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三角形の内角の和は180度って証明できるの?【三角形の外角の定理(公式)や問題アリ】

こんにちは、ウチダです。

今日は、中学2年生で詳しく学ぶ

「三角形の内角の和」

について、それが180度である証明や、三角形の外角に関する公式・問題を解説していきます。

また、記事の後半では「内角の和が270度である三角形」についても考察していきます。

三角形の内角の和は180度

さて、皆さんは「三角形の内角の和が180度である」ことを知っていますか…?

きっと多くの方が、物心ついたときからご存じだと思います。

小学何年生で習うかについては、ハッキリとしたことは言えません。

ただ、小学4年生で「角度」の考え方を学び、小学5年生で「三角形の内角の和」についてふれる場合がほとんどです。

ここで一度、角度について簡単におさらいしておきます。

↓↓↓

一回転を360度と誰かが決めたから、半回転が180度になりました。

だから、直角は90度なんですね~。

「なぜ一回転を360度としたのか」については、こちらの記事で詳しく解説してます。

⇒⇒⇒円の一周が360度の理由とは?なぜそう決めたのか由来を様々な視点から解説!

つまり、$$三角形の内角の和=直線の角度$$これを示すことができれば、三角形の内角の和が180度だと自信を持って言えるわけです。

では、この事実をまずは直感的に、次に理論的に証明していきます。

小学生向けの証明

どんな三角形でも大丈夫なので、合同な三角形を $3$ つ用意します。
※合同な図形とは、形や大きさが全く同じで、ぴったり重なる図形のことを言います。

用意出来たら、その $3$ つの三角形を以下のようにくっつけます。

↓↓↓

※このアニメーションは、およそ $3$ 秒で次の画に移ります。

いかがでしょう。

実際にやってみると、スッポリとはまって気持ちいいですよね。(笑)

また、この図より、●+▲+■が直線の角度と等しいことがわかったので、$$●+▲+■=180°$$

つまり、三角形の内角の和は180度であることが示せました。

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では次に、より理論的な証明をしていきます。

中学生向けの証明

この証明では、中学2年生で習う「平行線と角の性質」の知識が必要です。

参考記事はこの章の最後に載せますので、とりあえず証明をご覧ください。

↓↓↓

【証明】

上の図のように平行線を引く。

ここで、平行線における錯角は等しいので、●及び▲に等しい角度がわかる。

よって、$$●+■+▲=180°$$が成り立つ。

(証明終了)

平行線における錯角(と同位角)が等しいことを利用すれば、(証明というより説明に近いですが、)あっさりと証明できます!

「平行線と角」に関する詳しい解説はこちらから!!

⇒⇒⇒錯角・同位角・対頂角の意味とは?平行線と角の性質をわかりやすく証明!【応用問題アリ】【中2数学】

以上、「三角形の内角の和が180度である理由」について、$2$ 通りの解説をしてきました。

納得いただけた方、そうでない方いらっしゃると思います。

というのも、目次3「三角形の内角の和が270度になる!?<コラム>」では、見出しの通り、「三角形の内角の和が180度にならない」場合について考察していきます。

これを理解できると、一気に頭の中を整理できますが、高度な数学の話になりますので、一旦飛ばして「三角形の外角の定理」をまずは解説していきたいと思います。

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三角形の外角とは

まず、そもそも三角形の外角とは何でしょうか。

図をご覧ください。

↓↓↓

内角の一つである●に対し、■を「 $∠C$ の外角」と呼びます。

図からわかる通り、$●+■$ は直線の角度であるため、$$●+■=180°$$となります。

また、二か所■を書きましたが、これらは対頂角の関係にあるため、もちろん等しいですね。

さて、三角形の外角に関して成り立つ重要な定理があります。

それを学んでいきましょう。

【公式】三角形の外角の定理

【三角形の外角の定理】
三角形の1つの外角は、そのとなり以外の2つの内角の和に等しい。

図で具体例を挙げました。

この定理の証明方法は $2$ 通りあります。

【証明1】

三角形の内角の和は $180°$ なので、$$60°+70°+∠C=180° ……①$$
※ $∠C$ は内角を表すことにする。

また、一つの内角と外角の和は $180°$ なので、$$∠C+∠x=180° ……②$$

①②より、

\begin{align}∠x&=60°+70°\\&=130°\end{align}

(証明1終了)

「三角形の内角の和が180度である」ことを認めれば、簡単に証明することができますね!

