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二等辺三角形の定義・角度の性質を使った証明問題などを解説!

こんにちは、ウチダです。

今日は、中学2年生で詳しく学ぶ

「二等辺三角形」

について、まずは定義から入り、次に角度に関する重要な性質を証明し、最後にその性質を使った証明問題にチャレンジしていきます。

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目次

二等辺三角形の定義とは

二等辺三角形とは、読んで字のごとく$2$ つの辺の長さが等しい三角形のことを指します。

たとえば以下のような三角形です。

②のように、一つの角が直角である二等辺三角形を“直角二等辺三角形”、③のように、すべての辺の長さおよび角が等しい三角形を“正三角形”といい、どれも二等辺三角形の仲間です。

①は一般的な二等辺三角形です。

さて、②③で見たように、どうやら角度に対しても考えていく必要があるようです。

次の章で、二等辺三角形の角度に関して成り立つ重要な性質を見ていきます。

二等辺三角形の性質【重要】

【二等辺三角形の性質1】
二等辺三角形であれば、二つの底角は等しい。

ここで登場した底角(ていかく)とは、以下の角のことを指します。

底辺の両端にできる角度だから底角、それに対して、もう一つの角度は”頂点”からとって「頂角(ちょうかく)」と呼びます。

さて、この性質から、たとえば以下のような問題を解くことができます。

問題. $AB=AC , ∠A=40°$ である $△ABC$ において、$∠B$ の大きさを求めよ。

【解答】

三角形の内角の和は $180°$ より、

\begin{align}∠B+∠C&=180°-∠A\\&=180°-40°\\&=140°\end{align}

ここで、$AB=AC$ より、$△ABC$ は二等辺三角形であるから、$$∠B=∠C$$

したがって、$$2×∠B=140°$$ より、$$∠B=70°$$

(解答終了)

簡単に求めることができましたね!

ちなみに、「なぜ三角形の内角の和が $180°$ になるか」はこちらの記事で詳しく解説しております。

関連記事
三角形の内角の和は180度って証明できるの?【三角形の外角の定理(公式)や問題アリ】

では、この性質を証明するにはどうすればよいか、考えていきましょう。

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「辺の長さ⇒角度」の証明

まず、$∠A$ の角の二等分線を書いてみましょう。

ここで、$∠A$ の二等分線と辺 $BC$ の交点を $D$ と置きます。

すると、$△ABD$ と $△ACD$ において、

$$AD は共通 ……①$$

仮定より、$$AB=AC ……②$$

角の二等分線より、$$∠BAD=∠CAD ……③$$

①~③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、$$△ABD≡△ACD$$が示せました。

この合同が示されたことがとても大きい事実です。

つまり、合同な図形の対応する角は等しいため、$$∠ABD=∠ACD$$

と、性質1「 $2$ つの底角が等しい」が簡単に証明できる、というわけです。

また、これ以外にも、たとえば$$BD=CD$$がわかったり、$∠ADB=∠ADC$ かつ $∠ADB+∠ADC=180°$ より、$$∠ADB=∠ADC=90°$$がわかったりします。

以上、判明した事実を図にまとめておきます。

↓↓↓

$2.$ を要約すると、「頂角の二等分線は中線でもあり、垂線でもあり、また底辺 $BC$ の垂直二等分線でもある」ということになります。

ここまで色々な直線が一致することから、二等辺三角形は重要度の高い図形であると言えます。

さて、少し話がそれましたので戻します。

今「二等辺三角形ならば底角が等しい。」を示しました。

しかし、実はこの逆底角が等しければ二等辺三角形である。もまた正しいのです。

次の章で明らかにしていきます。

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「角度⇒辺の長さ」の証明

今から示す事実を、性質2とします。

【二等辺三角形の性質2】
二つの底角が等しければ、二等辺三角形である。

ではこの性質も、先ほどと同じように導いてみましょう。

【証明】

さっきと同様に、$∠A$ の二等分線を引いてみる。

ここで、$△ABD$ と $△ACD$ において、

$$AD は共通 ……①$$

角の二等分線より、$$∠BAD=∠CAD ……②$$

三角形の内角の和は $180°$ より、

\begin{align}∠ADB&=180°-(∠ABD+∠BAD)\\&=180°-(∠ACD+∠CAD)\\&=∠ADC ……③\end{align}

※仮定 $∠ABD=∠ACD$ と②を用いました。

①~③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、$$△ABD≡△ACD$$

したがって、合同な図形の対応する辺は等しいため、$$AB=AC$$

(証明終了)

つまり、ここからわかることは…

「 $2$ つの辺の長さが等しい」と「 $2$ つの角の大きさが等しい」は同じこととして扱って良し!!

ということになります。

高校数学の言葉を借りれば、これらは必要十分条件(同値)であると言えます。

関連記事

必要十分条件とは?例題・証明・矢印の向きの覚え方をわかりやすく解説!

中学生の皆さんは、とりあえず二等辺三角形と言われたら

  • $2$ つの辺の長さが等しい
  • $2$ つの底角の大きさが等しい

以上 $2$ つが、パッと頭に思い浮かぶようにしておきましょう♪

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二等辺三角形の性質に関する問題3選

ではいつも通り、インプットの作業の後にはアウトプットをしていきます。

さまざまな応用問題を解いていくことで、知識を確実に定着させていきましょう!

