こんにちは、ウチダです。
さて、二次関数の単元において、めちゃくちゃ頻出な問題があります。
それが、「二次関数の最大値・最小値(以下二次関数の最大最小と表現します)」を求める問題です。
関数も定義域も決まっている場合はそれほど難しくなく、二次関数のグラフを適切に書くことで答えがすぐにわかる問題ばかりです。
頂点の座標・軸の方程式・y軸との共有点
二次関数のグラフの応用問題2選(平行移動や対称移動・最大値最小値)
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。 「二次関数のグラフをなかなか上手く書けない…」と感じている方は必見です。
ただ、軸が動いたり、定義域が動いたり…。こういった問題に対応するためには、解き方のコツを事前に学んでおく必要があるでしょう。
解き方のコツ?場合分けがすごい苦手なんだけど、そんな僕でも解けるようになるのかな?
もちろん解けるようになれます!というより、これから解説する内容は「場合分けを上手く行うコツ」だと考えてもらってOKです!
よって本記事では、二次関数の最大最小を解く上で重要なコツ $2$ つを、応用問題 $6$ 問を通して
- 東北大学理学部数学科卒業
- 実用数学技能検定1級保持
- 高校教員→塾の教室長の経験あり
の僕がわかりやすく解説します。
【必見】二次関数の最大最小の解き方2つのコツとは?
二次関数の最大最小の問題を解く上で、必ず押さえておきたいコツはたったの $2$ つしかありません!
よく学校の授業で「こういう場合はこう考えよう」みたいに言われると思いますが、もうそれいらないです。
無視しちゃってください。
え!本当にたったこれだけ覚えておけば、あらゆる問題が解けるようになるんですか?
もちろん、このコツ $2$ つの使い方をマスターしなければ、難しい問題を解くことはできません。が、ほとんどの応用問題はこれで対応できます。
そもそも、二次関数の最大最小の問題で求められていることは「二次関数のグラフが正しく書けるか」だけではなく、
グラフの動きや定義域の変化を的確に追えるか
など、中々高度な内容なので、公式を暗記しようとする姿勢を疑うことから始めなければいけません。
むしろ、こういった応用問題の公式を覚えようとするから、頭の中が混乱するのでは?と僕は感じます。数学は”暗記”ではなく”理解”から始まる学問です。
では次の章から、解き方のコツ $2$ つを使って、応用問題を解いていきましょう!
二次関数の最大最小の応用問題3選
二次関数の最大最小の応用問題で、まず押さえておきたい $3$ パターンは以下の通りです。
- 定義域が広がるときの最大・最小
- 軸が動くときの最大・最小
- 区間が動くときの最大・最小
問題を通して、順に解説していきます。
定義域が広がるときの最大・最小
問1.二次関数 $y=2x^2-8x+5 \ ( \ 0≦x≦a \ )$ の最大値・最小値をそれぞれ求めなさい。ただし、$a>0$ とする。
さて、まずは定義域の一端が決まっていて、もう一端が変化する場合の最大最小です。
二次関数の最大最小は、どんな問題でもまずは「二次関数のグラフを正しく書く」ことが求められます。
本記事では、それはできると仮定して、その後を詰めていきますね。
この問題では、最大値でコツ①「二次関数は軸に関して線対称であること」,最小値でコツ②「軸と定義域の位置関係に着目すること」を使っています。
たしかに、コツ①と②を使ってその都度考えた方が、自分の力になりそうだね!
その通り!二次関数の最大最小では特に、求め方の公式を暗記するのはやめましょうね^^
軸が動くときの最大・最小
さて、残り $2$ つの応用パターンもほぼ同じ発想で解くことができますが、一度解いておかないと難しい問題ですので、この機会にマスターしておきましょう。
次に見るのは、「定義域は変化しないけどグラフ自体が変化する」バージョンです。
問2.二次関数 $y=x^2-2ax+2a^2-1$( $0≦x≦2$ ) の最大値・最小値をそれぞれ求めなさい。ただし、$a$ は実数とする。
この問題の場合、グラフは横( $x$ 軸)方向だけでなく縦( $y$ 軸)方向にも変化しますが、正直そこまで重要ではありません。
だって、解き方のコツ $2$ つの中に $y$ 軸方向に関すること、書かれてないですよね?
よって、問題を解くときに書く図も、「あれ? $y$ 軸、いらなくね?」となります。
詳しくは解答をどうぞ
場合分けがややこしいかもしれませんが、
- まずは最大値・最小値に分けて考える。
- 最大値の場合、解き方のコツ①を。最小値の場合、解き方のコツ②を使う。
- $a<0$(上に凸)な二次関数の場合、使うコツが逆になるので注意!
- 解答のように、一つにまとめる。
と焦らず落ち着いて解答すれば、ミスは格段に減ることでしょう。
区間が動くときの最大・最小
問3.二次関数 $y=-x^2-2x+1$( $a≦x≦a+4$ ) の最大値・最小値をそれぞれ求めなさい。ただし、$a$ は実数とする。
さて、必ず押さえておきたい応用問題3選の最後は、「グラフは変化しないけど定義域の区間が変化する」バージョンです。
ここでポイントなのが、定義域の区間は $(a+4)-a=4$ なので常に一定である、ということです。
あとは $a=-1<0$ なので、この二次関数は上に凸です。
これらに気を付けながら、解き方のコツ $2$ つを使って解いていきましょう。
以上、必ず押さえておきたい応用問題 $3$ 選でした。
本当にコツ $2$ つしか使いませんでしたね!頭の中がスッキリしました。
それはよかったです!場合分けが $4$ パターン(教科書によっては $5$ パターン)みたいに多いとそれだけで混乱しがちです。ぜひこれからも、解き方のコツ $2$ つを大切に、問題を解いていってください!
