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帰納法と演繹法とは?豊富な具体例を通してわかりやすく解説!【数学】【意味の違い・読み方覚え方】

こんにちは、ウチダです。

突然ですが、皆さんは

帰納法(きのうほう)・演繹法(えんえきほう)

という言葉をご存じでしょうか。

よく「数学は演繹の学問だ」とか「科学は帰納の学問だ」とか言われることが多いです。

しかし…これら二つはある意味で正しく、そしてある意味では間違っています。

そこで、今日は推論の基本である「帰納法」と「演繹法」の違いや様々な具体例などを、図解を通してわかりやすく解説していきたいと思います。

帰納法と演繹法の違いとは【推論の基本】

まず推論とは、「未知の事柄に対し、すでにわかっている事実を用いて予想し、論じること」を指します。

たとえば…

  • この匂いは…今日の晩飯は肉じゃがに違いない!
  • この勢いは…Official髭〇dismはほぼ確実に紅白に出るだろう!
  • 今日は早めに寝よう。(ゆっくり休まないと風邪を引くと思った。)

など、実は意外と身近なものばかりです。

というのも、人間は一日約 $9000$ もの選択をすると言われています。

つまり、皆さんも知らず知らずのうちに、めちゃくちゃ推論しているということになりますね。

さて、ここで予想の材料となっている背景について見てみると…

  • 今までたくさん肉じゃがの匂いを嗅いできたこと
  • 売れる→紅白の鉄則(一部例外アリ)
  • 今までの経験や直感

と、まさに三者三様ですよね。

つまり、推論をする際に用いる「すでにわかっている事実(既知の事実)」の種類によって大きく $2$ つに分類したもの。

それが“帰納法”“演繹法”です。

では、いよいよ言葉の定義や具体例について考察していきましょう。

帰納法とその具体例

帰納法とは、「複数の特殊的な事例から一般的な法則を見出そうとする論理的推論方法」のことを指します。

これだけではわかりづらいかと思いますので、図をご覧ください。

↓↓↓

【覚え方】独立した結果たちが、ある法則に帰っているイメージです。

例えば、自分の体調について調査した結果

1日目:体調がすぐれていた(結果A)
2日目:体調がよくなかった(結果B)
3日目:体調があまりよくなかった(結果C)
4日目:体調が万全だった(結果D)
5日目:体調がよかった(結果E)

というデータが得られたとしましょう。

このままでは、結果A~結果Eは独立的なデータでしかなく、「なぜこのような結果が得られたのか」論じることは難しいでしょう。

そこで、実は0日目~4日目の睡眠状況も記録していました。

0日目の夜:睡眠時間8時間
1日目の夜:睡眠時間6時間
2日目の夜:睡眠時間5時間
3日目の夜:睡眠時間9時間
4日目の夜:睡眠時間7時間

注意深く見てみると、”前日の睡眠時間”と”次の日の体調”の二つには、ある相関関係が成り立ちそうではありませんか?

そうです、ここから推論できる法則Aとは

法則A:前日の睡眠時間が長ければ長いほど、次の日の体調が良くなる

となりますね。

今見た”睡眠時間と体調の関係”のように、「法則をこのように定めればうまく説明がいく」という発想で考える帰納法のことを“アブダクション(仮説形成)”と言います。

特に、心理学のような臨床科学などに応用されています。

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せっかくなので他の例も見てみましょう。

【その他の帰納法の例】

①犬Aは「ワンワン」と吠える。

→犬Bも「ワンワン」、犬Cも「ワンワン」と吠える。

→すべての犬は「ワンワン」と吠えるのではないか?

帰納法と言ったら上記のようなもののみを示す場合もあります。

この例のように、「膨大なデータ量からすべてに共通するものを見つける」帰納法のことを“枚挙的帰納法(狭義の帰納法)”と言います。

帰納法のメリット・デメリットについては後述しますが、何に対しても枚挙的帰納法で考えることは、かなり危険な気がしますよね(^_^;)

②イチローは毎日コツコツ努力して成功した

→大谷翔平もイチローのように、毎日コツコツ努力して成功した

→毎日コツコツ努力すれば、必ず成功できるのではないか?