【証明2】

図のように、点 C を通り辺 AB に平行な直線を引く。

ここで、平行線における錯角は等しいので、$60°$ の角度がわかる。

また、平行線における同位角は等しいので、$70°$ の角度がわかる。

したがって、

\begin{align}∠x&=60°+70°\\&=130°\end{align}

(証明2終了)

もちろん、「平行線と角の性質」を利用して証明することもできます。

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【問題】ブーメラン型図形(四角形)の角度

三角形の外角の定理を用いる応用問題としてよく挙げられるのが

  • 星型の角度
  • ブーメラン型の角度

この $2$ つだと思います。

この記事では、比較的発想力が必要な「ブーメラン型の角度」について解説していきます。

問題. 下の図で、$∠a$ を求めよ。

この問題を今までの知識で解くには、補助線を引いて三角形を作り出す必要がありますね!

補助線の引き方で、解法が $2$ 種類存在しますので、皆さんぜひじっくりと考えてみて下さい^^

解き方1

【解答1】

半直線 BC と線分 AD の交点を E とする。

↓↓↓

ここで、△ABE において三角形の外角の定理を用いると、$$∠CED=68°+32°$$

また、△CEDにおいて三角形の外角の定理を用いると、$$∠a=∠CED+∠CDE$$

したがって、$$∠a=(68°+32°)+15°=115°$$

(解答1終了)

「辺 BC を延長する」という補助線の引き方でしたね。

「辺 DC を延長する」やり方でもほぼ同様に解けますので、これらは同じ解法として扱います。

また、この解答からわかる通り、求める角度 $∠a$ はそのとなり以外の $3$ つの内角の和になります!

覚えておけば$$∠a=68°+32°+15°=115°$$と一瞬にして答えを出せるので、すごい便利ですね☆
※しかし、この結果を丸暗記することはオススメしません。「なぜそうなるのか」必ず理解してから使うようにしてください。

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解き方2

【解答2】

直線 AC を引く。

↓↓↓

ここで、△ABC において三角形の外角の定理を用いると、$●+32°$ の角度がわかる。

また、△ADC において三角形の外角の定理を用いると、$■+15°$ の角度がわかる。

$●+■=68°$ より、

\begin{align}∠a&=(●+32°)+(■+15°)\\&=(●+■)+32°+15°\\&=68°+32°+15°\\&=115°\end{align}

(解答2終了)

上側と下側の三角形に分けて考えても、解くことができるのですね!

この解答を見てもわかる通り、この問題のコツは「複数の三角形に分割する」ことでした。

これは、様々な図形の応用問題に使える知識ですので、ぜひ押さえておきましょう♪

解き方3

さて、最後の解き方は予備知識がいります。

一旦解答をご覧ください。

【解答3】

$∠C$ で内角を表すものとする。

ここで、円の角度は $360°$ より、$$∠a+∠C=360° ……①$$

また、四角形の内角の和が360度(※1)であることから、$$68°+32°+15°+∠C=360° ……②$$

①②より、$$∠a=68°+32°+15°=115°$$

(解答3終了)

「三角形の内角の和が180度である」ことを用いると、「四角形の内角の和が360度である」ことを証明できます。

また、これをしっかり理解できると、五角形や六角形、つまり $n$ 角形に対する知識が深まります。

「多角形の内角と外角」に関する詳しい解説はこちらから!!

⇒※1.「多角形の内角の和・外角の和は?正多角形の内角の求め方は?証明や問題をわかりやすく解説!

