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重解の求め方とは?【二次方程式が重解をもつ条件を解説します】

こんにちは、ウチダです。

まずはこちらをご覧ください。

例題.二次方程式 $x^2-4x+4=0$ の解を求めなさい。

左辺が $x^2-4x+4=(x-2)^2$ と因数分解できるので、解は $x=2$ となります。

このように、二次方程式であるにも関わらず解が $1$ つしか存在しない場合、その解のことを「重解(じゅうかい)」と呼び、数学Ⅰの二次関数の分野にて詳しく学びます。

数学太郎

重解とか判別式とかがごっちゃになっていて、頭が混乱してきたなぁ…。

数学花子

たとえば「3次方程式の重解を求める問題」など、そういう応用問題も解けるようになりたいわ。

よって本記事では、重解の基本的な求め方から重解がからむ応用問題2問、また重解に関する発展的内容3選について

  • 東北大学理学部数学科卒業
  • 実用数学技能検定1級保持
  • 高校教員→塾の教室長の経験あり

の僕がわかりやすく解説します。

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目次

重解の求め方とは?【まずは「判別式D」との関係性を押さえよう】

重解とはズバリ、判別式 $D=0$ のときの実数解のことです。

二次方程式の解が重解 ⇔ $D=0$

ウチダ

判別式とは、二次方程式の解の公式における√部分のことです。重解を知るには判別式の知識が必要不可欠なので、こちらの記事から読み進めることをオススメいたします。

まず、なんで「重なった解」と書いて重解と呼ぶのか、について。

これは、二次方程式の解の公式を覚えていれば、以下のように解釈することができます。

【なんで重解?】
二次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解の公式は、
$\displaystyle x=\frac{-b±\sqrt{b^2-4ac}}{2a}$

ここで、判別式 $D=b^2-4ac$ であるため、
$\displaystyle x=\frac{-b±\sqrt{D}}{2a}$
と書き換えることができる。

$±\sqrt{D}$ により、普通は $2$ つの解が生まれるが、$D=0$ の時に限り
$+\sqrt{D}=-\sqrt{D}=0$ となるため、解が重なっているように見える。
(解答終了)

数学太郎

なるほど!そういう解釈ができるから重解って言うんだね。

ウチダ

たとえば $x^2-4x+4=0$ に解の公式を使うと、$x=2±\sqrt{0}$ となり、$x=2+0$,$x=2-0$ の $2$ つの解が存在すると言えます。ただし実際は、$2+0$ も $2-0$ も $x=2$ であるため、$1$ つの解しかないように見える、ということですね^^

解の公式に関する詳しい解説はこちらの記事をどうぞ

解の公式とは~(準備中)

練習問題3問を解いてみよう

さて、ではまず重解の問題に慣れるために、いくつか基本問題を解いていきましょう。

問題1.次の問いに答えなさい。
(1) 二次方程式 $x^2+6x+9=0$ の重解を求めなさい。
(2) 二次方程式 $3x^2+2x+k=0 …①$ が重解を持つように、$k$ の値を定めなさい。
(3) 二次関数 $y=x^2-2k+k$ のグラフが $x$ 軸と接するように、$k$ の値を定め、またそのときの接点の座標を求めなさい。

いずれも基本的な問題ですが、判別式Dの扱いに慣れていないと苦戦するかもしれません。

それでは解答をご覧ください。

数学花子

(1)や(3)の後半では、判別式を使わずに因数分解を使うんですね!

ウチダ

判別式はあくまで”条件式”であり、実際に解を求めるには「因数分解」or「解の公式」を使うしかありません。因数分解のやり方も今一度マスターしておきましょうね。

因数分解とは~(準備中)

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重解の応用問題3問

ここまでで基本は押さえることができました。

しかし、重解の問題はただただ判別式 $D=0$ を使えばいい、というわけではありません。

ということで、必ず押さえておきたい応用問題がありますので、皆さんぜひチャレンジしてみてください。

判別式を使わずに重解を求める問題

問題2.二次方程式 $4x^2+12x+k+8=0$ が重解を持つとき、その重解を求めなさい。

まずはシンプルに重解を求める問題です。

これのどこが応用なの?」と感じる方もいるとは思いますので、まずは基本的な解答例から見ていきましょう。

数学太郎

…ん?この解答のどこがダメなの?

ウチダ

不正解というわけではありませんが、実はかなり遠回りをしています数学のテストは時間との勝負でもありますので、無駄なことは避けたいです。

ということで、スッキリした解答がこちら

数学花子

すごい!あっという間に終わってしまいました…。

ウチダ

この問題で聞かれていることは「重解は何か」であり、$k$ の値は特に聞かれていないですよね。なので解答では、聞かれていることのみを答えるようにすると、「時間が足りない…!」と焦ることは減ると思いますよ。

基本を学んだあとだと、その基本を使いたいがために遠回りすることが往々にしてあります。

ですが、「問題で問われていることは何か」これを適切に把握する能力も数学力と言えるため、なるべく簡潔な解答を心がけましょう。

実数解を持つ条件とは?