この例のように、「本質的な類似点があることを根拠にして、その類似点を満たせば同じ性質を持つだろう」と推論する帰納法を“アナロジー(類推)”と言います。

以上、帰納法を $3$ つに細分化して、それぞれの具体例を見てきました。

次の章では、帰納法のメリット・デメリットについて考えていきましょう。

帰納法のメリット・デメリット

まずはメリットについて考えます。

【メリット】

①多くの人に伝わりやすい。

→人間には「共感性」「論理性」「創造性」の $3$ つの要素があり、その中でも「共感性」が高い人が多いです。

人が話に共感するとき、それは大抵「経験談」ではないでしょうか。

つまり、経験などから一般化していく手法である帰納法は、多くの人に伝わりやすいと言えるでしょう。

②新たな発見が生まれやすい。

→学問が進化するとき、ゆっくりとした発展ではなく急速な発展である場合が多いです。

たとえば、AIが飛躍的に進化したのは、カナダのトロント大学が「ディープラーニング」の技術を発明したからだと言われています。

何をしたのか簡単に説明すると、人間の脳に近づけるためにあえて情報をシャットアウトする「ドロップアウト」という技術を発明したのです。

それまでは過学習の問題を解決できず、人間とコンピュータの脳構造は遠いものでした。

しかし、このドロップアウトの技術によって、過学習を解消し、コンピュータの脳が人間の脳に一気に近づいたのです!

このような天才的な発想は「こうすれば上手くいくのではないか…?」という適切な予想からでしか生まれません。(≒アブダクション)

③必要な材料が多い

→これは一見するとデメリットのようにも見えますが、私はメリットであると考えています。

なぜなら、考える材料が多いほど、それらを整理できたときに達成感を感じやすく、自己肯定感の向上につながりやすいからです。

人間は、想像以上に物事を帰納法で考えています。

つまり、その考え方が上手であれば、人を説得することもできますし、自分に自信を持つことができます。

③については、僕個人の考えであったり、①②と本質的に似ている部分があったりするので、参考程度にしていただければと思います。

さて、ここまではメリットについて考えてきました。

では、帰納法のデメリットとは、いったいどんなものがあるのでしょうか。

【デメリット】

①不適切な一般化を招きやすい。

→一番は文句なしにこれだと思います。

たとえば枚挙的帰納法を用いて、「キノコAは美味しい」「キノコBも美味しい」…「すべてのキノコは美味しい!」と結論付けたら、かなりマズいですよね。

このように、情報量が足りていない状況で帰納法を用いてしまうと、間違った結論を導きやすいです。

ここだけは注意しましょう。

②他の要素が複雑に絡まっている場合が多い。

→①と非常に似ていますが解説します。

たとえば、さきほど「イチローと大谷翔平」から共通した要素を取り出して、結論付けをしましたよね。

「コツコツ努力すれば成功する」という結論は、ほとんど例外なく正しいと考えられます。

では、「コツコツ努力すればプロ野球選手になれる」だとどうでしょう。

この結論の場合、多くの人が間違っていると感じるのではないでしょうか。

だって、プロ野球選手になるには…

  • 適切な環境
  • 遺伝
  • 筋肉量
  • 才能

色んな要素があるため、一概に「これが必要だ!」とは言えないですよね(^_^;)

私が考えるに、このデメリットが一番大きく働いてしまっているもの。

それは「自己啓発セミナー」です。

…これに関しては、別にすべてを否定しているわけではありません!