二次関数の最大最小の発展問題3選
ここからは、「できれば押さえておきたい問題3選」ということで、もう少し発展的な問題を解いていきます。
といっても、理解が難しいというよりかは(先ほどの応用問題3つよりは)珍しい、という感じの問題です。
具体的には
- 置き換えによる最大・最小
- 条件付き2変数関数の最大・最小
- 条件なし2変数関数の最大・最小
以上 $3$ 問を扱っていきます。
置き換えによる最大・最小
問4.関数 $y=(x^2-2x)^2+8(x^2-2x)+7$ の最小値を求めなさい。
まずは、どうやら $x^2-2x$ を何かの文字に置き換えれば上手くいく、そんな関数の最小値を求める問題です。
文字を置き換える問題にはとある注意点がありますので、そこに気を付けながら解答をご覧ください。
置き換えによる最大・最小の問題は、二次関数より三角関数でよく出てきます。
数学Ⅱを履修済みの方は、ぜひこちらの記事もあわせてご覧ください。
三角関数の最大・最小とは~(準備中)
条件付き2変数関数の最大・最小
問5.実数 $x$,$y$ の間に $x^2+y^2=9 …①$ という関係があるとき、$2x+y^2$ の最大値・最小値をそれぞれ求めなさい。
次は、条件が付けられている $2$ 変数関数の最大値・最小値を求める問題です。
「条件が付けられている」→「代入できる」なのですが、他にも $1$ つだけ注意点があるので、それが何なのか考えながら解答をご覧ください。
条件付きの $2$ 変数関数の最大・最小は、解答のように代入し、$1$ 変数関数に持っていけば解けます。
しかし、$(実数)^2≧0$ の条件は意外と見落としがちなので、そこには注意しましょう。
解答中に出てきた「二次不等式」の解き方は、こちらの記事をどうぞ
二次不等式の問題11選
ポイント「因数分解→解の公式→判別式D」
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。
「パターンがありすぎて、二次不等式が解けない…」と感じている方は必見です。
条件なし2変数関数の最大・最小
問6.実数 $x$,$y$ について、$z=-x^2+2xy-2y^2+2x+2y$ の最大値と、そのときの $x$,$y$ を求めなさい。
さて、次は条件のない $2$ 変数関数の最大値(・最小値)を求める問題です。
この問題のポイントは、「条件がない」つまり「 $x$ と $y$ の間には何の関係性もない」ということです。
これがポイントなんですか?
そうです。たとえば「 $x+y=3$ 」という条件があると、$x=2$ と一つ決めれば $y$ の値も $y=1$ と一つに定まります。しかし、今回の問題であれば、$x=2$ と決めても $y$ の値は定まりません。
また数学的には、$x$ と $y$ の間に何らかの関係性があるとき、「互いに従属(じゅうぞく)」といい、この問題のように $x$ と $y$ が無関係に値をとれるとき、「互いに独立(どくりつ)」と言います。
これらは、大学数学「線形代数」で詳しく学びますので、ここではスルーしておきます。
それでは、独立な $2$ 変数関数の最大・最小の解答を、早速見ていきましょう。
条件なし $2$ 変数関数の最大・最小を求める方法は
- 平方完成を利用する方法
- 判別式を利用する方法
- 偏微分(大学数学)を利用する方法
といろいろありますが、とりあえずこの時点では「平方完成」の方法を押さえておけばOKです。
≫参考記事:平方完成のやり方・公式とは?【練習問題4選でわかりやすく解説します】
一応関連記事を載せておきますが、正直難しい内容なので、興味のある方のみ読んでみてください。
判別式Dと二次関数のグラフの関係
判別式Dを用いる応用問題3選
これらについて、わかりやすく丁寧に解説します。
「判別式マスターになりたい!」と感じている方は必見です。
偏微分とは~(準備中)
二次関数の最大最小に関するまとめ
それでは最後に、本記事のポイントをまとめます。
- 二次関数の最大最小を解くコツは、たったの $2$ つ!
- 二次関数は軸に対して線対称である。
- 軸と定義域の位置関係に着目する。
- 必ず押さえておきたい応用問題は「定義域が広がる場合」「軸が動く場合」「区間が動く場合」の $3$ つ。
- 「平方完成」さえできれば、大体の問題は解けます。(逆に平方完成ができないと、ほとんどの問題が解けません…。)
二次関数の最大最小は、高校数学の中で最も重要な分野の一つでもあります。
ぜひ場合分けが上手くできるように、本記事でも紹介したコツ $2$ つをじゃんじゃん使っていきましょう!
数学Ⅰ「二次関数」の全 $12$ 記事をまとめた記事を作りました。よろしければこちらからどうぞ。
おわりです。
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コメント一覧 (1件)
ごめんなさいだけどわかりにくかったです