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垂直二等分線の作図方法(書き方)と「なぜ正しいのか」証明をわかりやすく解説!【垂線】

こんにちは、ウチダです。

今日は、中学1年生で習う

「垂直二等分線」

について、その作図方法とそれが正しいことの証明を解説したのち、実際に作図問題で練習し、最後に垂線の作図も考察していきます。

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目次

垂直二等分線の書き方

垂直二等分線とは、読んで字のごとく「垂直」で線分を「二等分」する直線のことです。

まずは書き方から学んでいきましょう。

↓↓↓

点 A を中心とした、ある程度大きな円を書きます。

次に、点 B を中心とした、同じ大きさの円を書きます。

最後にできた交点 $2$ つを結べば、作図完了です!!

とても簡単ですね^^

一つ注意しなければいけないのは「同じ大きさの円でなければならない」というところです。

ですから、①の曲線を書いた後に、コンパスの長さを変えてはいけません。

僕も中学生の頃、無意識のうちにコンパスの長さを変えてしまい、「あれ…垂直二等分線にならないな…」みたいなことがありました。(笑)

さて、こんなに簡単に作図ができるのですが…

「どうしてこれでOKなのか」

非常に気になりますよね!!

中学1年生の段階では、作図方法しか教わらないかと思います。

なぜなら、この作図を理解するためには中学2年生で学ぶある知識が必要だからです。

垂直二等分線の作図が正しいことの証明

まず、先ほどの図に書き込みを入れてみましょう。

↓↓↓

二つの交点をそれぞれ C、D とおき、中心 A、B と結んでみます。

すると、同じ大きさの円周上の点なので、青の線(円の半径)はすべて等しいです。

よって、四角形 CADB はひし形になります。

ひし形は平行四辺形の一種ですから、平行四辺形に成り立つ性質が使えます。
※これが中学2年生内容になってます。一旦話を進めます。

よって、対角線はそれぞれの中点で交わるので、直線 CD が線分 AB を二等分していることは示せました。

あとは、$AB ⊥ CD$ を示していきましょう。

これを示すには、線分 AB の中点を H とし、$$△CAH≡△CBH$$を示せば十分です。
※これも中学2年生内容になってます。一旦話を進めます。

↓↓↓

図より、$3$ 組の辺がすべて等しいので、三角形の合同条件より、$$△CAH≡△CBH$$が言えます。

よって、対応する角度が等しいため、$$∠CHA=∠CHB=90°$$となり、垂直であることも示せました。

中学2年生内容である「三角形の合同条件」と「平行四辺形の性質」に関する詳しい解説は以下のリンクからご覧ください。

⇒参考1.「三角形の合同条件はなぜ3つ?証明問題をわかりやすく解説!【相似条件との違い】

⇒参考2.「平行四辺形の定義から性質と条件をわかりやすく証明!特に対角線の性質を抑えよう
※参考1→参考2の順に読むことをオススメします。

作図方法が正しいことに気づくとかなり感動します。

ぜひ皆さんにも、その感動を味わっていただきたいです。

今中学1年生の方であれば、中学2年生になってからでも遅くはないですが、中学2年生以上の方であれば、今すぐにでも参考記事を読んで理解することをオススメします。

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垂直二等分線の性質を用いる作図問題

ここからは垂直二等分線の性質を用いた作図問題にチャレンジしてみましょう。

よく出題される問題として

  • 中点の作図
  • 円の作図

この $2$ つが挙げられます。

中点の作図

問題. 線分 AB の中点 C を作図によって求めよ。

さて、この問題は悩まずに解けますね!

だって、さっき学んだのは垂直“二等分線”の書き方ですからね^^

【解答】

線分 AB の垂直二等分線を作図する。

↓↓↓

線分 AB と垂直二等分線の交点が、中点 C となる。

(解答終了)

このように、「聞かれ方が異なるだけで本質的には同じ」という問題は結構あります。

中点の作図と言われたら、真っ先に垂直二等分線を思い出すようにしましょう。

中点の作図をマスターすると、三角形の面積の二等分線を書くことができます。

⇒参考.「等積変形とは?台形から三角形に変える問題を解説!【応用問題・難問アリ】

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円の作図

問題. 三点 A、B、C を通る円を作図せよ。

何だか難しそうですよね!