あくまで一例ですが、たとえば、「私は若い頃借金をたくさん抱えていたが、その頃のハングリー精神があったから成功したんだ!」という自己啓発をする人がいたとします。

これを鵜呑みにし、「そうか…借金をして踏ん張ればいいんだ!」と考えるのは、あまりにも危険ですよね。

このように、成功談というのは特定の個人にしか当てはまらない場合も多くあります。

ですので、よく「失敗談を聞け」という言葉を耳にしますよね。

つまり、この言葉の真意は、「失敗する人の共通点を学ぶ方が成長につながる」ということです。

私は、「科学的に正しいと証明された論拠のある自己啓発」は非常にいいものだと思いますが、「ただ自分の経験のみを過度に一般化した自己啓発」は非常に危険であると思います。

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以上が、私が考える帰納法のメリット・デメリットです。

では次に、演繹法についても同じように見ていきましょう。

演繹法とその具体例

演繹法とは、「一般的な前提から、より特殊的な結論を得る論理的推論」のことを指します。

帰納法とは真逆の考え方ですね。

これも図解していきます。

↓↓↓

たとえば自然界の法則として、「地球は一年で太陽の周りを一周する」ということは誰でも知っていますね。

これを適用すると…

2017年:たしかに一周しました。(結果A)
2018年:たしかに一周しました。(結果B)
2019年:たしかに一周しました。(結果C)
2020年:絶対一周するでしょう。

という結果が得られます。

このように、「前提さえ正しければ、結論は必ず正しい」ことに基づく推論方法を「演繹法」と言うのです。

また、演繹法の代表例としてよく挙げられるのが「3段論法」です。

こちらの方が有名ですね。

【3段論法の例】

①「人は必ず死ぬ。」(大前提)

→「ソクラテスは人である。」(小前提)

→「つまり、ソクラテスは必ず死ぬ。」(結論)

3段論法を語るうえで必ずと言っていいほど出てくる例です。

数学的に言うと、

\begin{align}「AならばB」 かつ 「BならばC」 ⇒ 「AならばC」\end{align}

※この十分条件は横にスクロールできます。(スマホでご覧の方対象。)

ですね。

「なぜこの例が取り上げられるのか」について、私が考えるに、当時ソクラテスは神にも近い存在として人々に認識されていました。

そこで人々は思ったわけです。「ソクラテスって、本当に死ぬの?」と。

先ほど例に挙げた「地球が太陽の周りをぐるぐる回っている」というのも、今となっては常識ですが、昔は「天動説派」と「地動説派」で分かれていましたよね。

このように、演繹法による推論は正しいか正しくないかハッキリすることがほとんどです。

つまり、論理的推論としては非常に優秀であると言えるでしょう。

②「私は人間である。」

→「よって、私の手は人間の手である。」

これも演繹的推論です。

「私は人間」という前提が正しいから、「私の手は人間の手」という結論が導き出せるのですよね。

このように、演繹的推論にも直感みたいなものが働く場合もあります。

例えば、法律で「万引きをしたものは、~以下の罰金または~に処す。」とあります。

ここから、「万引きは、やってはいけないことだ。」と推論できるのも、演繹的ではありますが直感的でもありますよね。

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さて、演繹法についての理解は深まりましたか。

では次に、演繹法のメリット・デメリットについて考えていきましょう。

演繹法のメリット・デメリット

まずはメリットからです。

【メリット】

①前提が健全であれば、結論の真偽は揺るがない。

→これが最大のメリットであり、「数学が演繹の学問だ」と言われる所以です。

例えば、斜辺が $a$、底辺が $b$、高さが $c$  の直角三角形において、$$a^2=b^2+c^2$$が成り立つのはあまりにも有名です。

これは“ピタゴラスの定理(三平方の定理)”と呼ばれています。

≫参考記事:三平方の定理とは?【応用問題パターンまとめ10選】

自然科学では、多少の例外が存在するため、結論が揺らぐこともありますよね。

例えば、多くの人にとって睡眠は十分に必要です。

ですが、ごく少数の人間は「ショートスリーパー」と言い、そこまで睡眠をとらなくても本来のパフォーマンスが発揮できます。
※しかし、私の読んだ本によると”マジでごく少数”らしく、この記事を読んでいる方がショートスリーパーである確率は極めて $0$ に近いでしょう。

