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ベクトルとは?足し算引き算(合成)や成分表示について分かりやすく簡単に解説!

2019 12/14
ベクトルとは?足し算引き算(合成)や成分表示について分かりやすく簡単に解説!

こんにちは、ウチダショウマです。

今日は数学Bで習う

「ベクトル」

について、まずは足し算引き算(分解・合成)や成分表示などの基本的な事項を見ていきたいと思います。

また、ベクトルの意味や使い方も、物理学や数学、日常会話といった、いろんな立場からの見解を簡単に見ていきましょう。

目次

ベクトルとは何?

ベクトルというのは、一言で表せば「大きさと向きを持つ量」です。

これだけだと何が何だか分かりませんので、例を見てみましょう。

ベクトルの例…力、速度、電場、磁場など

スカラーの例…温度、速さ、質量など

ベクトルに対して、「大きさのみを持つ量」を”スカラー”と呼びます。

少し解説しますと、例えば「速さ」と言えば単純に $60$ (k/h)など能力を示しますが、「速度」と言えば “北に” $60$ (k/h)のように向きが加わりますね。

こうしてみると、今までの数学においても、意外とベクトル的な考え方をしていたことに気づくかと思います。

とにかく、ベクトルを正確に扱うことができれば、今までは触れてこなかった多くの事象について考えることができます。

そして、大きさと”向き”が重要だということは、つまり”角度”を扱う数学ということで、「三角比」が出てくるのも予想できますね!

⇒⇒⇒「図形と計量」一覧

それでは早速、新しい概念である「ベクトル」を使っていくために、まずは四則演算の定義から行っていきましょう♪

ベクトルの合成と分解

ベクトルの合成とは「 $2$ つ以上のベクトルを $1$ つのベクトルで表す」ことを指し、逆にベクトルの分解とは「 $1$ つのベクトルを $2$ つ以上のベクトルで表す」ことを指します。

こうして見ると「なんだか難しそう…」と思いがちですが、実は数に対しては、今までも無意識のうちにやっていることです。

例えば、$$5=1+4=2+3$$とか、$$6-4=2$$とか、これらは実数の合成または分解と言えますよね。

また、合成と分解を行うためには、四則演算、特に足し算引き算の定義が必要不可欠です。

なので、まずは大きさと向きを持つベクトルに対して「足し算引き算」の定義を行っていく必要が出てきます。

ベクトルの加法(足し算)

さっそくベクトルの加法(足し算)から詳しく見ていきましょう。

これがベクトルの演算の超超超基本となってくるので、これだけは何としても忘れないようにしましょう!

まあ、自然な定義であることは間違いないので、覚えやすくはあるでしょう。

ただ「どうしても覚えにくい!」という方は、以下のイメージを持つといいかと思います。

↓↓↓

寄り道をして帰っても直線距離で帰っても、ベクトルで考えると同じだということになります。

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では次に、ベクトルの減法を定義するのですが、さっそく今行なった定義が基本になってきます。

ベクトルの減法(引き算)

ベクトルの減法を定義するには、以下の式を使います。

$$\vec{a}-\vec{b}=\vec{a}+(-\vec{b})$$

これは中学1年生で習う「負の数」の定義と同じイメージです。

$$5+(-3)=5-3$$

負の数についての記事はこちら!!

⇒⇒⇒負の数の引き算(減法)と掛け算(乗法)の解き方や符号の変化を解説!【中一数学練習問題】

さて、ベクトルを考える上で非常に重要な図形があります。

それは「平行四辺形」です。

では平行四辺形を使って、ベクトルの減法について考えてみましょう。

↓↓↓

まず、$\vec{OA}=\vec{a}$、$\vec{OB}=\vec{b}$ と定義し、最初に $\vec{AC}$ について考えます。

ここで、$OB=AC$ (長さが等しい)で、向きだけ逆なので、$$\vec{b}+\vec{AC}=\vec{0}$$が成り立つはずです。

よって、$$\vec{AC}=-\vec{b}$$となります。

次に、$$\vec{OC}=\vec{OA}+\vec{AC}$$より、$$\vec{OC}=\vec{a}+(-\vec{b})$$であることが分かります。

そして、最後に、$$\vec{OC}=\vec{BA}$$である(長さも向きも等しい)ので、$$\vec{BA}=\vec{a}-\vec{b}$$となり、ベクトルの減法が定義できました。

以上まとめます。

↓↓↓

【ベクトルの減法】
$\vec{a}-\vec{b}$ は、まず矢印の根っこ(始点)を合わせ、引く方の矢印( $\vec{b}$ )の先っぽ(終点)から、引かれる方の矢印( $\vec{a}$ )の先っぽ(終点)に向かうベクトルである。

ベクトルの加法と違って「矢印の根っこ(始点)を合わせる」ところが注意点です。

しかし、どっちからどっちに向かう矢印かを忘れることもあると思います。

そんな時に思い出してほしいのが、次の定義方法です!

