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n進法の変換方法とは?【n進法の四則計算・小数もわかりやすく解説します】

こんにちは、ウチダです。

我々が普段用いている数は $10$ 進数ですが、たとえば

  • ビット(コンピュータのデータで扱う最小単位)… $2$ 進数
  • 時計 … 時間は $12$ 進数,分数は $60$ 進数

つまり「n進法(えぬしんほう)」で表された $n$ 進数を使う場面もよくあります。

※正確には $0$ ~ $9$,$A$,$B$ の $12$ 個の数字を用いるとき、$12$ 進法と呼びますがここではスルー。

数学太郎
「 $2$ 進法から $10$ 進法への変換」はわかるんだけど、その逆「 $10$ 進法から $2$ 進法への変換」がよくわからないです…。
数学花子
$n$ 進法の四則計算も複雑よね。わかりやすく解説してほしいです!

こういった悩みを持つ方は多いと思います。

よって本記事では、「 $n$ 進法の変換方法や $n$ 進法の四則計算・小数」について、問題 $13$ 選を通して

  • 東北大学理学部数学科卒業
  • 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験アリ

の僕がわかりやすく解説します。

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目次

n進法の変換方法とは?【「nの累乗」に着目しよう】

$n$ 進法を学ぶ上で、必ず押さえたい一番の基本。

それは…

「 $n$ の累乗が何個あるか」で区別すること

これに尽きます。

たとえば、$10$ 進法で表された $432$ という数は

  • $10^2$ → $4$ 個
  • $10^1$ → $3$ 個
  • $10^0$ → $2$ 個

これらをすべて足して、$400+30+2=432$ という数が出来上がっています。

これを $2$ 進法で表したいのであれば、$2^8=256$ であることを踏まえて、

  • $2^8$ → $1$ 個
  • $2^7$ → $1$ 個
  • $2^6$ → $0$ 個

と確かめていけば、$432=110110000_{(2)}$ と表すことができるのです。

※ 数字の右下に $(n)$ を付けることで、$n$ 進法で表されていることを示します。また、$10$ 進法の場合はしばしば省略されます。

実際、

$432-2^8=432-256=176$ より、$2^8$ は $1$ 個

$176-2^7=176-128=48$ より、$2^7$ は $1$ 個

$48-2^6=48-64$ は負の数より、$2^6$ は $0$ 個

のように、なるべく大きい $2$ の累乗でどんどん引き算していけば、$2$ 進法で表すことができますね。

数学太郎
なるほど~。$n$ 進法の正体は何となくつかめてきたけど、計算が難しそうだね…。
ウチダ
実は $10$ 進法から $2$ 進法への変換には、ある裏ワザがあります!問題を通して詳しく見ていきましょう。

2進法から10進法への変換など(4問)

問題. 次の数を $10$ 進法で表しなさい。
(1) $10110_{(2)}$  (2) $200211_{(3)}$
(3) $1534_{(6)}$  (4) $152_{(9)}$

その裏ワザの前に、まずは簡単な「 $n$ 進法 → $10$ 進法」への変換から練習してみましょう。

それぞれの数の意味を考えれば、わかるはずですよ!

【解答】

(1) 

\begin{align}10110_{(2)}&=1・2^4+0・2^3+1・2^2+1・2^1+0・1^0\\&=16+4+2\\&=22\end{align}

※以降途切れている数式は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)

(2) 

\begin{align}200211_{(3)}&=2・3^5+0・3^4+0・3^3+2・3^2+1・3^1+1・3^0\\&=486+18+3+1\\&=508\end{align}

(3) 

\begin{align}1534_{(6)}&=1・6^3+5・6^2+3・6^1+4・6^0\\&=216+180+18+4\\&=418\end{align}

(4) 

\begin{align}152_{(9)}&=1・9^2+5・9^1+2・9^0\\&=81+45+2\\&=128\end{align}

(解答終了)

$n$ 進法から $10$ 進法に直すときは、たとえば $4$ 桁の場合

  • $n^3$ が何個
  • $n^2$ が何個
  • $n^1$ が何個
  • $n^0$ が何個

と $4$ つの場合に分けて考えればOKですね!