具体的には

  • 角度を求める応用問題
  • 二等辺三角形の性質を使った証明問題
  • 二等辺三角形であることの証明問題

以上 $3$ 問を、上から順に解説していきます。

角度を求める応用問題

問題. $AB=AC=CD$、$∠BAC=20°$ であるとき、$∠ADB$ を求めよ。

特に狙われやすいのが、このような二等辺三角形が複数個ある問題です。

ただ、応用問題であるからには、基礎の積み重ねでしかありません!

今まで学んできた知識を一個一個丁寧に当てはめていきましょう♪

【解答】

$△ABC$ が二等辺三角形であることから、$$∠ABC=∠ACB$$

ここで、$∠BAC=20°$ より、

\begin{align}∠ABC=∠ACB&=160°÷2\\&=80°\end{align}

また、三角形の外角の定理より、

\begin{align}∠ACD&=∠BAC+∠ABC\\&=20°+80°\\&=100°\end{align}

$△ACD$ も二等辺三角形であることから、$$∠CAD=∠CDA$$

ここで、$∠ACD=100°$ より、$$∠CDA=80°÷2=40°$$

よって、$$∠ADB=40°$$

(解答終了)

二等辺三角形が二つできることから、「底角が等しい」という事実を二回使えば問題が解けます。

$∠ACD$ を求める際に使った「三角形の外角の定理」については、以下の関連記事をご覧ください。

関連記事

三角形の内角の和は180度って証明できるの?【三角形の外角の定理(公式)や問題アリ】

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二等辺三角形の性質を使った証明問題

問題. 下の図で、$∠ABC=∠ACB , AD=AE$であるとき、$∠ABE=∠ACD$ を示せ。

この問題の場合、$∠ABC=∠ACB$ をどう使うかがポイントとなってきます。

【証明】

$△ABE$ と $△ACD$ において、

$∠ABC=∠ACB$ より、$△ABC$ は二等辺三角形であるから、$$AB=AC ……①$$

仮定より、$$AE=AD ……②$$

また、$∠A$ は共通している。つまり、$$∠BAE=∠CAD ……③$$

①~③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから、$$△ABE ≡ △ACD$$

したがって、合同な三角形の対応する角は等しいから、$$∠ABE=∠ACD$$

(証明終了)

このように、“二等辺三角形の性質2”は三角形の合同の証明などでよく応用されます。

「 $2$ つの底角が等しい」から「 $2$ つの辺が等しい」であることを用いて、①の条件を導いてますね^^

ちなみに、「三角形の合同条件」に関する以下の記事で、ほぼ同じ問題を扱っています。

関連記事

三角形の合同条件はなぜ3つ?証明問題をわかりやすく解説!【相似条件との違い】

二等辺三角形であることの証明問題

問題. 下の図で、直線 $AD$ が $∠A$ の二等分線かつ $AD // EC$ であるとき、$△ACE$ が二等辺三角形であることを示せ。

「二等辺三角形であることを示す」ということは、$AC=AE$ を導くのかな…?と一旦は考えます。

ただ、この問題では等しい角度や平行線しか与えられていないため、少し厳しそうですよね。

こういう場合においても、二等辺三角形の性質2が非常に役に立ちます。

【証明】

二等辺三角形の性質2より、$$∠ACE=∠AEC$$を示すことさえできれば、$△ACE$ が二等辺三角形であることが言える。(ゴールの明確化)

ここで、平行線と角の性質より、錯角は等しいため、$$∠DAC=∠ACE ……①$$

同位角は等しいため、$$∠DAB=∠AEC ……②$$

関連記事
錯角・同位角・対頂角の意味とは?平行線と角の性質をわかりやすく証明!【応用問題アリ】【中2数学】

また、直線 $AD$ が $∠A$ の二等分線であることから、$$∠DAC=∠DAB ……③$$

①~③より、$$∠ACE=∠AEC$$

したがって、二つの底角が等しいため、$△ACE$ は二等辺三角形である。

(証明終了)

やはり二等辺三角形が出てくる問題は、角の性質を使う場合がほとんどですね。

ちなみに、ここで示した事実$△ACE$ が二等辺三角形であるは、中3で習う「角の二等分線と比の定理」という重要な事実に結びついてきます。

↓↓↓

関連記事
角の二等分線と比の定理とは?作図方法(書き方)や性質の証明を解説!【外角の問題アリ】

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二等辺三角形に関するまとめ

今日は、二等辺三角形の角の性質について学習しました。

理解は深まりましたか?

三角形を構成する要素として

この $2$ つに関する知識はぜひ深めておきたいですね。

また、辺と角に対して勉強すると、自ずと“面積”もわかるようになってきます。

ぜひ、いろいろな知識を結びつけながら学習を進めていただければと思います。

「三角形の面積」に関する詳しい解説はこちらから!!

↓↓↓

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以上、ウチダでした。
それでは皆さん、よい数学Lifeを!!

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