↓↓↓

このように逆算して考えることで、どちらからどちらへ向かうベクトルかすぐに分かりますね!

以上、$2$ つの考え方をご紹介しましたが、これらはどちらとも押さえておきたい基本になります。

特に $2$ つ目の逆算して考える方法は、計算ミスをかなり防げますので、ぜひ覚えておきましょう♪

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ベクトルの実数(スカラー)倍

さて、もう一つ定義しておかなければならないものがあります。

それはベクトルの実数倍です。

実は先ほど、一個だけ説明なしにやってしまいました。

$\vec{b}$ と向きが反対のベクトルを $-\vec{b}$ と表しましたね。

ここで、ベクトルの実数倍を次のように定義します。

【ベクトルの実数倍】
ベクトル $\vec{a}$ に対して、$k\vec{a}$ を次のように定める。
$k$ が正の数のとき、$\vec{a}$ と向きが同じで大きさが $k$ 倍のベクトル。
$k$ が負の数のとき、$\vec{a}$ と向きが反対で大きさが $-k$ 倍のベクトル。
※$k=0$ ならば、零ベクトル( $\vec{0}$ )と定める。

ここはイメージ通りですよね。

また、この定義から、次のような事実も成り立ちます。

【ベクトルの平行条件】
\begin{align}\vec{a} // \vec{b} ⇔ \vec{b}=k\vec{a} となる実数 k が存在する。\end{align}


※この命題は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)

つまり平行であれば、一方のベクトルを用いてもう一方のベクトルを表せるということです。

また、これらのベクトルを専門用語で「一次従属」であると言い、逆に一方のベクトルではもう一方のベクトルを表すことができないとき、それらのベクトルは「一次独立」であると言います。

さらに、一次独立のベクトルを用いることで、その平面上のすべてのベクトルを表すこともできます。

ここら辺の話は、勉強が進むにつれて理解していくことになるかと思います。

ベクトルの成分表示

さて、ここまではベクトルを矢印で表現してきました。

ここからはもう一つの表現方法について考えてみましょう。

そこで考えるのが、やはり「座標平面(座標空間)」です。

数学で扱っていく上で、座標上に表すことによって計算がしやすくなることが多いため、至極当然だと言えます。

では早速見ていきましょう。

↓↓↓

今、座標平面で考えているということは、つまり $2$ 次元であると言えます。

よって、$x$ 方向と $y$ 方向の $2$ つの向きが存在しているので、基本ベクトル $\vec{e_1}$、$\vec{e_2}$ をそれぞれ$$\vec{e_1}=(1,0)$$$$\vec{e_2}=(0,1)$$と定義します。
※基本ベクトルというのは、各座標軸の正の方向に向かう、大きさが $1$ のベクトル(単位ベクトル)である。

ここで、ちゃっかり成分表示をしているのですが、もうお分かりですかね?

つまり、原点Oを始点としたとき、終点の座標でベクトルを表すことを“ベクトルの成分表示”と呼びます。

なので、$$\vec{a}=(3,2)$$と表すことができますし、また$$\vec{a}=3\vec{e_1}+2\vec{e_2}$$と基本ベクトルの和で表すこともできます。

もう一つ注意していただきたい点は、平行移動してもベクトルは変わらないので、単に「座標=ベクトルの成分表示」としてはいけないということですかね。

以上ここまでがベクトルの成分表示の定義でした。

今 $2$ 次元で話を進めましたが、これが $3$ 次元になろうが $n$ 次元になろうが基本は同じであるととらえてください。

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では次に、ベクトルの足し算・引き算・実数倍をベクトルの成分表示で考えるとどうなるのか、まとめます。

↓↓↓

【ベクトルの和・差・実数倍の成分表示】
$(a_1,a_2)+(b_1,b_2)=(a_1+b_1,a_2+b_2)$
$(a_1,a_2)-(b_1,b_2)=(a_1-b_1,a_2-b_2)$
$k(a_1,a_2)=(ka_1,ka_2)$

それぞれの成分で計算をすればよいだけなので、特筆すべき点はないです。

また、先ほどもお伝えした通り、座標空間になってもこの事実は変わらないので、空間だからと言って身構えなくてOKです!