しかし、今までの知識をフル活用すれば、この問題もあっさり解くことができてしまいます。

ぜひ少し考えてみてから解答をご覧ください。

【解答】

線分 AB、AC の垂直二等分線を書き、その交点を O とする。

↓↓↓

ここで、交点 O を中心とした円を、ちょうど三点を通るように書くことができる。

(解答終了)

これ、ものすごく不思議ではありませんか?

しかし、この問題は垂直二等分線の性質を用いているにすぎないのです。

どういうことか、図をご覧ください。

↓↓↓

目次1-1「垂直二等分線の作図が正しいことの証明」でも解説した通り、垂直二等分線を書くということは、言ってしまえばひし形を作ることと同じでしたね。

よって、たとえば①上の点であれば、$2$ 点 A、B からの距離は常に等しくなるのです。

同様に、②上の点であれば、$2$ 点 A、C からの距離が等しいです。

つまり、①と②の交点 O であれば、$$OA=OB=OC$$が成り立ちます。

よって、三点 A、B、C と中心 O の距離がすべて等しいため、同じ円周上の点になるように円が書けるわけです。
<補足>つまり$OA(=OB=OC)$ が半径の円が書ける、ということです。

今ふれた重要事項についてまとめます。

【垂直二等分線の性質】
点 P が線分 AB の垂直二等分線上の点であれば、$$PA=PB$$が成り立つ。

実は、今求めた交点 O は「外心(がいしん)」と呼ばれ、詳しくは高校1年生で学びます。

興味のある方はぜひご覧ください^^

⇒⇒⇒外心とは?三角形の外心の座標・位置ベクトルの求め方や性質の証明をわかりやすく解説!【垂心】

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垂線の作図とその応用

垂直二等分線の作図とその応用については、これで完璧ですね♪

ということで、最後に垂線の作図についても考えてみましょう。

問題. 点 C を通り、線分 AB に垂直な直線を作図せよ。

一見すると簡単そうですよね。

ただ、垂直二等分線の作図の応用的な位置づけにあるのが、垂線の作図です。

どうすれば書けるのか、少し考えてみてから解答をご覧ください。

【解答】

垂直二等分線の作図と同じように、ひし形を作ることを意識する。

↓↓↓

点 C を中心として円を書き(①)、線分 AB とできた二つの交点を中心とした同じ大きさの半径の円を書き(②と③)、そうしてできた点 D と点 C を結ぶ。

すると、四角形 CADB はひし形になるので、対角線は直角に交わる。

(解答終了)

垂直二等分線より少しめんどくさいです。

ただ、「ひし形を作る」という発想は全く同じですね!

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三角形の高さの作図【垂線の足】

垂線を作図できるようになると、以下のような問題に対応できます。

問題. 底辺を BC としたときの高さ AH を作図によって求めよ。

高さということは、つまり“点 A を通り底辺 BC に垂直な垂線”のことですね。

さっき学んだ技術を活かせば、あっさり作図ができます。

【解答】

底辺 BC を延長し、同じようにひし形を作る発想で作図をする。

↓↓↓

今回は高さを求めているので、直線 BC との交点を H とおけばよい。

(解答終了)

ちなみに、今回求めた点 H のように、垂線と直線(平面)の交点のことを「垂線の足(すいせんのあし)」と呼ぶことがあります。

問題文等で出てきても焦らないように、知っておくとよいでしょう。

垂直二等分線に関するまとめ

垂直二等分線と垂線の作図における最大のポイントは

ひし形を作る

これのみです。

また、線分 AB の垂直二等分線上の点を P とした場合、$$PA=PB$$が常に成り立つことも押さえておきましょう。

特に高校数学において、この性質は重宝されます。

もう一つの基本的な作図「角の二等分線」に関する詳しい解説はこちらから!!

↓↓↓

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以上、ウチダでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!

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