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多項式と単項式の違いとは?次数や乗除(乗法除法)や分配法則についても解説!

こんにちは、ウチダです。

本記事では、中学数学の

「多項式と単項式の違い」

について、まずは次数についての理解をしていきましょう。

そのうえで、実際の計算、特に乗除(乗法除法)を分配法則を用いて行っていきます!

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目次

多項式と単項式の違いとは

まずは言葉の定義を見てみましょうか。

多項式…数と文字を使って、和と積によってつくられる式のこと。
Wikipediaより引用
単項式…ただ一つの項しか持たない多項式のこと。
Wikipediaより引用

…ようするにこんな感じです。

つまり…単項式は多項式の一種である!!

ということです。

よく中学数学や高校数学の範囲では、

  • 多項式…項が二つ以上の式。
  • 単項式…項が一つの式。

と定義されている(つまり多項式と単項式は別々のものと定義されている)ことが多いのですが、これはよくないと思うんですよね~。

あくまで僕個人の感想ですけど。

だって、あのWikipediaに定義としてちゃんと書かれているんですもの!

ウチダ

まあぶっちゃけ、単項式は多項式ではないととらえようが、単項式は多項式の一種だととらえようが、計算が正しく行えれば大丈夫です。

ここで僕が言いたいことは、定義ばかりにとらわれて本質を見失ってはいけない!ということなので^^

ようするに多項式と単項式の違いは何かというと…

項が一つか、一つ以上か

これだけです!

例を見てみましょう。

なんとなくお分かりいただけたでしょうか。

式を構成する要素一つ一つのことを「項」と言いますが、項が一つだったら「単項式」、項が一つ以上であれば「多項式」となります。

では$$2x+5x-3x$$これは多項式でしょうか。単項式でしょうか。

少し考えてみて下さい。

実はこれは、「多項式でもあり単項式でもある」というのが正しい答えです!

なぜなら、この式は$$2x+5x-3x=7x-3x=4x$$というふうに計算ができますね!

このように、項同士をまとめることを「同類項をまとめる」と表現しますが、この結果単項式になってしまうので、

計算する前…多項式
計算した後…単項式

こういうケースもいくらでもあるということです。

ウチダ

ほら、こうしてみると、多項式か単項式か考えることって、どうでもいいことのような気がしてきませんか?(笑)

「どうでもいい」まではいかなくとも、「そこまで重要なことではない」と感じていただけたかと思います。

数学や算数において重要なのは、言葉の定義よりも正しく計算を行えるかや論理を組み立てられるかなので、もう一度言いますが本質を見失わないように気をつけましょう。

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多項式と単項式の次数

とはいったものの、ちょっとした違いはあるので、そこだけは押さえておきましょう。

問題.次の式の次数を求めよ。
(1) $3x^3y$
(2) $2x^4+x^3-5x^2+1$
(3) $3x^3y+2x+y^2x^7$

ここでまた新しい言葉「次数」が出てきたので、Wikipediaで調べてみましょう。

多項式の次数…多項式に現れる項のうち最も高い項の次数。
Wikipediaより引用
単項式の次数…変数のすべての指数の和。
Wikipediaより引用

まず(1)。

これは単項式なので、「変数のすべての指数の和」を考えましょう。

(1)の変数は $x,y$ の $2$ つで、$$xの指数…3$$$$yの指数…1$$なので、$$3+1=4$$つまり、次数は $4$ になります。

次に(2)ですが、この式は多項式なので、「最も高い項の次数」を考えましょう。

それぞれの項の次数を考えたとき、前から順に「 $4,3,2,0$ 」となります。

※定数項( $1$ とか $-9$ とか、いわゆる単なる数のこと)の次数は $0$ と定義されています。

ここで、多項式の次数とは、「最も高い項の次数」だったので、答えは $4$ になります。

ウチダ

$4+3+2+0=9$ は間違いですから、気をつけてくださいね。

最後に(3)ですが、これも前から順に見ていくと、「 $4,1,9$ 」となっています。

なぜなら…↓↓↓

文字の指数の部分を足したものが次数でしたね。

よって、この式の次数は $9$ ですね。

以上が次数についての定義です。

ここで、「なぜ多項式の次数の定義は最も高い項の次数なの?」と思う方もいらっしゃると思います。

これについては、「そう定義するとあらゆる面で都合がいいから」と答えるしかありません。

たとえば、2次方程式の解の公式。

あれは、左辺が2次の多項式であるときのみ用いることができる公式ですよね!

ウチダ

といったふうに、「最高次数が何次であるか」を重視する場面が非常に多いわけです。

次数についての定義は以上です。

ただ、補足として、「ある文字のみ変数として扱い、他の文字は定数として見る」と問題が解きやすくなることが多々あります。

たとえば、(3)ですが、「多項式の次数は $9$ 」でした。

これを$$xのみ変数として見る…次数は7$$$$yのみ変数として見る…次数は2$$となるのがわかるでしょうか。

こうして見たときに、次数が低い方を文字として見ると大体の問題は上手く解けます。

この問題では、「 $y$ を変数として」見てみましょう。

すると、これは $2$ 次の多項式になるので、もし$$3x^3y+2x+y^2x^7=0$$のような方程式であれば、$2$ 次方程式の解の公式が使えるというわけです。

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多項式と単項式の乗除

次は乗除(乗法除法)についてです。

簡単にいえば「掛け算と割り算」ですね。

これについても、問題を解きながら見ていきましょう。

問題.次の式を計算せよ。
(1) $9a^2b÷6a$
(2) $3a(2a-7b)$
(3) $(a+3)(b+5)$

(1)から(3)まで、まずはどこが違うか考えてみましょう。

違いを表現すると…

  • (1)…単項式÷単項式
  • (2)…単項式×多項式
  • (3)…多項式×多項式

となっていますね!

