こんにちは、ウチダです。
今日は中学受験算数講座第3回として
「植木算」
の公式や解き方、またお子さんに教える際の適切な教え方についても、図などを用いて分かりやすく図解していきたいと思います♪
応用問題もいくつか載せてありますので、ぜひチャレンジしてみて下さい^^
中学受験算数講座第2回の「つるかめ算」に関する記事はこちらから!!
⇒⇒⇒つるかめ算の解き方を方程式や面積図を使ってわかりやすく解説!【中学受験】【練習問題アリ】
植木算とは?
「植木算」というのは、例えば以下のような問題のことを指します。
↓↓↓
※この記事では「両端に木を植える場合」について考えていきます。
さて、皆さんはこの問題の答え、すぐに思いつくでしょうか。
おそらくですが、$10$ (本)もしくは $11$ (本)と答えた方が多いと思います。
ではどちらの答えが正解でしょうか。
少し考えてみて下さい^^
↓↓↓(答えあり)
【答え】
もし、ABの長さが $5$ (m)であれば、必要な木の本数は $2$ (本)である。
以下同様に、
- もし、ABの長さが $10$ (m)であれば、必要な木の本数は $3$ (本)である。
- もし、ABの長さが $15$ (m)であれば、必要な木の本数は $4$ (本)である。
- もし、ABの長さが $20$ (m)であれば、必要な木の本数は $5$ (本)である。
$5$ (m)長くなるたびに、木の本数が $1$ (本)増えている。
よって、$50-5=45$ (m)長いので、必要な木の本数は $45÷5=9$ (本)増えるはずだから、答えは$$2+9=11 (本)$$となる。
(答え終わり)
いかがでしょうか。
長さを一番短くして、そこから考えてみると分かりやすいですね!
しかし、この問題のように一本道の植木算ばかりではないですし、いちいち数えるのも大変だと思います。
なので次の章からは、植木算を大きく $2$ つの場合に分けて考えていくことで、植木算の正体を明らかにしていきたいと思います!
【両端がある】植木算
一本道の植木算のように、端が決まっている場合とそうではない場合があります。
端がない場合は後で詳しく見るとして、ここでは「両端がある」植木算について見ていきましょう。
一本道の植木算
やはり基本は「一本道」の植木算になってきます。
ここで、さっき解いた問題を、別の考え方で解いてみましょう。
↓↓↓
青の枠で囲んだ部分が解答になります。
この解答のポイントは、「木と $5$ (m)の道を $1$ セットとして数える」ところになります。
すると、そのセット数は、$$50÷5=10 (セット)$$というふうに、割り算をすることで求めることが出来ますね。
そして、最後の B 地点だけは道が続かないので、B 地点に植える木を一本加えて、答えは $$10+1=11 (本)$$となります。
実はこの考え方が植木算の公式そのものになっています!
まとめておきましょう。
↓↓↓
(両端に木を植える場合) $$木の数=間の数+1$$
( 〃 植えない場合) $$木の数=間の数-1$$
間の数というのが、今回でいう「セット数」になります。
セット数が $10$ 個だったので、それに $1$ を加えれば木の数になりましたね^^
また、一応書いておいた「両端に木を植えない場合」というのは、今考えている「両端に木を植える場合」から $2$ 本、木を減らせばいいだけなので、$$間の数+1-2=間の数-1$$となりますね。
この公式はとても便利なので必ず押さえておいてくださいね♪
T字型の植木算
ここからは、両端がある植木算の応用問題について見ていきます。
皆さん、しっかりついてきてくださいね。
では早速問題です!
↓↓↓
このような、T字型の道に木を植える場合、どう考えたらよいでしょうか。
下に答えがありますので、ぜひチャレンジしてからご覧ください^^
↓↓↓(答えあり)
【答え】
道をAB,CDの $2$ つに分けて考える。
それぞれの道に必要な木の本数は、植木算の公式を用いて$$AB…50÷5+1=11 (本)$$$$CD…30÷5+1=7 (本)$$
しかし、これでは C 地点の木を $2$ 回数えてしまっているので、$1$ 回だけ引く。
よって答えは、$$11+7-1=17 (本)$$
となる。
(答え終わり)
まず最大のポイントは、「道を $2$ つの一本道に分けて考える」ところですね!
すると、さきほど学んだ公式を用いれば木の本数を求めることが出来ます。
さて、ここで注意していただきたいのが、道が重なっている C 地点のことです。
↓↓↓
よって、今 C 地点の木を $2$ 回カウントしてしまっているので、正しい答えにするためには、$1$ 本引かなくてはいけません。
したがって、$11+7-1=17$ (本)となります。
「まずは別々の一本道として考え、公式を使い、最後にうまい具合に調整する」
この流れで解けるようになると、だいぶ算数力がついてくると思います!
【両端がない】植木算
今までは端がある植木算について考えてきました。
ここからは、端がない植木算を詳しく見ていきましょう。
池の周り(円)の植木算
これもよく問われる問題ですので、しっかり押さえてくださいね^^
↓↓↓
さて、池の周りのように、両端というものが存在しない場合、どのように考えていけばよいでしょうか。
下に答えがありますので、ぜひチャレンジしてからご覧ください^^
↓↓↓(答えあり)
【答え】
一本道の場合と同じように、「木と $7$ (m)の道を $1$ セット」として考えてみよう。
すると、そのセットの数は$$140÷7=20 (セット)$$と求めることが出来る。
ここで、端がある場合、木がもう一本必要だったが、今回は端がないので、必要な木はすべてそろっている。
よって、答えは $$20 (本)$$となる。
(答え終わり)
いかがでしょうか。
一本道のときと同じように、セット数を数えていけばよいです。
その上、最後に木を一本追加する必要はありません。
なので、円周上に木を植える場合の公式は以下のようになります。
(円周上に木を植える場合) $$木の数=間の数$$
一応図にまとめておきます。
↓↓↓
長方形での植木算
さて、池のように円形のものであれば端がないと言えますが、長方形のように角ばった図形であればどうでしょう。
池のときと何が違うか…少し考えてから下の図をご覧ください。
↓↓↓(図あり)
実は、池のときと違う点は何もありません!