【裏ワザ】10進法から2進法への変換など(3問)

問題. 次の $10$ 進数を、それぞれ指定された記数法に変換しなさい。
(1) $35$ を $2$ 進法で
(2) $432$ を $2$ 進法で
(3) $55$ を $5$ 進法で

さて、いよいよ「 $10$ 進法 → $n$ 進法」への変換です。

さっそくですが、実際に裏ワザを使って解いてみます。

【解答】

(1) $2$ の累乗で区別するために、$2$ で割る操作をどんどん繰り返していく。

すると、商が $1$ になるまで繰り返し、そこから逆L字型に並べたものが $2$ 進数となっていることに気づく。

10進法から2進法への変換【裏ワザ】

(2) 同様に、筆算で求めるとこうなります。

432を2進法で表す
55を5進法で表す問題

(解答終了)

では、なぜこの方法で $n$ 進法への変換ができるのか、解説していきます。

10進法からn進法へ変換できる理由

基本はずっと同じで、「 $n$ の累乗で区別する」なんですね。

$n$ の累乗で区別するためには、$n$ でどんどん割っていくしかないわけです。

【 $35$ を $2$ 進法で】

$35=2×17+1$ であり、$17$ をまた $2$ で割ると↓↓↓

$35=2×(2×8+1)+1$ であり、$8=2^3$ だから↓↓↓

$35=2×(2×2^3+1)+1=2^5+2^1+2^0$

よって、$35_{(10)}=100011_{(2)}$

【 $55$ を $5$ 進法で】

$55=5×11$

$11=5×2+1$ なので、代入すると、

$55=5×(5×2+1)=2×5^2+5^1$

よって、$55_{(10)}=210_{(5)}$

ようは、裏ワザである筆算の方法も、$n$ で割り続けているわけですから、出てきた余りなどに着目すれば $n$ 進法表記になるよー、というわけです。

ウチダ
もっと厳密に解説するとややこしくなるので、イメージさえつかめればOKです。ただ、原理を全く知らずに裏ワザを使うのは止めましょう。

…ただですね。

僕個人的には、この裏ワザより正攻法で求めていった方が速いと思うんですよ。

たとえば、$35$ なんかは、$2^5=32$ であることを知っていれば、

\begin{align}35&=32+3\\&=2^5+2+1\\&=2^5+2^1+2^0\end{align}

と、$2$ の累乗を使った式がすぐに作り出せます。

数学花子
ホントだ!いつも裏ワザ(筆算)を使わなくても良さそうですね。
ウチダ
裏ワザ(筆算)を使えば機械的に解くことができます。ただ、今やって見せた方法(僕はこれを正攻法と呼ぶ)で解けるかどうか、ココの違いは大きいと感じてます。

教科書では、この裏ワザがあたかも正攻法のように書かれてますが、僕個人的にはあまりオススメしない方法です。

ぜひご参考ください。

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n進法の四則計算・小数もマスターしよう!

さて、$n$ 進法の変換はこれでバッチリですね☆

では次に

  • $n$ 進法の四則計算
  • $n$ 進法の小数

この $2$ つを学んでいきましょう。

ウチダ
これらを理解できた貴方は、もう立派な $n$ 進法マスターです!頑張りましょう。

n進法の四則計算(4問)

問題. 次の計算をしなさい。ただし、$10$ 進法に変換しないで計算すること。
(1) $11001_{(2)}+1001_{(2)}$
(2) $5203_{(6)}-451_{(6)}$
(3) $123_{(4)}×31_{(4)}$
(4) $2101_{(3)}÷12_{(3)}$

$10$ 進法に直してから計算すれば解くことができますが、めんどくさいですよね。(^_^;)

よって、ここでは $n$ 進法のまま計算する方法を解説していきます。

【解答】

2進法の加法

$2$ 進数なので、$2$ ができるたびに位が $1$ つ繰り上がる。

6進法の減法

$6$ 進数なので、引けない場合は上の桁から $6$ を繰り下げる。

4進法の乗法

$4$ 進法なので、$4=10_{(4)}$ や $8=20_{(4)}$ に注意して、位を繰り上げる。

※最高位の5も繰り上がりますね(汗)正しくは「11133」でした。コメントで教えてくださった「名無しさん」さん、ありがとうございました!

