こんにちは、ウチダです。
度数分布表でたびたび出てくる用語の中で、意味が少し難しいもの。
それはおそらく「相対度数(そうたいどすう)」や「累積度数(るいせきどすう)」、「累積相対度数」の $3$ つではないでしょうか。
「度数分布表がよくわからない…」という方は、先にこちらの記事から読み進めることをオススメします。
[ふきだし set=”悩む男性”]度数分布表の基本はわかった!けど、相対度数・累積度数って何?[/ふきだし]
[ふきだし set=”悩む女性”]相対度数・累積度数って、どういう時に使うんですか?[/ふきだし]
よって本記事では、相対度数・累積度数・累積相対度数の求め方や意味について
- 東北大学理学部数学科卒業
- 教員採用試験に1発合格 → 高校教諭経験アリ
の僕がわかりやすく解説します。
相対度数・累積度数の求め方とは?【割り算と足し算の違いです】
まず、相対度数と累積度数の違いを一言で表します。
…これだけだと何のことかサッパリわからないですよね。(^_^;)
ここから、具体例を通して丁寧に解説していきます。
階級(分) | 度数(人) |
---|---|
$0$ 以上 $4$ 未満 | $2$ |
$4$ ~ $8$ | $7$ |
$8$ ~ $12$ | $3$ |
$12$ ~ $16$ | $2$ |
$16$ ~ $20$ | $6$ |
計 | $20$ |
[ふきだし set=”考える男性”]この表だと、たとえば「 $4$ ~ $8$ 分の人は全体の何割を占めているか。」などの割合がわかりづらいよね。[/ふきだし]
[ふきだし set=”考える女性”]あとは「通学に $12$ 分以上かかる生徒」とか「 $4$ 分から $12$ 分で学校に着く生徒」とか、そういった情報も重要だと思います。[/ふきだし]
[ふきだし set=”ウチダ”]$2$ 人とも素晴らしい!それらの悩みを解決するのが、相対度数と累積度数(と累積相対度数)なんです。[/ふきだし]
先ほどの度数分布表に相対度数・累積度数・累積相対度数を加えたものがこちら
階級(分) | 度数(人) | 相対度数(度数 $÷20$ ) | 累積度数(それまでの合計) | 累積相対度数(累積度数 $÷20$ ) |
---|---|---|---|---|
$0$ 以上 $4$ 未満 | $2$ | $\displaystyle \frac{2}{20}=10$ % | $2$ | $\displaystyle \frac{2}{20}=10$ % |
$4$ ~ $8$ | $7$ | $\displaystyle \frac{7}{20}=35$ % | $9$ | $\displaystyle \frac{9}{20}=45$ % |
$8$ ~ $12$ | $3$ | $\displaystyle \frac{3}{20}=15$ % | $12$ | $\displaystyle \frac{12}{20}=60$ % |
$12$ ~ $16$ | $2$ | $\displaystyle \frac{2}{20}=10$ % | $14$ | $\displaystyle \frac{14}{20}=70$ % |
$16$ ~ $20$ | $6$ | $\displaystyle \frac{2}{20}=30$ % | $20$ | $\displaystyle \frac{20}{20}=100$ % |
計 | $20$ | $\displaystyle \frac{20}{20}=100$ % | / | / |
※この表は横にスクロールできます。
相対度数とは、全体に対する度数の割合のことを表し、累積度数とは、その階級までの度数の合計を表します。
また同じように考えれば、累積相対度数は、全体に対する累積度数の割合となりますね。
これで、相対度数は「割り算」、累積度数は「足し算」の意味がわかりましたね♪
相対度数・累積度数を考える意味って何なの?
では次に、相対度数や累積度数を使うメリットについて考えてみましょうか。
- 相対度数 … 度数の異なるデータ同士の比較がしやすい。
- 累積(相対)度数 … 「~未満」や「こっからここまで」みたいな、範囲の限定された度数(割合)がわかりやすい。
具体例がないとわかりづらいかと思いますので、例を通して解説していきます。
相対度数のメリットがよくわかる例
階級(分) | 度数(人) | 相対度数(度数 $÷400$ ) |
---|---|---|
$0$ 以上 $4$ 未満 | $40$ | $\displaystyle \frac{40}{400}=10$ % |
$4$ ~ $8$ | $64$ | $\displaystyle \frac{64}{400}=16$ % |
$8$ ~ $12$ | $136$ | $\displaystyle \frac{136}{400}=34$ % |
$12$ ~ $16$ | $117$ | $\displaystyle \frac{117}{400}≒29.3$ % |
$16$ ~ $20$ | $43$ | $\displaystyle \frac{43}{400}≒10.8$ % |
計 | $400$ | $\displaystyle \frac{400}{400}=100$ % |
さて、もし相対度数がなかったら、クラスAとの比較って全然できなくないですか?
だって、度数だけで見たら圧倒的にこっちのデータの方が大きいですもんね。
このように、「全体の度数がまったく異なる同種のデータ」を扱う際、相対度数は非常に役に立ちます。
[ふきだし set=”ウチダ”]別に比べる場面でなくても使えます。たとえば全体の度数が $20$ のとき、単に「 $6$ 人」って聞くより「全体の $30$ %」って聞いた方がイメージしやすいですよね。[/ふきだし]
人は割合の方が直感的にイメージしやすいため、データを使ってプレゼンをする時などは、相対度数を使うとより効果的です。
累積(相対)度数のメリットがよくわかる例
階級(万円) | 度数(人) | 累積度数 (それまでの合計 ) | 累積相対度数 (累積度数 $÷200$ ) |
---|---|---|---|
$15$ 以上 $20$ 未満 | $48$ | $48$ | $\displaystyle \frac{48}{200}=24$ % |
$20$ ~ $25$ | $42$ | $90$ | $\displaystyle \frac{90}{200}=45$ % |
$25$ ~ $30$ | $20$ | $110$ | $\displaystyle \frac{110}{200}=55$ % |
$30$ ~ $35$ | $30$ | $140$ | $\displaystyle \frac{140}{200}=70$ % |
$35$ ~ $40$ | $60$ | $200$ | $\displaystyle \frac{200}{200}=100$ % |
計 | $200$ | / |
/ |
※架空の会社です。
累積度数を見てみると、月収 $25$ 万円未満の従業員が $45$ % いることがわかります。
つまり、
- 約半数が月収 $25$ 万円未満
- 約半数が月収 $25$ 万円以上
これが大きな特徴の一つであると言えます。
[ふきだし set=”ウチダ”]たとえば「月収 $25$ ~ $30$ 万円の人の数」ではなくて「月収 $30$ 万円未満の人の数」が知りたい。こういう時ってありますよね。[/ふきだし]
このように「ある階級までの人数が全体の何 % を占めるか」の情報が知りたいとき、累積(相対)度数は役に立ちます。
相対度数・累積度数に関するまとめ
本記事の要点を改めてまとめます。
- 相対度数は「割り算」、累積度数は「足し算」です。
- 相対度数は、度数の異なるデータ同士の比較がしやすいです。
- 累積度数は、「ある階級までの人数が全体の何割を占めるか」を調べるときに使います。
相対度数・累積度数を使うことで、より細やかなデータ分析が可能となります。
実際に使ってみて、そして慣れていきましょう。
数学Ⅰ「データの分析」の全 $18$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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コメント一覧 (2件)
数1a80いきたいな
ウオオオオアアアア\( ‘ω’)/アアアアアッッッッ!!!!!最高だ