では、ピタゴラスの定理の場合どうでしょうか。

「あれ…?この直角三角形ではピタゴラスの定理が成り立たない…!」なんてないですよね。(笑)

「今日は調子が悪いから、ピタゴラスの定理使えないや…」そんなことも絶対ないです。

正弦定理余弦定理因数分解の方法平方完成の方法

数え上げればキリがありませんが、数学的事実は一度証明されれば未来永劫正しいです。

このように、演繹法によって導かれた結論は至極論理的であるため、くつがえることはほぼほぼありません。

これを最大のメリットと言わずにはいられませんね。

細かく言えば他にも様々なメリットがあります。

ですが、この最大のメリットである「結論が揺らがないこと」がかすんでしまう恐れがあるため、メリットはここまでにします。

次にデメリットについて見ていきましょう。

【デメリット】

①人に嫌われやすい。

→これは帰納法の逆ですね。

つまり、演繹法というのはめちゃくちゃ論理的であるため、演繹法ばっかり使っていると「あの人面倒くさい」と感じられてしまうわけです。

僕みたいな論理人間は、こういう話大好きなんですけどね…

②因果関係と相関関係を見誤ると大変なことになる。

→ここはぜひとも押さえておきたい!

【因果関係と相関関係の定義】
因果関係…原因が起きたとき、必ず結果が起きるような関係。
相関関係…一方が増えたとき、もう一方も増える傾向にある関係。

わかりやすい例を一つ上げます。

「交番の数が多いほど、犯罪件数は多くなる。」

これだけ見ると間違っているようにも見えますが、データ上この仮説は正しいです。

しかしです。

これって、本当に正しい因果関係でしょうか…?

まず一つは、原因と結果が逆であることが考えられます。

つまり、「犯罪件数が多くなればなるほど、警官を多く配置する必要が出てくるから、交番の数が増えるのでは!?」ということです。

もう一つは、実はここに因果関係はない、という考え方です。

つまり、「これは単なる人口の問題であって、人口が多ければ犯罪も交番も増えるでしょう。」という考え方ですね。

実際、何が真実かはわかりません。

ただ、この仮説を因果関係だと誤解し、

「犯罪件数を減らすためには、交番を減らせばいいんだ…!!」

そう考えてしまうことが危険であることは、ご理解いただけたでしょうか。

このように、単なる相関関係を因果関係と誤認してしまうことは意外とよくあります。

皆さんも注意してくださいね^^

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数学と帰納法・演繹法

ここからは、私の見解を多分に含み、数学との関係を明らかにしていきます。

帰納法と演繹法の使い分け

帰納法と演繹法それぞれの理解は深まりましたね。

では、「理解はできたけどどうやって使い分ければいいの…?」という方のために、私なりの見解を述べたいと思います。

今までまとめてきたメリットを上手く生かすには…

帰納法…新発想や新事実を生むために用いる
演繹法…ゴールにたどり着くために用いる

これが一番いいのではないか、と私は考えます。

そして、それらが上手く組み合わさったものが「学問」であり、学問の中でもこれが一番わかりやすいのが「数学」なのです!

二つ例を出しましょう。

数学界を約 $300$ 年にわたって悩ませ続けた大問題「フェルマーの最終定理」はご存じでしょうか。

「$3$ 以上の自然数 $n$ について、$$x^n+y^n=z^n$$となる自然数の組 $(x,y,z)$ は存在しない。」

という、ものすごくシンプルな定理です。

これを提唱したフェルマーはこんな言葉を残してこの世を去りました。

↓↓↓

この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。
Wikipediaより引用

これは私の予想ですが、「実はフェルマーは証明を見つけておらず、ハッタリをかけることで、未来の数学者たちをこの問題に挑ませたのではないか」と思っています。

では、フェルマーはいかにしてこの定理を思いついたのでしょうか。

それを考えたとき、答えは「帰納法」しかありません。

つまり、$x$、$y$ に様々な自然数を代入してみたところ、

「もしや、自然数 $z$ は存在しないのではないか!?」

と、枚挙的帰納法によって予想するしかないのです。

演繹法による推論だけでは、何年かかってもこの定理が発見されることはなかったでしょう。

「フェルマーの最終定理」に関する詳しい解説はこちらから!!