3進法の除法

$3$ 進法なので、引けない場合は上の桁から $3$ を繰り下げる。

(解答終了)

(1)~(3)は $n$ 進法のままで計算したほうがはるかにラクです。

ただ、(4)の除法ですが、たとえば $2564_{(8)}÷32_{(8)}$ みたいに、$8$ 進法,$9$ 進法になってきた場合、商がとっても求めづらくなります。

よって、僕のオススメは

  • 加法,減法,乗法 → $n$ 進法のまま、繰り上げ(繰り下げ)に注意して計算。
  • 除法 → $n≧6$ ぐらいになってきたら、$10$ 進法に直してから計算。最後にまた $n$ 進法に直す。

こんな感じです^^

n進法の小数(2問)

問題. 次の問いに答えよ。
(1) $0.11_{(2)}$ を $10$ 進数で表しなさい。
(2) $0.8125$ を $2$ 進数で表しなさい。

最後は、$n$ 進法の小数です。

ただ、基本は整数と同じで、たとえば $0.432$ であれば、

  • $10^{-1}=\displaystyle \frac{1}{10}$ → $4$ 個
  • $10^{-2}=\displaystyle \frac{1}{10^2}$ → $3$ 個
  • $10^{-3}=\displaystyle \frac{1}{10^3}$ → $2$ 個

であることに着目しましょう。

【解答】

(1) 

\begin{align}0.11_{(2)}&=1・2^{-1}+1・2^{-2}\\&=\frac{1}{2}+\frac{1}{4}\\&=\frac{3}{4}\\&=0.75\end{align}

(2) 地道に $2^{-1}=0.5$,$2^{-2}=0.25$,…が何個あるか数えていくのが速い。

$0.8125-2^{-1}=0.8125-0.5=0.3125$ より、$2^{-1}$ は $1$ 個

$0.3125-2^{-2}=0.3125-0.25=0.0625$ より、$2^{-2}$ は $1$ 個

$0.0625-2^{-3}=0.0625-0.125$ は負の数より、$2^{-3}$ は $0$ 個

$0.0625-2^{-4}=0.0625-0.0625=0$ より、$2^{-4}$ は $1$ 個。

よって、$0.8125=0.1101_{(2)}$ である。

(解答終了)

$n$ 進法の小数も裏ワザみたいな(筆算で解く)方法はありますが、やっぱりオススメしませんね。

n進法の小数のオススメな解法

実は、$0.8125=0.1101_{(2)}$ を導く方法として、正攻法かつオススメな解法があります!

さっそく見ていきましょう。

【(2)の別解】

$0.8125$ を $10$ 進法のまま分数で表すと、

\begin{align}0.8125&=\frac{8125}{10000}\\&=…( \ 5 \ で約分し続ける)\\&=\frac{13}{16}\\&=\frac{13}{2^4}\end{align}

実は、分母が $2$ の累乗となる。

したがって、$0.8125=N$ とおくと、$2^4N=13$ となり、$13=2^3+2^2+2^0=1101_{(2)}$ なので、$$N=2^{-1}+2^{-2}+2^{-4}=0.1101_{(2)}$$

(解説終了)

いかがでしょう。

これ美しいですよね^^

$10$ 進法の小数を $n$ 進法に直すときのオススメな解法は

  • $10$ 進法のまま、(分母が $n^m$ の)既約分数で表す。
  • 求める数を $N$ と置き、分母 $n^m$ を払う。
  • $n^mN$ を $n$ 進法で表し、小数点を $m$ 桁左にずらす。
ウチダ
ここまで読んでわかる通り、$n$ 進法の計算は様々な方法がありますので、自分に合った計算方法を見つけることが大切です。わからなくて困っていた方は、ぜひ参考にしてみてくださいね^^

n進法に関するまとめ

本記事の要点を改めてまとめます。

  1. $n$ 進法の最大のポイントは、「 $n$ の累乗が何個あるか」で区別すること!
  2. $n$ 進法の変換・四則計算・小数の $3$ つをマスターすればOK。
  3. 解法は複数あるので、自分に合った方法を探そう。

$n$ 進法は入試でも中々問われづらいため、解法だけ覚えて原理を理解していない生徒が多く見受けられます。

ただ、数学において「急がば回れ」は至高の格言です。

原理をしっかり理解した上で、裏ワザを使うようにしましょうね^^

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終わりです。

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コメント一覧 (2件)

  • かけ算の筆算のところ、4進法の掛け算なので5は繰り上がるのではないでしょうか。

    • うわ~!ホントですね、、全然気づきませんでした(汗)
      教えていただきありがとうございます!

utida-syouma へ返信する コメントをキャンセル

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