こんにちは、ウチダです。
数学Ⅰの二次関数において、もっとも重要なこと。
それは「正確かつスピーディに二次関数のグラフが書けること」これに尽きます。
というのも関数の分野は、グラフが正確に書ければ解答の方針が大体わかる問題が多いからです。
と言われても、二次関数の頂点・軸・$x$ 軸との共有点を求め方がよくわからないから、グラフが書けないよぉ。
[/ふきだし]二次関数のグラフの応用問題も解けるようになりたいわ。
[/ふきだし]よって本記事では、二次関数のグラフの基本的な書き方から、二次関数のグラフの応用問題まで
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
二次関数のグラフの書き方とは?
二次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフの書き方は、以下の $4$ ステップを押さえればOKです。
- まず平方完成をする。
- 頂点の座標を求める。
- $x=0$(軸が $x=0$ の場合は $x=1$ など)を代入し、頂点以外の $1$ 点の座標を求める。
- $a$ の値に気を付けて、放物線で結ぶ。
さあ、説明は後で行いますので、まずは練習してみましょう。
例題.$y=x^2-4x+3$ のグラフを書きなさい。
平方完成をすれば頂点がわかります。
あとは頂点以外の $1$ 点の座標を求め、「 $a>0$ ならば下に凸、$a<0$ ならば上に凸である」ことに気を付けてグラフを書けばOKです♪
こう聞くと簡単だなぁ。でも $2$ 点気になるところがあるよ。まず、なんで平方完成で頂点の座標がわかるの?
[/ふきだし]頂点というのは、その名の通り「でっぱった点」のことなので、$( \ )^2$ の中身が $0$ となるような $x$ の点なんですね。これについては、平方完成の記事で詳しく解説しております。
[/ふきだし]グラフを書くためには、「平方完成」についての正しいかつ深い理解が必須です。
「よくわからなかった」という方は、以下の記事から読み進めることをオススメします。
なぜ平方完成をする必要があるの?
平方完成と頂点の座標の関係性
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「平方完成のやり方がよく理解できていない…」と感じている方は必見です。
【よくある質問】もう一点の座標って、x=0(y軸)との共有点でなければいけないの…?
さて、もう一つの疑問点としてよく挙げられるのが、頂点以外の点についてですね。
「頂点以外の $1$ 点の座標は必ず書きなさいねー」と学校の先生に言われます。これはどうしてですか?
[/ふきだし]少し先の話になりますが、二次関数は $3$ つの情報によって $1$ つに定まります。ですが、頂点は $2$ つ分の情報を含んでいるので、あともう $1$ つの情報だけでOKなんです。
[/ふきだし]ちょっと難しいですよね。
簡単に解説すると、二次関数というのは一般的に
$$y=ax^2+bx+c$$
と書き記すことができ、この式には $a$,$b$,$c$ という $3$ つの定まっていない係数(未定係数とも言う。)がああります。
この $a$,$b$,$c$ を求め、二次関数を決定することを「二次関数の決定」と呼び、少し先でちゃんと習いますので、この機会に参考記事をチェックしておきましょう。
≫参考記事:二次関数の決定とは?【問題の解き方3パターンをわかりやすく解説します】
さて、以上をまとめると、
- 二次関数には $3$ つの未定係数があるため、情報が $3$ つ必要だ。
- しかし、頂点の座標だけは $2$ つ分の情報を含んでいる。
- よって、頂点以外の$1$ 点の座標がわかれば、二次関数は決定する!