まず(1)は簡単なので早速解いていきますが、$$9a^2b÷6a=\frac{9a^2b}{6a}=\frac{3ab}{2}$$となります。

割り算でも掛け算でも、単項式同士の場合なら手前から順番にかけたり割ったりしていけばOKでしたよね。

ですが(2)はどうでしょうか。

どう計算したか、思い出してみて下さい。

そう…分配法則を使いましたよね!!

分配法則というのは、こういうものです。

ですから、この問題の場合はこうなります。

\begin{align}3a(2a-7b)&=3a×2a-3a×7b\\&=6a^2-21ab\end{align}

※符号に注意!!

ちなみに、こちらの記事では「なぜ分配法則が成り立つのか」まで深掘りしてまとめています。

さて、いよいよやってきました(3)。

この計算をするために「多項式」「単項式」を分けてきたと言っても過言ではありません。

いったいどう考えればいいのでしょうか。

そのためには(2)の考え方(つまり分配法則)を用います。

つまり「多項式×多項式」を「単項式×多項式」に無理やり変えてみるということです。

その方法は至ってシンプル。

$$a+3=A$$みたいな感じで、新しく自分で文字に置き換えればよいのです!!

すると、$$(a+3)(b+5)=A(b+5)$$となりますから、これは(2)と同じ「単項式×多項式」の計算になりますね!

よって、$$A(b+5)=A×b+A×5$$になります。

ただ、今回 $A$ という文字は自分で勝手に置いた文字なので、最後に直さなければいけません!!

よって、$$A×b+A×5=(a+3)×b+(a+3)×5$$となり、あとはそれぞれに分配法則を用いることで、

\begin{align}&(a+3)×b+(a+3)×5\\&=ab+3b+5a+15\end{align}

と見事に計算ができました。

これをまとめると、以下のようになります。

↓↓↓

ちなみに、このように式を単項式の和の形で表すことを展開すると言いますが、展開の基本は分配法則です。

ここからいろいろな展開公式(乗法公式)が導けますが、どんな乗法公式も分配法則を用いれば証明できることをお忘れなきよう。

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多項式ではないものって何があるの?

さて、一番伝えたいことは書き終わりましたが、ここまで見てきた皆さんだったらきっとこう思うはずです。

多項式じゃない式って例えばどんなものがあるの?

今までの話で取り上げてきたものって、すべて多項式でしたよね!

果たして多項式ではない例など存在するのでしょうか…

答えの前に、多項式の別名についてお話しておきましょう。

多項式は「整式」とも言いまして、言葉の成り立ちから分かるように、「整数のみで構成されている式」のことです。

一応わかりやすい定義を見つけたので、引用しておきます。

式をまとめた時、ある文字について加・減・乗以外の演算を含まない場合、この式はその文字について整式であるという。文字を指定しない時は分母や根号の中に文字が含まれていない式をいう。
コトバンク(大辞林 第三版)より引用

ここでポイントとなるのが、一文目の「加・減・乗」という部分です。

そう、「徐」だけ外されているのですね!!

つまり、割り算による式、例えば$$\frac{1}{x}+2$$などは整式(つまり多項式)とは呼びません

この式は「分数式」または「有理式」と呼びます。

また、$$\sqrt{3}x+5$$$$πa^2-2$$は $\sqrt{3}$ や $π$ が無理数なので「無理式」とよび、

$$1+2+3+4+…$$という風に、項が無限個あるものも整式とは呼びません。

ウチダ

$1+2+3+4+…$ は”べき級数”と言い、これは高校 $3$ 年生で初めて出てきます。

それから、気になった方もいるとは思うんですけど、$$x^2+3x+4=0$$とかって、$2$ 次”方程式”という言い方をしますよね?

実は式には大きく分けて $2$ 通りあり、

  • 代数式…有理式と無理式からなる式
  • 関係式…等式と不等式からなる式

となっています。

図にまとめるとこんな感じです。

詳しくは高校数学で学んでいくので、そこまで覚えておく必要はありませんが、ごっちゃになってしまう方はこの図を活用して下さいね^^

多項式と単項式に関するまとめ

いかがだったでしょうか。

今日のポイントをまとめますと…

  • 多項式と単項式は「項が一つ以上か、一つか」の違いだけ!
  • 多項式の次数の定義は、「最も高い項の次数」なので、そこには注意しよう。
  • 多項式×多項式の計算も、単項式×多項式のときに分配法則が成り立つことを用いれば計算できる!
  • 多項式以外にも、「有理式」や「無理式」といったいろいろな数式の形があり、また方程式や不等式は「関係式」という分類になる。

ポイントが多くて大変かもしれませんが、すべて基本となることなので、しっかりと押さえていただきたいと思います♪

おわりです。

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