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三角形の内角の和が270度になる!?<コラム>

さて、最後にコラム的な話をして終わりにしましょう。

三角形の内角の和が180度になることは、明らかな事実のように思えます。

しかし、このことが成り立たない、超身近な例が存在します。

それは…私たちが住んでいるこの”地球上”です。

例えば、$$緯度…0°、経度…0°$$の地点を出発点としましょう。

そこから東にまっすぐ進み、$$緯度…0°、東経…90°$$のところまで来たら、そこで北に折れ曲がります。

またまっすぐ進むと、$$北緯…90°、経度…0°$$の地点に辿り着くので、そこで南に折れ曲がります。

そしてまっすぐ進むと…なんと元の地点$$緯度…0°、経度…0°$$に戻ってくることができるのです!

今の移動では、直角(つまり90°)にしか折れ曲がっていません。

また、スタート地点に戻ってくることから、三角形が作れます。

よって、この三角形の内角の和は$$90°+90°+90°=270°$$ということになりますよね。

今の話を図で表すと、以下のようになります。

↓↓↓

つまり、球面上で三角形を作ると、多少なりとも形が歪むため、三角形の内角の和は180度より大きくなってしまうということです。

今の例は、最大限に歪ませた場合の話です。

このように、三角形の内角の和が180度にならないような平面のことを「非ユークリッド平面」と言い、そういう枠組みで考える学問のことを「非ユークリッド幾何学(きかがく)」と言います。

がっつり大学内容なのでかなり難しいですが、気になる方は以下のリンクなどを参考に勉強してみると面白いかと思います。

⇒参考.2000年来の常識を覆した非ユークリッド幾何学—真っ直ぐではない直線を考える—

三角形の内角の和に関するまとめ

三角形の内角の和は180度ですが、それは「ユークリッド幾何学(きかがく)」において成り立つ事実であり、地球上などの球面では成り立たないことがわかりましたね。

このように、明らかに見える事実の背景には、重要な公理(平行線公準)などが隠されている場合もあります。

中学生のうちから理解する必要はありませんが、疑うクセをつけておくのは大切なことですね♪

また、三角形の内角の和が180度であることを利用すれば、多角形の内角や外角に関する理解も深まります。

ぜひそのまま勉強を進めていってほしいと思います。

次に読んでほしい「多角形の内角と外角」に関する記事はこちらから!!

↓↓↓

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コメント一覧 (9件)

  • 外角の定理の【証明1】は循環論法である

    外角の定理は【証明2】のように同位角と錯角を使えば簡単に証明出来るのに【証明1】のように三角形の内角の和を使うのは矛盾してる

    三角形の内角の和で扱われている[小学生向けの証明]は外角の定理による証明であり[中学生向けの証明]はその同位角部分を錯角に置換した派生型である
    つまり三角形の内角の和の証明は外角の定理によって証明されているのに外角の定理の証明に三角形の内角の和を逆用するのは反則である

    平行線の公理
    ↓【証明】↓
    同位角の定理 (対頂角の定理)
    ↓【証明】↓ (↲&↲)
    錯角の定理
    ↓【証明】↓
    外角の定理
    ↓【証明】↓ ×↑«循環»↑×
    内角の定理

  • 「平行線のときに錯角が等しくない→直角ではなくなる→平行線なのに交わるから矛盾。」
    この直角ではなくなることの証明をしてください。

    • これはそもそも「平行線の公理」というやつで、定理ではなく公理なので、これを認めて幾何学をやりましょうーということになりますね。
      (この公理を満たす幾何学をユークリッド幾何学といい、逆にこの公理を認めない幾何学を非ユークリッド幾何学といいます)

      なので、証明するものではなく、ユークリッド幾何学においては認めなくてはいけないもの、ですね。

  • もしかして、「錯角が等しい」ことの証明に「三角形の内角の和は180度」を使ってないですか?

    • たしかに、錯角についての解説記事と照らし合わせると、そう感じてしまいますね…
      今後機会があれば修正しようと思います!

      結論、使ってないです。
      平行線のときに錯角が等しくない→直角ではなくなる→平行線なのに交わるから矛盾。
      よって背理法に従って、平行線のときは錯角が等しいということが言えます。

      この証明に「三角形の内角の和が180度」は出てこないので、錯角が等しいことを証明中で使っても問題ないです。
      ややこしくてすみません。汗

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