ベクトルの意味や使い方【簡単に】

ここまで、主にベクトルの定義について詳しく見てきました。

ここからは、ベクトルを用いることでどんな良いことが起きるのか、その意味や使い方について、いろんな立場から簡単に見てみましょう。

物理学

たとえばこんな問題があります。

こういった問題は中学理科でも出てきます。

見てわかる通り、実は皆さん、ベクトルの合成や分解は中学校ですでにやってるんですね!

実際、高校物理のレベルであれば、ベクトルの知識は「ベクトルの合成と分解」や「ベクトルの和」だけで事足りてしまうとは思いますが、それ以上の高度な物理学(特に力学)になると、例えばそこに微分積分が絡んできたり、位置の変化をベクトルで表し、その上でベクトル方程式を立てたり、様々なアプローチが必要になってきます。

ですから、今のうちに $2$ 次元と $3$ 次元のベクトルで分かっていることは扱っていきましょう、という流れになるわけです。

数学

今、$2$ 次元と $3$ 次元について勉強しましょう、と言いました。

これはつまり「図形的にイメージできる範囲の次元」ですね。

しかし、ベクトルというのは $n$ 次元まで定義できるので、何も図形的な意味を持つものだけでもありません。

例えば、「たて・よこ・高さ・温度という $4$ つの項目からなるベクトルだって作ることができます。

このように、ベクトルという学問を発展させ、他分野に応用するには $n$ 次元でのベクトルを考える必要があり、そこまでいくと「線形代数」という名前に変わります。

ベクトルが単なる矢印では表せなくなってくるのですね。

よって、高校で習うベクトルの内容は、「図形的に考えることのできる範囲」でベクトルを扱えるようになるための勉強だと思ってください。

話をまとめると、「ベクトルって何に応用されているの…?」という問いには、「大学で線形代数を勉強したらわかるかもね!」と答えるしかありません。

しかし、たとえば図形をベクトル方程式で表すことができたり、点と直線の距離の公式をベクトルを用いて証明できたり、高校数学の範囲でも活躍することは間違いありません。

⇒参考1.「ベクトル方程式とは?円や存在範囲の問題の解き方などを超わかりやすく解説!

⇒参考2.「点と直線の距離の公式とは?3次元やベクトルを用いた証明も解説!【阪大入試問題】

当然ですが、すべての図形にベクトルは応用できますし、今まで「大きさ」しか扱ってこなかったところに「向き」が加わるのですから、より高度な議論ができる、というわけです。

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日常会話

最後に日常会話で出てくる「ベクトル」についてお話しましょう。

よくバンドなんかで解散理由として挙げられるものに「方向性の違い」がありますよね。

こう言ったケースは、メンバーのやりたいことが違うというだけで、音楽に対する熱量は皆ほぼ等しいと考えられます。

しかし、その熱量さえ違う場合はどうしましょうか。

そういう場合に「方向性の違い」と言うのは、明らかに不十分ですよね。

そんな時に活躍するのが「ベクトル」です!

ベクトルというのは「大きさと向きを持つ量」でしたね^^

よって、向きだけでなく熱量などの大きさも違うようなケースでは、「メンバー間のベクトルの違い」と表現するのが正しいのではないでしょうか。

実際日常会話で「ベクトル」を使われている方をたまに見かけますが、大きさと向き両方の意味を含んで使われている方もいますし、単に向きという意味で使われている方もいます。

しかし、後者であれば「方向性」と表現すればいいですし、その方が正確なので、わざわざ数学用語を使う必要はありませんね。

ベクトルは、同時に $2$ つの意味を含んでいるので便利な言葉ですが、意味をしっかりと理解し、正しく使っていきたいですね!

ベクトルに関するまとめ

今日はベクトルの導入部分である

  • ベクトルの合成と分解に必要な、足し算と引き算の定義
  • ベクトルの成分表示

この $2$ つについて詳しく見てきました。

なんとなくベクトルのイメージを掴めていただけたのなら幸いです^^

次に読んでほしい「ベクトルの内積」についての記事はこちらから!!

↓↓↓

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以上、ウチダショウマでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!

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