つまり、頂点以外の点であればなんでも良いので、たとえば先ほどの例題において、$x=1$ の点の座標を記入しても正解となります。
これは余談ですが、$x=1$ のとき $y=0$(つまり $x$ 軸との共有点)になってますね。二次不等式を学習し出すと、むしろ $y=0$ との共有点の方が重要になってきます。
[/ふきだし]二次不等式に関する記事はこちらから
二次不等式の問題11選
ポイント「因数分解→解の公式→判別式D」
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。
「パターンがありすぎて、二次不等式が解けない…」と感じている方は必見です。
二次関数のグラフの応用問題2選
では次に、二次関数のグラフを使う代表的な応用問題について触れておきましょう。
具体的には
- 二次関数の平行移動・対称移動
- 二次関数の最大・最小
以上 $2$ つを一緒に考えていきます。
平行移動・対称移動
問題1.放物線 $y=x^2-4x+3 …①$ を平行移動して、放物線 $y=x^2+2x+2 …②$ に重ねるには、どのように平行移動すればよいか答えなさい。
平行移動なので、グラフの形は変わってはいけません。
また、グラフの形は $y=ax^2+bx+c$ の定数 $a$ によって決まるため、まずは $a=1$ で共通していることを確認しましょう。
こういうところは、普通に問題を解く分には気づきづらい部分ですが、理解の上では非常に重要なところだと、私は思います。
[/ふきだし]それができたら、あとはグラフを書いて確認すればOKです。
先ほどと同様の手順でグラフを書いていきましょう。
平行移動の問題は、頂点の移動に着目すればグラフを書かなくても解けてしまいます。
ですが、イメージを掴むために、少なくとも慣れるまでは練習もかねてグラフを正確に書くようにしましょう。
二次関数のみならず、グラフの平行移動・対称移動については、もう少し高度な内容まで押さえておいた方が良いです!詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
[/ふきだし]平行移動の公式の解説2通り
平行移動・対称移動に関する応用問題3選
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「なぜグラフの平行移動の公式にはマイナスが出てくるの?」と感じている方は必見です。
二次関数の最大・最小
問題2.二次関数 $y=-x^2+2x+2$( $0≦x≦3$ )の最大値および最小値を求めなさい。
次は、二次関数の最大値・最小値を求める問題です。
二次関数の最大・最小はこの分野において最難関であり、かつ一番問われやすい部分なので、しっかりと勉強する必要があります。
ただ、ほとんどの問題は「二次関数のグラフを正確に書けるか」に帰着しますので、ぜひ基本を大切にしてください。
グラフを書けば、図を見るだけで最大値・最小値はすぐにわかるね!
[/ふきだし]最大値・最小値のコツは $2$ つあって、$1$ つは「二次関数は軸に関して対象であること。」もう $1$ つが「軸と定義域の位置関係に注意すること」です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
[/ふきだし]二次関数の最大・最小は、多くの人がつまづく難関なのですが、
- グラフを正確かつスピーディに書くこと
- $2$ つのコツを押さえて問題を解くこと
を大切にして問題演習を重ねれば、割とどんな問題でもラクに解けるようになります。
(というか、二次関数の最大・最小の考え方が理解できるようになります。)
ぜひこの機会に二次関数の最大・最小までしっかりマスターしておきましょう!
二次関数の最大最小の応用問題6選(定義域が広がる・軸,区間が動くなど)
「場合分け」の基準が理解できます!
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「二次関数の最大最小って、なんでこんなに難しいの?」と感じている方は必見です。
二次関数のグラフに関するまとめ
それでは最後に、本記事のポイントをまとめます。
- 二次関数のグラフの書き方は、以下の通り。
- 平方完成して、頂点の座標を求める(情報 $2$ つ分)。
- 頂点以外の $1$ 点の座標を求める(情報 $1$ つ分)。
- $a$ の値に注意して、放物線を描く。
- 主な応用例は、「グラフの平行移動・対称移動」の問題や「二次関数の最大・最小」の問題がある。
- 特に二次関数の最大・最小は難関かつ頻出なので、よ~く勉強しよう!
二次関数に限らず、「グラフを正確かつスピーディに書ける」というスキルは、数学において非常に汎用性が高いです。
理解→練習→理解→練習→…のサイクルを繰り返して、身体に染み付かせていきましょう。
数学Ⅰ「二次関数」の全 $12$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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