくださいね。

まとめ:数学の勉強法の基本をすべて守って、自分なりの方法論を構築していこう

最後に、本記事のポイントをまとめます。

数学の成績が伸びない・上がらないまとめ
  • 数学の成績が伸びない原因は、本記事で解説したことを1つ以上やってしまっているから。
  • 本記事で解説した内容を全て避ければ、数学の成績なんて自ずと上がります。
  • 「魔法の勉強法」や「奇跡の参考書」に騙されないように!
皆さんの数学の成績が上がりますように…!!

かなり厳しいことを言ったとは思いますが、嘘を伝えたくなかったので、僕の本心を伝えさせていただきました。

皆さんの数学の成績が上がることを願っています!

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