⇒⇒⇒フェルマーの最終定理とは?証明の論文の理解のために超わかりやすく解説!

もう一つの例。

それは数学の大天才オイラーが解決した「バーゼル問題」です。

↓↓↓

$$\sum_{n=1}^{\infty}\frac{1}{n^2}=1+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{3^2}+…=\frac{{\pi}^2}{6}$$

左辺は「平方数の逆数の和」なのに、右辺は「円周率の $2$ 乗」が出てくる…。

オイラーは、この問題に対して様々なアプローチを試みました。

そこで、$1.64493$ という数が現れた際、

「これは…円周率の $2$ 乗を $6$ で割った数に違いない!」

そう予想し、この問題は解かれたと言われています。
⇒参考.空間情報クラブさん

「$1.64493$ の数字を見ただけで本当に予想なんてできるのか」と疑いたくもなります。

しかし、オイラーは幼少の頃から対数表を暗記していたという逸話も実在します。

あながち、嘘であるとは言い切れませんね(^_^;)

「バーゼル問題」に関する詳しい解説はこちらから!!

⇒⇒⇒バーゼル問題とは?東工大入試にも出てきた問題を証明!【円周率に収束】

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以上二つの例で見たように、天才による発見のスタートはいつでも“帰納法”です。

ここで、「自分は天才じゃないから帰納法は関係ないや」とは絶対に思わないでいただきたいのです。

ようは「自分はまだ理解していないけど、多くの結果から多分こうなんだろうな」と予想するプロセスそのものが重要なのです。

そのプロセスを踏むか踏まないか、ここで大きな差が生まれてきます。

よく数学をあまり得意としない方の発想として

「問題が解ければそれでいい。」

というものがあります。

ハッキリ言います。

その発想が貴方から数学力を奪っているのです!もったいない!!

世間にとっては既知の事実であっても、あなたにとって未知の事柄であれば、それは帰納法によって予想することができます。

また、そうして予想した事実に対する証明も演繹法によって考えていくことができます。

数学的な発見が多くなされた現代においても、帰納法と演繹法のプロセスは正しく踏むことができるのです。

一度図解してまとめておきます。

↓↓↓

これを踏まえた私なりのオススメの勉強法。

それは、「先生が授業している内容の”ちょっと先”を予想してみる」ことです。

私自身、高校での数学の授業はそんなに聞いていませんでした。

「とにかく自分で考えることに注力し、わからないところはしっかり聞く」というスタイルで授業を受けていました。

あまり大きな声では言えないことですが、今となっては正しかったんだと感じています。

そしてちょっと先を予想できたら、ぜひ自分の手で一度証明してみて下さい^^

そうすることで、帰納と演繹のプロセスを自然と踏むことができるようになると思いますよ♪

授業の受け方を少しでも意識してみることで、あなたの潜在的能力が顔を出し、学力が急速に成長することだってあります。

「あなた自身が、あなたの能力に気づけていないだけ」ということは往々にしてあります。

あなたの数学ライフを応援しています!!

数学的帰納法って、本当は「演繹法」なの?<コラム>

この章では、コラム的な内容をお話していきます。

数学B「数列」で学ぶ“数学的帰納法”と呼ばれる証明方法があります。

実はこの数学的帰納法は、演繹法による推論であることをご存じでしょうか。

数学的帰納法の仕組みは以下の通りです。

  • $n=1$ のとき成り立つことを示す。(スタート)
  • $n=k$ のとき成り立つと仮定したとき、$n=k+1$  のとき成り立つことを示す。

よく「ドミノ」や「前ならえ」に例えられますよね。

ここで、この $n=1,2,3,4,…$ と確認していく作業が、結果を集めて法則を見出す帰納法と非常に似ていませんか?