問題3.二次方程式 $x^2-kx+1=0$ が実数解を持つとき、定数 $k$ の値の範囲を求めなさい。

次に、「実数解を持つとは何か」について問う問題です。

ノーヒントで解答に移りますので、ぜひ少し考えてみてからご覧ください。

「実数解を持つ」と聞くと「 $D>0$ 」として解いてしまう生徒がとても多いです。

しかし、重解も実数解と言えるので、正しくは「 $D≧0$ 」を解かなくてはいけません。

ウチダ

細かいことですが、等号を付けないだけで不正解となってしまいます。言葉の意味をよ~く考えて解答していきましょう!

3次方程式の重解に関する問題

問題4.三次方程式 $x^3+(k+1)x^2-kx-2k=0 …①$ が2重解を持つように、定数 $k$ の値を定めなさい。

さて最後は、二次方程式より高次の方程式の重解に関する問題です。

ふつう三次方程式では $3$ つの解が存在しますが、「2重解を持つように」と問題文中に書かれてあるので、たとえば

\begin{align}x=1 \ , \ 1 \ , \ 2\end{align}

のように、$3$ つの解のうち $2$ つが同じものでなくてはいけません

ウチダ

ここでヒント!実はこの三次方程式①ですが、実数解の一つは $k$ によらず決まっています。これを参考に問題を解いてみてください。

この問題のカギとなる発想は

  • $x$ について整理されているから、$x$ の三次方程式になってしまっている…
  • $k$ について整理すれば、$k$ の一次方程式になる!
  • 整理したら、$x$ について因数分解できた!
  • 共通因数 $(x+1)$ が発見できたね♪

という、最初のところです。

あとは“2重解”という条件に注意すれば、問題が解けるようになるかと思います。

ウチダ

ちなみに、$x=-1$ を代入したときに三次方程式が成立することから、数学Ⅱで習う「因数定理」を使って $x+1$ の因数を見つけることもできます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

因数定理とは~(準備中)

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重解のさらなる応用3選

ここからは、かなり発展的な内容になります。

難関大を受験するレベルで数学を使っていく方 & 数学が好きな方には、ぜひ頑張って読み進めていただきたく思います。

完全平方式

問題5.$x^2+xy-2y^2+7x+ay+10$ が $x$,$y$ の一次式の積となるように、定数 $a$ の値を定めなさい。

完全平方式とは $()^2$ で表される式のことで、この問題を解くためには必要な知識と言えるでしょう。

まずは解答をご覧ください。

数学花子

判別式が $2$ つ出てきて混乱しました…。正直よくわからなかったです。

ウチダ

これは非常に難しい問題です。論理をしっかり追う必要があります。ここで詳しく解説すると長くなってしまうため、別途記事をご用意しましたので、そちらをご覧ください。

完全平方式とは~(準備中)

重解をもつ条件(微分)

数学Ⅰでは、問題4のように三次方程式を扱うことはあっても、一般的な内容については二次方程式までしか扱いません。

しかし数学Ⅱで「微分(びぶん)」を学ぶことにより、n次方程式やn次関数について深く考えることが可能になります。

そこで、いきなりですが結論を示しておきます。

方程式 $f(x)=0$ が $x=a$ を重解にもつ ⇔ $f(a)=f'(a)=0$

たとえば、$x^2-4x+4=0$ は $x=2$ を重解にもちますが、確かに

$2^2-4・2+4=0$

ですし、$f(x)=x^2-4x+4$ としたとき、$f'(x)=2x-4$ なので

$2・2-4=0$

となり、$f(2)=f'(2)=0$ が成り立ちます。

数学太郎

抽象的な話は難しいね…

ウチダ

そうですね。でもそこが数学の面白さでもあります!この問題は、僕が愛用している「FocusGold 4thEdition 数学Ⅱ+B」の例題196で扱われていますので、もし気になる方はチェックしてみてください。

微分に関する詳しい解説はこちらをどうぞ

微分とは~(準備中)

固有ベクトル・対角化(線形代数)

大学で習う線形代数という分野において、「重解を持つ場合の対角化」は非常に重要な単元ですので、気になる方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

対角化とは~(準備中)

重解に関するまとめ

それでは最後に、本記事のポイントをまとめます。

  1. 重解とは、「判別式」つまり $D=0$ のときに重なって見える実数解のこと!
  2. 「判別式を使わずに重解を求める問題」「実数解を持つ必要十分条件」「三次方程式の重解」の $3$ 問は必ず押さえておこう。
  3. 「完全平方式」など、もっと難しい応用問題もあるので、興味のある方はぜひご覧ください。

重解と判別式の関係であったり、逆に判別式を使わない問題であったり…

覚えることは多いように見えますが、一つずつ理解しながら頭の中を整理していきましょう。

数学Ⅰ「二次関数」の全 $12$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。

おわりです。

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