こんにちは、ウチダです。
さて、皆さんは「線対称・点対称(せんたいしょう・てんたいしょう)」の意味や具体例が、頭の中でパッと思い浮かびますか?
図形のイメージが中々持てないんだよね…意味を説明するとなると難しいなぁ。
線対称・点対称な図形の具体例や、その応用問題の解き方が知りたいです!
線対称・点対称の応用問題は、かなり骨のある問題も多いですし、中学以降の数学にもつながってくる話が多いです。
ということで本記事では、線対称・点対称の意味や具体例6選から応用問題3選の解き方まで
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
線対称・点対称の意味をわかりやすく解説します
「折って」と「半回転して」がかなりキーワードです。
あとはこの言葉たちと図のイメージをリンクさせることができれば、線対称・点対称マスターにかなり近づきます!
それではここからは、図形を用いて視覚的に理解していきましょう♪
線対称な図形の具体例3選
左から順番に、
- 矢印
- 正五角形
- 三つ葉
これらの図形は、青の点線で半分に折るとピッタリ重なります!
確かに重なるね!…今思ったんだけど、この青の点線は複数ありそうだよね。
いいところに気づきましたね~。青の点線は「対称の軸(たいしょうのじく)」と呼ばれ、実は対称の軸の本数を求める問題などが出題されやすいです!
Q.対称の軸はそれぞれ何本ある??
左から順番に、
- 矢印 … $1$ 本
- 正五角形 … $5$ 本
- 三つ葉 … $3$ 本
このように、図形によって対称の軸の本数は異なることがあります!
そしてこれは…図形を見て自分で考えていくことが重要なんですね~。
ただ一定の法則はあります!詳しくは後述の「対称の軸の本数を求める問題」の章で扱いますね。
点対称な図形の具体例3選
左から順番に、
- アルファベットのZ
- 平行四辺形
- 四つ葉
これらの図形は、緑の点を中心に半回転(=180°回転)するとピッタリ重なります!
なるほど!言葉の意味の違いについて理解できました!ところで、「四つ葉」の図形は線対称とも言えそうじゃないですか?
またまた鋭い意見!ということで、「線対称と点対称の関係性」について、少し触れていきましょうか^^
Q.線対称と点対称に関係性はある??
結論、点対称と線対称の間に関係性はほとんどありません。
ただし…
という性質があります!
四つ葉は点対称かつ線対称の図形で、対称の軸の本数は $4$ 本で、全ての対称の軸は対称の中心を通ってますね。…あれ、なんだか法則が見つけられそうな感じがしてきましたね。
ここからは以上の話を踏まえ、実際に問題を解くことでより理解を深めていきましょう!
線対称・点対称の応用問題3選を一緒に解こう
ではお待ちかね、線対称と点対称の応用問題 $3$ 選を一緒に解いていきましょう!
対称の軸の本数を求める問題
問題1.次の図形において、対称の軸は何本あるか答えなさい。
(1) 正三角形
(2) 二等辺三角形(正三角形ではない)
(3) 正八角形
(4) 円
(5) だ円(円ではない)
さて、実際に図形を書いてみるor頭の中で描いてみてから、解答をご覧ください!
さあ、皆さんは法則をある程度見つけることが出来たでしょうか??
それではまとめです!
「正~」という図形には、①のような法則があることがわかりました。
また、(4)の円は、正~角形の”角(かど)”の部分を全て丸くした図形、と考えればつじつまが合います。
正 $100$ 角形、正 $1000$ 角形、…としていった最終形が「円(えん)」という考え方ですね。
(2)や(5)のように、歪み(ゆがみ)のある図形では実際に探すしかないので、その都度考えましょう。
対称の中心を見つける問題
問題2.次の点対称の図形において、対称の中心を作図しなさい。
さて、実際に定規を使って作図をしてみて、対称の中心を見つけていただければ幸いです。
これ、色んな解き方で解いてみましたが…
本質的には全て「180°回転させたらピッタリ重なる点同士を結んでいる」ということになります!
そっか!だからさっきちらっと話に上がった「対称の軸の交点=対称の中心」、ということも言えるんだね。
そうです!ちなみに話が変わるけど、(1)の「平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わる」という性質があります。この性質は、今回の点対称の話からでも理解できると思います!
点対称な図形の超超超代表例である”平行四辺形”の性質は、詳しくは中学2年生で習います。
気になる方は、こちらの記事もぜひあわせてご覧ください^^
【中1数学】対称な点の座標を求める問題
問題3.点 $( \ 3 \ , \ 2 \ )$ について、それぞれの点の座標を答えなさい。
(1) $x$ 軸に関して対称な点の座標
(2) $y$ 軸に関して対称な点の座標
(3) 原点に関して対称な点の座標
さて、最後は少し派生して、「○○に関して対称な点の座標」を求めてみましょう!
ここまでで”線対称”や”点対称”について学習してきましたね。その知識を応用すれば、理解できない問題ではないので、ぜひ自分の頭で言葉の意味を考えて解いてみましょう!
このように、線対称・点対称は中学以降でよく学ぶ”関数(かんすう)”の分野にも登場する、重要かつ基本的な考え方です。
ちょっと発展的な内容ですが、これらについてもう少し詳しく学びたい方は、以下の高校1年生向けの記事をご覧ください。
平行移動の公式の解説2通り
平行移動・対称移動に関する応用問題3選
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「なぜグラフの平行移動の公式にはマイナスが出てくるの?」と感じている方は必見です。
線対称・点対称に関するまとめ
線対称・点対称に関する理解は深まったでしょうか?
最後に、本記事のポイントをまとめておきましょう!
- 線対称な図形は「折ったらぴったり重なる」、点対称な図形は「半回転したらぴったり重なる」←ここがポイント!
- 点対称な図形の代表例である「平行四辺形の性質」は中学2年生で学びます。
- “対称”という考え方は、中学以降でもよく登場し、特に「グラフの対称移動」のような形で扱われます。
「対称とは何か」正しく説明できるまで深く理解し、今後の勉強をスムーズにしていきましょう!
おわりです。
コメントを残す
コメント一覧 (1件)
いつもいつもありがとうこざいます。おかげで楽しく問題を解けています。(私を不登校だったので20からべんきょうをはじめています)