つまり、数学的帰納法は見かけ上帰納法と思われる作業を含んでいるということです。

もう一つ、わかりやすい例を挙げましょう。

↓↓↓

問題. $$a_1=1 , a_{n+1}=\frac{a_n}{2a_n+1}$$で表される数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。

これは数学的帰納法を用いる数列の代表的な問題です。

ここで、定義から $a_2,a_3,a_4$ あたりまで確認してみます。

すると、$$a_2=\frac{a_1}{2a_1+1}=\frac{1}{3}$$

$$a_3=\frac{a_2}{2a_2+1}=\frac{1}{5}$$

$$a_4=\frac{a_3}{2a_3+1}=\frac{1}{7}$$

…ここから何か気づくことはありませんか。

そうです、$$a_n=\frac{1}{2n-1}$$の形になってますよね!

このように、「いくつかの項を求めて一般項を予想し、数学的帰納法によって証明する」という流れは鉄板です。

このプロセス自体は、複数の結果から予想しているため、正しく帰納法そのものですね。

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ここまでで、数学的帰納法が“見かけ上”帰納法に似ていることは理解できましたね。

では最後に、数学的帰納法が演繹法である理由を考えてみましょう。

これは数学的帰納法の仕組みについて深く理解する必要があります。

簡単に説明すると、数学的帰納法は自然数の論理構造(ペアノの公理)そのものであるからです。

論理構造そのものであるならば、それを用いた推論は演繹的ですよね。

帰納法と演繹法のまとめ

帰納法と演繹法について、図で簡単にまとめました。

↓↓↓

双方にメリット・デメリットが存在するので、目次2-1「帰納法と演繹法の使い分け」で見たように、自分の中で適切に使い分けられるようになるといいですね。

この記事で見てきたように、帰納法と演繹法は「論理的推論」です。

この論理的思考のことを、英語でロジカルシンキング、日本語で垂直思考と呼ぶこともあります。

「なぜ垂直なのか」これは、論理を掘り進めているイメージ。

つまり、狭く深くの考え方によるものです。

ということは、幅を広げる思考法も存在するはずですよね。

その思考法を、垂直思考に対して水平思考(ラテラルシンキング)と言います。

よって、思考法が優れている人の多くは、垂直思考だけでなく、水平思考(ラテラルシンキング)も得意です。

ここで、数学は垂直思考だけでなく、なんと水平思考を鍛えるのにもうってつけな学問なんですね^^

多くの著名人が、数学の勉強を一番に勧めるのも、こういう特徴が存在するからです。

水平思考に関する詳しい解説はこちらから!!

⇒⇒⇒(後日書きます。)

以上、ウチダでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!

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コメント一覧 (1件)

  •  ≪…「未知の事柄に対し、すでにわかっている事実を用いて予想し、論じること」…≫で直交座標の横軸を実数直線とし、その上に整数を落とし込む。
     すでにわかっている事実を『自然比矩形』のなかに組み込まれた等式のある風景に着目すると実数直線上に整数が・・・
      e-1 ⇒ e   n‐1 ⇒ n  

      ただし n=0  ⇒  -1(i²=-1) とする。
       i²=-1 は、進み行く自然数を『自然比矩形』が、計算して正方形(1×1)の裏  (根(平方))の世界を i²=-1 としている。

     ≪…幅を広げる思考法も存在するはずですよね。その思考法を、垂直思考に対して水平思考(ラテラルシンキング)…≫で、数学からの送りモノとしての自然数を[数学的帰納法]の水平思考を『図形的帰納法』とでも言うのですかねぇ~

     

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