なので、答えは$$140÷7=20 (本)$$となります。
「なぜ同じように考えていいか」というのは、地道に数えていけば分かることですが、この事実がなんと大学の数学にもつながっています。
大学の数学で「位相幾何学(トポロジー)」と呼ばれる分野があるのですが、その分野においては、図形がゴムのように柔らかいもので出来ているとします。
その上で、伸ばしたり縮めたりして同じ図形が作れるとき、その $2$ つの図形のことを同相(どうそう)であると言います。
つまり、「池と長方形はトポロジーにおいて同相である」と言えます。
ちょっと難しいですかね…。
僕もここで大学数学についてお話するとは思いませんでしたが、小学生で習う植木算ですら大学の勉強につながっていると思うと、なんかすごいですよね!
今はその感動だけ感じていただければと思います♪
それでは、ここで一問だけ練習問題を解いてみましょう。
今までの知識を使って解いてくださいね^^
↓↓↓(答えあり)
【答え】
たてが $20$ (m)、横が $40$ (m)の長方形の周の長さは$$(20+40)×2=120 (m)$$
と求めることが出来る。
よって、必要な木の本数は、$$120÷5=24 (本)$$
となる。
(答え終わり)
周の長さを求めることが出来れば、あとはスゴイ簡単ですね!
植木算の公式の教え方
さて、両端がある場合とない場合について、植木算の公式を求めることが出来ましたね。
そこで、この記事を読んでくださっている皆様が、仮に子を持つ親御さんであるとしたら、お子さんにどう教えたいと思いますか?
私は、人に何か物事を教えるときに大事にしているものがあります。
それは、「大切な考え方と結び付ける」ということです。
そして、植木算で言う大切な考え方とは、「T字型の植木算」にあると思います。
どういうことか…図をご覧ください。
↓↓↓
お分かりいただけましたか。
一本道を折り曲げて両端をくっつけることで、円形の図形を作ることが出来ます。
そうすると、A と B が重なるので、木が $1$ 本いらなくなりますね!!
公式をもう一度見てみると…
(円周上に木を植える場合) $$木の数=間の数$$
たしかに、上の公式から $1$ 本少なくなっていますね!
このように、今までの教え方とリンクさせてあげることで、子供の学習スピードも上がると僕は信じています。
ぜひ参考にしていただければと思います♪
少し変わった植木算【応用】
さて、それでは最後に、少し変わった植木算について見てみましょう。
今まで見てきた植木算は、等間隔で木を植えていましたが、そうではない場合もあります。
それの代表例として、「テープをのりしろでつなぐ」植木算と「リングをつなぐ」植木算があるので、順に見ていきましょう。
テープをのりしろでつなぐ植木算
それではここからは、等間隔ではない植木算について考えます。
まず、のりしろ $2$ (cm)でつなぐということは、$2$ (cm)分だけ重ねるという意味ですね。
したがって、以下のように考えることが出来ます。
↓↓↓
一枚目だけ $8$ (cm)で、そこから 1 枚増えるたびに $8-2=6$ (cm)長くなるんですね!
そして、それの全体の長さが $116$ (cm)でした。
さあ、どう考えるべきでしょうか。
答えは下にあります!
↓↓↓(答えあり)
【答え】
二枚目より先は $6$ (cm)ずつ増えるので、それが何回起きるかを求める。
よって、$116-8=108$ (cm)の長さについて考える。
ここで、$$108÷6=18$$より、$6$ (cm)増やすのは $18$ (回)起きたと言える。
したがって、一枚目に $18$ 回テープを重ねたことになるので、答えは$$1+18=19 (枚)$$となる。
(答え終わり)
途中太字で示しましたが、一枚目だけ法則から外れているので、$8$ (cm)引いて考えるところがポイントです!
リングをつなぐ植木算
それでは、テープつなぎ問題とよく似た「リングつなぎ問題」も一問解いてみましょう。
テープとリングのつなぎ方の違いに着目すれば、さっきと同じように解くことが出来ます^^
少し考えてみてから答えをご覧ください!
↓↓↓(答えあり)
【答え】
図を見ると分かる通り、一個目が $8$ (cm)の長さで、そこから一個増えるたびに $6$ (cm)長くなる。
よって、さっきの問題と同じようにして解くことが出来るので、答えは、$$1+18=19 (個)$$となる。
(答え終わり)
リングのときの注意点は、「太さの $2$ 倍の長さが重なる」という点です。
指で輪っかを作ってつなげてみれば分かると思いますが、つなげた方の指の太さとつながれた方の指の太さ分重なりますね!
ここさえ気をつけてくだされば、あとは同じように解くことが出来ます。
ちなみに、これらの問題は、初項 $8$、公差 $6$ の等差数列として考えることもできますね。
植木算に関するまとめ
いかがだったでしょうか。
今日は、植木算を
- 両端がある場合
- 両端がない場合
- 等間隔でない場合
この $3$ つに分けて考えることで、植木算の正体を明らかにしてきました。
また、教え方のコツとして、特に大切な考え方と結び付ける方法をご紹介しました。
ぜひ、公式をそのまま覚えさせるのではなく、公式の成り立ちからの深い理解をさせるように、教えてみてください^^
中学受験算数講座第4回の「旅人算」に関する記事はこちらから!!
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